2025年6月8日

エペソ人への手紙　2章8節、4章3節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 神様の恵みと信徒の一致 ＞


１．恵みを求める教会と一致を求める教会
　日本の教会と韓国の教会、二つとも神の教会なので同じです。教会のかしらであるイエス・キリストが同じです。教会の運営は聖霊なる神の導きによるものです。定期的に聖餐式を行っています。父なる神、御子イエス・キリスト、聖霊なる神、三位一体の神を信じています。聖書は誤りのない神のみことばであり、私たちの信仰生活において唯一の基準です。礼拝の中、主の祈りをささげ、使徒信条で信仰を告白しています。聖なる神の教会なので、似ているところが多いです。

　しかし、それでも決定的に違うところが一つあります。それは、神の恵みを強調するのか、信徒の一致を強調するのかの違いです。神の恵みを強調する教会は韓国の教会です。信徒の一致を強調する教会は日本の教会です。

　韓国のキリスト者が一番好きな聖書箇所はエペソ２：８だと思います。
「あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたのです。それは、自分自身から出たことではなく、神からの賜物です」

　説教の中、祈りの中、一番頻度の高い単語が恵みです。また、教会の中で最も多く使われている単語が「神の恵み」です。牧師の口から「神の恵みです」と口癖にならないと韓国では牧会出来ないくらいです。そう言えば自分は「神の恵みです」と口癖にはなっていません。

　礼拝を準備する中、賛美を導く中、牧師と信徒たちが求めている目標は恵み溢れる集会を目指して礼拝を準備しています。韓国の教会は教団、教派を問わず、恵みを強調します。

　その反面、日本の教会が一番好きな聖書箇所はエペソ４：３だと思います。
「平和のきずなで結ばれて御霊の一致を熱心に保ちなさい」

　日本の教会で牧師と信徒たちが求めている目標は信徒たちの一致団結です。信徒たちが一つになるまで長い時間会議をします。信徒たちの意見が割れる時、意見がまとまるまで長い時間、待ちます。特に教会を建築する時は最初から意見が一致する教会は一つもないので、一致するまで長い時間を待ちます。


２．それぞれ違う背景
社会的な影響、歴史的な影響
真実を強調する韓国
白黒をはっきりしたい性質
一致よりは神の御前で正しいか、正しくないか真実をはっきりしたがる信仰スタイル。歴史的には侵略が多く、神の奇跡を求めるしか道がない極端な状況での信仰

和を強調する日本
日本においては「和」は憲法の上の法律であり、いつまでも変わらない真理
日本の代わりに「和」と言います。和食、和牛、和菓子、和英辞書


３．二つの違いの具体的な例
神の恵みに満たされるために韓国の教会がやっていること。神の恵みに満たされるために多くの集会を設け、参加しています。：主日礼拝、早天、祈祷院、断食

牧師の主なイメージは「主の僕」
　主の僕である牧師が神の代わりに宣べ伝える力強いメッセージによって神の恵みを求めます。一緒に声を出して、一斉に祈ることで、神の恵みに満たされたことを体験します。

　信徒の一致を保つために日本の教会がやっていること。毎月、役員会報告と会計報告があります。教会総会、教区総会、教団総会の議案はほとんど満場一致です。礼拝の司会者は週報のお知らせを全部読みます。教会案内はできるかぎり、詳しく、長く、丁寧に、大勢の信徒に案内を続け、繰り返します。集いが終わると反省会が多いです。

　反省を求め、反省会が好きです。牧師の主なイメージは「先生」です。先生である牧師の模範、謙遜、質素な生き方、そして先生のように教えるメッセージを通して信徒は恵まれ、一つになります。


４．神の恵みと信徒の一致は同じこと
　神様の恵みと信徒の一致。この二つの概念はエペソ人への手紙から見れば、もともと分離して考えてはいけない概念です。神様の恵みが溢れるところに自然に、信徒の一致があります。信徒の一致があるところに神様の恵みも溢れます。実は一つのことで両面です。

　ところが、二つの中で一つだけ強調するのが人間の特徴です。二つの中で一つしか強調しないのが人間の特徴です。 ですから、韓国の教会は神様の恵みを強調して、日本の教会は信徒の一致を強調します。

　韓国の教会は神様中心の教会と言われ、日本の教会は人間中心の教会だと昔から言われてきましたが、これは多分変えることのできない生まれつきの性質だと思います。生まれつきの性質は変えるのではなくて、逆に生かした方が良いと思います。

　これらのことは変えないといけない問題よりは、互いに補わないといけない課題だと思います。日韓の教会にそれぞれの課題があります。韓国の教会は神様中心なので、隣の兄弟が見えません。ですから、教会の中でも意見の衝突、争いがあります。韓国の教会はどうすれば、信徒の一致を保てるのかを努力しなければなりません。

　日本の教会は信徒の一致は優れているので、争いはありません。足りないところは神様の恵みを切実に慕い求めることです。神の恵みを強調する韓国教会と信徒の一致を強調する日本教会に関して私になりに一つの結論をくだしました。

　韓国の教会はこのまま恵みばかり強調して、信徒の一致の部分は出来る限り補うことにする。完全に神の恵みに満たされれば自然に信徒は一致します。日本の教会はこのまま信徒の一致を強調して、神の恵みは出来る限り補うことにする。信徒一人一人が心から一致出来れば神の恵みが溢れます。

　恵みを求めるのか、一致を求めるのか、これは信仰スタイルの違いだと思います。信仰スタイルは生まれつきのものなので、変えようとしても、変わらないものなので、逆に生かした方が良いと思います。

　このように二つの国の教会が大事にしている信仰スタイルが全然違います。ですから、二つの国の教会がこれから協力するためにはこの二つのことを良く理解して、互いに認めなければなりません。今までと全く異なる信仰スタイルを受け入れ、同じく生きることは相当の覚悟が要ります。日本の宣教に関わることは自分の今までの信仰スタイルを捨てて、慣れてない、合わないスタイルで働くことです。信仰スタイルに違いがあるのに、一方的に要求するとうまくいきません。日本の教会のリバイバルはまだ時間がかかりそうです。今まで世界からいろいろやってみましたが、なかなか答えが分かりません。しかし、主なる神がいつかリバイバルの日をくださるでしょう。その日まで、日本の教会は一番慣れているスタイルである、信徒の一致を保ちながら、頑張るでしょう。

２：８ この恵みのゆえに、あなたがたは信仰によって救われたのです。それはあなたがたから出たことではなく、神の賜物です。
４：３ 平和の絆で結ばれて、御霊による一致を熱心に保ちなさい。



　　　　　　　　　　　　このペ−ジのTOPへ　　　　　前週へ　　　　翌週へ　　　　　一覧表へ戻る