2025年4月27日
マタイの福音書 27章11〜31節
＜ 私の王は誰なのか ＞
私達は今まで人生の大事な事を誰が決めたのでしょうか？ 結婚、進学、就職など人生の大事な事を誰かが決めます。自分が、親が、先輩が、友達が、牧師が、主なる神が決めます。私の人生を決められる存在だから王と言えます。
私達は全員誰かの指示を受けています。小さい時は親、学校に行くと先生、友達、会社に行くと上司、結婚すると奥さんなどですが、結局は自分自身の我がままの生活でした。現代は自分自身の心が指しているところに従いなさいと教育しています。しかし、聖書は主なる神、父なる神、聖霊なる神の御心に従いなさいと教えています。自分の心が指しているところに全面的に従いますと堕落することになります。私達の心が罪によって汚染されているので、心に従うと堕落するようになっています。
聖書が創世記から黙示録まで共通して言っていることがあります。私達が心から従わないといけない王様は主なる神です。アダムはこの地球を支配するこの地の王様でしたが、主なる神から離れたことで、真の王様を探してさまよいました。ヨハネの福音書によりますとこの地の真の王様が人間となってこの地に来られましたが、ご自分の民がイエス様を受け入れませんでした。受け入れるところか、民が自分たちの王を十字架で殺してしまいました。十字架は王様に関する話です。マタイの福音書はダビデの子に関するお話です。ダビデの子は目に見えない神の神殿を建てる王様です。イエス様は十字架を通して目に見えない教会を建てた私たちの王様です。
１．「あなたはユダヤ人の王なのか」
１１節でピラトはイエス様に「あなたはユダヤ人の王なのか」と尋ねました。いきなる急に、何のことでしょうか？ イエス様は一度もユダヤ人の王だと言ったことも無いのに。イエス様は一度も王だと言ったことはありませんが、今まで3年間、イエス様についていた大勢の群衆たちはイエス様を王様にしようとしたことが多くありました。五つのパンと二匹に魚で5千人が食べた後、イエス様を王様にしようとしました。イエス様がエルサレムに入城した時も、まるで王様であるかのように迎えました。そして、祭司長たちや長老たちがイエス様を何とかして政治犯にして、死刑にしたいことをピラトも良く知っています。イエス様を十字架の死刑にするためには政治犯ではないと難しいです。イエス様がユダヤ人の王だと言ってしまえば政治犯になり、十字架になります。しかし、イエス様はピラトに何もお答えになりませんでした。イエス様が何も言われない限り、イエス様は政治犯ではありません。十字架刑にもなりません。
しかし、マタイはここでわざとピラトの質問をここで書きました。マタイが今まで長い福音の物語を続けてきたクライマックスなので、ピラトの大事な質問を入れました。マタイの福音書が強調していることは１：１にあります。
１：１「アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリストの系図」
アブラハムの子であるイサク、ダビデの子であるソロンですが、マタイが言いたいことは本当のアブラハムは子であるイエス、本当のダビデの子であるイエスです。ダビデが王様なので、ダビデの子も王様です。十字架はダビデの子イエス様が死んで、アブラハムの子孫、信仰の子孫を生み出すことです。ダビデの子はマタイの福音書の二本柱の一つです。ですから、マタイの福音書には「ダビデの子」と言う表現が多くあります。マタイの福音書がクライマックスになりましたので、マタイはここでもう一度強調するためにダビデの子イエス・キリスト、ユダヤ人の王イエス・キリストをピラトの口を借りて紹介しています。
２．バラバ・イエスか、キリスト・イエスか
ピラトには悩みがありました。イエス様を死刑にしたがる祭司長たちや長老たちの言いなりになりたくありません。祭司たちの言いなりになって、騒乱が起きたら、責任はピラトが背負うことになります。けれども、罪なきイエス様を守ろうとする意欲もありません。ピラト自身が決めないといけないことですが、彼はできる限り責任転嫁したいです。当時は丁度、責任転嫁できる習慣が一つありました。総督が祭りのたびに、群衆のため彼らが望む囚人を一人釈放することがありました。丁度、そのころ、バラバ・イエスという、名の知れた囚人が捕らえられていました。名前が二人ともイエスです。イエスの意味は救いです。キリスト・イエスは人類の罪からの救い、バラバ・イエスはローマからの救いです。
二人の中で一人は偽りの救い主です。ピラトはユダヤ人群衆に叫びました。
「・・だれを釈放してほしいのか。バラバ・イエスか、それともキリスト・イエスか。」
「ユダヤたちよ、あなたがたが決めなさい、あなたがたの王様はだれなのか」と言わんばかりに叫びました。
ユダヤ人たちの返事はイエス・キリストではなくてバラバ・イエスを選びました。
「おまえたちは二人のうちどちらを釈放してほしいのか。」
彼らは言った。「バラバだ。」
２２節 ピラトは彼らに言った。「では、キリストと呼ばれているイエスを私はどのようにしようか。」 彼らはみな言った。「十字架につけろ。」
２３節 ピラトは言った。「あの人がどんな悪いことをしたのか。」 しかし、彼らはますます激しく叫び続けた。「十字架につけろ。」
大勢の群衆が「バラバだ」と選択したのは祭司長たちと長老たちに説得されたからです。群衆は愚かなので説得されました。しかし、もっと大きな理由はイエス様を彼らの王に受け入れたくなかったからです。イエス様を彼らの王様にしたくなかったからです。これは罪であり、アダムの時からずっと流れてきた罪の伝統です。自分自身が王であり、自分自身が神なので、イエス様を王に認めたくありません。この罪は今まで私たちの中にも続いています。
ですから、マタイはここで、ピラトの口を借りて私達にも叫んでいます。あなたがたの救い主は誰なのか？ あなたがたはイエス・キリスト以外に誰を王にしているのか？ あなたがたの心にある王座に誰が座っているのか？ あなたがたの心に誰が王様なのか？ あなた自身なのか、イエス・キリストなのか？ お金なのか？ イエス・キリストなのか？ どちらなのか、ここで決めなさい。私達は二つの中で一つを決めないといけません。自分自身なのか、イエス・キリストなのか？
ピラトの質問はこれからも続きます。自分自身なのか、イエス・キリストなのか？ 私達はこれからも二つの選択に立たされます。この質問に私達はこう答えたいです。「キリストには変えられません」 毎日の信仰告白にしたいです。
３．ユダヤ人の惨めな王様
総督の兵士たちはイエス様をからかうために王様ごっこを始めました。ユダヤ人から見捨てられた惨めなユダヤ人の王です。
２８節 緋色のマントを着せました。
２９節 茨で冠を編んでイエスの頭に置きました」 右手に葦の棒を持たせました」 イエスの前にひざまずき、「ユダヤ人の王様、万歳」と言って、からかいました。
王様ごっこが終わると十字架につけるためにイエス様を連れ出しました。イエス様は私たちを救われるために、王様ごっこのいたずらを受けました。
私達はイエス様の十字架の恵みによって救われました。ですから、これからは自分が王様であるかのような王様ごっこは終わりにしましょうか？ 今まで自分自身を心の中、王様になったつもりの王様ごっこをやってきました。自分自身が第一、自分の事しかありません。自分のために生きていて、自分の幸せしか考えていません。イエス様から見れば王様ごっこです。私達の王様はイエス・キリストです。私達はこれから主であり、キリストであり、王様であるイエス様に従いましょう。イエス様を私たちの王として認めましょう。
このペ−ジのTOPへ 前週へ 翌週へ 一覧表へ戻る