（１）救いとは何か、救い主とはどういう人か
　これまでの聖書の学びを通して、「真の神様」と「人間（その罪）」についてお話しました。もう一度まとめますと「創造主である真の神様は、私たち人間をお造りになりました。それは本来、神様と愛し合って幸せに生きるためでした。ところが、人間は神様に背く事を選んでしまいました。全ての人間はその罪の性質を受け継いでいて、そのままなら人間は、神様に全く捨てられねばならない（永遠の滅び）」ということです。

　この世にある一切の悲しみ・苦しみも、この神様から離れているという人間の罪が全ての根本の原因なのです。　ですから、病気が癒されるとか、貧しい生活が豊かになるとか、戦争がひとまず終って平穏になるというような、目先の一時的なことが変わるだけでは、本当の「救い」にはなりません。全ての根本原因である、人間の罪とその罰である永遠の死から救われることが「救い」です。また言い換えれば、この造り主なる神様と和解する事が「救い」です。

　ところであなたは、良い人間になろうと努力したり、悪い思いや行いをやめようとされた事がありますか？　結果はどうでしたか…？　人間は自分の力では罪から救われる事は決して出来ません。　しかし、神様は私たち人間を愛しておられるので、見捨てることがお出来になりませんでした。そこでご自分の御子イエス様を、私たちを罪と滅びから救う救い主として遣わして下さったのです。（Ⅰヨハネ4：9、10）

（２）イエス・キリストの生涯（準備）
　　「イエス」が名で、「キリスト」は「救い主」という意味の称号です。イエス様は、三位一体の神様（父なる神様・子なる神様・聖霊なる神様）の２番目「子なる神様」です。

　さて、救い主というのは神様の側と人間の側との間に立って、お互いを和解させてくれる者でなければなりません。どんなに立派な人も神になる事は出来ませんし、神と人の間に立つことは出来ません。そこで、この神の御子が、いと高き神様であられるのに、同時に私たちと同じ人間となって、天からこの世に来て下さったのです！（ピリピ２：６～８）

　イエス様は今から約2,000年前、紀元0年頃にイスラエルの国で、聖霊によって処女マリヤの胎を通して地上に来られました（罪の性質を受け継がない）。貧しい大工ヨセフの家庭で、赤ちゃんから30才になるまで普通の人の子として育ち、私たちと同じ人間の人生を味合われました.（ルカ１：26～38）

　そして30才になった時、父なる神様から改めて救い主としての任命を受け、聖霊なる神様に励まされ、救い主としての活動を始められました。（マタイ３：13～17）

　イエス様は最初の頃、おもに三つのことをされました。一つは「教え」です。「神の国は近づいた」と言われました。つまり神様と和解する道、神の国に入れる道、救いが近づいたということです。だから、神の国に入ることを求めるように語り続けられました。

　二つ目は「奇跡」です。病人を癒したりされたのです。そのことを通して、イエス様はご自分が本当に神の御子であって、救い主であることを示そうとされたのです。

　三つ目は弟子を選ばれました。側に置いてご自分の事をよく知らせ、イエス様が救い主である事を人々に証しさせるためです。

（３）イエス・キリストの生涯（十字架と復活）
　しかしイエス様が人間の罪のことを指摘すると、へりくだった信者は素直に悔い改めましたが、高ぶった者はイエス様のことを憎み、遂に十字架の刑で殺してしまったのです。

　 けれども、実はこれは父なる神様の救いのご計画でした。というのは、イエス様が神様と人間との間の仲介者だからといって、それだけで神様と人間が和解できるのではありません。人間が神様に背いた罪の罰は、誰かが必ず受けなければならないのです（償い）。

　そこで父なる神様は、全く罪のない大切なご自分の御子イエス様に、私たち全ての人間の罪の罰を身代わりに受けさせたのです！　ここに神様の人間への愛が表れています！（中心聖句　参照）（イザヤ53章）

　イエス様は十字架の上でこう叫ばれました「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか。」（マタイ27：46）。　イエス様は、私たちの身代わりに罪の罰を受けて、父なる神様に全く捨てられて下さったのです。それは単に、肉体が死んだだけでなく、霊もよみにくだり、霊の苦しみを受けられたのです。

　しかし神の御子であるイエス様は、よみにくだり、三日目によみがえられたのです！　イエス様がただの人間であったなら滅びたままであったでしょう。しかし、人間であると同時に神様であるイエス様は、死に勝って復活されたのです。使徒行伝２：24に、
　「神はこのイエスを死の苦しみから解き放って、よみがえらされたのである。イエスが死に支配されているはずがなかったからである。」と記されている通りです。

　イエス様が霊の死から復活されたことによって、イエス様には私たちの罪を赦し、死から救う力があるということが証明されたのです。イエス様はその後、40日に渡って弟子たちに姿を現され、その後、天に昇られました。（使徒行伝１：1～11）

これは人間の理解を超えた事ですが、信じる者を救う神の力です。（Ⅰコリント１：18）

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