３．人　間

（１）神様のかたちに造られた人間
　「人間とは何か？」これをどう考えるかで、その人の生き方が変わってくるでしょう。　人間は生き物（動物）の一種？　確かにそうです。人間は神様がお造りになった生き物の一つです。けれども、他の生き物とは決定的に違う点があります。それは「人間は神様のかたちに造られた」ということです。創世記1：27に「神は自分のかたちに人を創造された」とあります。これはどういう意味でしょうか？

　 これは顔かたちのことではありません。前回もお話しましたが、神様は霊的な存在で、人間のように肉体はありません。しかし人間は肉体だけの存在ではなく、「霊」（別の言い方では「魂」）があるのです。この「霊」を与えられているということが、神様のかたちに造られたということなのです（創世記2：7）。動物は感情や本能はあっても「霊」はありません。ですから動物は神様にお祈りしたりはしません。人間が神様に似て「霊」があるということは、神様と心と心を通わせて交わりが出来るという事なのです。

　 実に、人間は本来、神様と（親子のように）愛し合って生きるために造られたのです。


（２）自ら神様になろうとした人間（罪のはじまり）
　　そのように元々人間は、神様に似せて、神様と交わるように造られたのです。ところが最初の人間（アダムとエバ）は自ら神様になろうとしました。神様は人間を、ただ命令に機械的に従うロボットのように造られたのではなく、自由意志を持つ者として造られました。それは人間に、自分の意志で、自主的に、神様に従うことを選んで欲しかったからです。　最近はコンピューターやロボットを相手に遊ぶ人も増えていますが、自分の指示どおりに動く機械を相手にしていても、心と心を通わせる本当の喜びはありません。自分の意志を持った者と交わってこそ、本当の喜びがあるのです。

　 しかし人間はその自由意志をもって、神様になろうと思い、神様から離れることを選んでしまったのです。具体的には、神様が「善悪を知る木からは取って食べてはならない。…きっと死ぬであろう。」（創世記2：17）と言われていたのに、神様に逆らって食べてしまったのです。

　 その時、実は悪魔が木の実を食べるように誘惑したのです。「神のようになれるから」と言って。確かに誘惑した悪魔は悪いのです。　しかし、神様の言葉に従うよりも悪魔の言葉に従い、また自分が神様のように偉くなりたい、と思ったことは、人間の罪です。

　 罪とは、人間がまるで神様であるかのように善と悪を自分で決めることです。善と悪は神様だけが決められるお方ですが、人間は神様から離れ、これから自分で善悪を勝手に決め、自分勝手の正義で生きることが罪です。アダムとエバの後の全ての子孫はこの罪の性質を誰でも生まれながらにして心に持っているのです。この全ての人の心にある罪の性質のことを、「原罪」と言います（ローマ3：9〜18）。

　本来、神様によって造られた人間は、神様と共にいて愛の交わりをしてこそ命があり、幸せに生きるものです。その神様の元から離れた人間はどうなってしまうのでしょう？


（３）罪の拡大
　 この全ての人の心にある罪の性質・原罪から、具体的な罪が色々な形で現れて来ます。まずは心の思いの中に現れます。　聖書にこう記されています、「人の心の中から、悪い思いが出て来る。不品行（性的不道徳）、盗み、殺人、姦淫、貪欲、邪悪（破壊的な悪）、あざむき、好色、ねたみ、そしり（悪口）、高慢（神と人に高ぶる）、ぐち。これらの悪はすべて内部から出てきて、人をけがすのである。」（マルコ7：21〜23）。

　この他、多くの罪が心から生まれ、悪い思いは言葉となったり、行いになったりするのです。一本の木に譬えるなら、ちょうど、原罪という木の幹から、多くの罪の枝や葉や実が生じて来るのです。（マタイ5：21〜32）


（４）罪の結果
　 このような罪の性質を、もし放っておいたらどうなるでしょう。罪は、ちょうどガンのような病気に似ています。手術や治療を恐れて医者にもかからずにいたら、やがては命を落とすことになってしまいます。罪も放っておくなら、しだいに本人の心と人生を傷つけ、周りの人も傷つけ、歳をとるにつれ孤独と空しさと不安はつのり、やがて肉体が死んだ後は永遠の地獄に落とされねばならないのです。このことを「霊の死」とか「第二の死」と呼びます。　「罪の支払う報酬は死である…」（ローマ6：23）（参照　黙示録20：13）

　 そのような霊の死の状態にならないように、一刻も早く自分の罪に気付き、霊の医者であるイエス・キリストのもとに行くことが必要なのです。

　 「御子イエスの血が、すべての罪からわたしたちをきよめるのである。もし、罪がないと言うなら、それは自分をあざむくことであって、真理はわたしたちのうちにない。もし、わたしたちが自分の罪を告白するならば、神は真実で正しいかたであるから、その罪をゆるし、すべての不義からわたしたちをきよめて下さる。」　（�Tヨハネ1：7〜9）



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