2024年11月17日

マタイの福音書　20章17～28節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 仕えるため来られたイエス様 ＞


　クリスマスが一カ月くらい後です。クリスマスプレゼントが話題となる時期です。今年のクリスマスプレゼントの予算はいくらくらいになるのでしょうか？　クリスマスプレゼントと言うと子どもが大人からもらうケースが多いです。しかし、大人の私達もクリスマスプレゼントをもらいたいです。大人の私達にプレゼントしてくださる人はいないので、私たちは父なる神にクリスマスプレゼントを頂きたいです。神の子どもだから私達にも天のお父様からクリスマスプレゼントを期待して、楽しみにして待ってみましょうか？

　今年は主イエス・キリストが、私達にどんな特別なプレゼントを下さるのでしょうか？　イエス様は私達に多くのものを下さるために来られました。イエス様は今日のみことばで弟子達にこの地に来られた理由として、「仕えるため」、「自分の命を与えるため」だと教えました。何もかも全てのプレゼントをくださるために来られました。クリスマスシーズンを迎える前に、イエス様が来られた意味を確認し、それに比べて私達に足りないところは何か考えましょう。


１．誰でも受け入れてくださる
　自分の居場所がない。現代の私たちの課題であり、悩みです。家族の中で居場所、友達の中で居場所、職場において居場所、私達は現在、誰かと一緒にいながら、それでもなお居場所を心配としています。教会の中でも居場所と言う課題があります。

　私達は仲間から離されることを怖がっています。ですから私達は受け入れられる人になるために、努力します。社会マナーを学んで、礼儀を学んで、実力を蓄えて、才能開発に専念して、社会から、会社から受け入れられる人になるために今年も頑張りました。冷たい社会は私達の必死の努力を認めて、やっと受け入れてくれましたが、そのことで私達は疲れてしまいました。

　人間関係に気を遣って一年過ごしたら、１１月くらいになると体も心もボロボロになります。それでもなお、心からなかなか消えない不安があります。「いつかは居場所が無くなるだろう」という不安です。その不安通り、残念ながら私達は実際、時間と共に一人ぼっちになりつつあります。友達も、家族も、知り合いも一人ずつ減っていきます。最後は一人だけ残ります。最後に私のそばに残るのは救い主、主イエス・キリストだけ残ります。イエス様は私たちの中におられますので、最後まで共におられ、天国まで一緒です。イエス様はいつでも私達を心から受け入れてくださいます。心の貧しい人々に良き友達になってくださいました。イエス様は私の良き友です。これにまさるクリスマスプレゼントはないでしょう。

　イエス様の当時、イエス様のそばにいた人達を考えてみましょう。彼らは社会から見捨てられ、認められませんでした。イエス様は社会から見捨てられた人たちを誰でも、受け入れてくださいました。お金しか知らなかった収税人マタイとザアカイを受け入れてくださいました。悪霊に取り憑かれていたマクダラのマリヤを受け入れてくださいました。皮膚病で社会から隔離された人、いろいろの病で汚い生活をしていた人々を暖かく心から受け入れてくださいました。社会から蔑ろにされているやもめや孤児から、政治家のニコデモやアリマタヤのヨセフまで全員受け入れてくださいました。

　金持ちも、貧しい者も、大人も、子供も、男も、女も、ユダヤ人も、異邦人も、社会から受け入れてもらえなかった人々、全員を心から暖かく受け入れてくださいました。イエス様は罪人を招くために来られましたので、神の憐れみを求める人々はいかなる罪人でも受け入れてくださいました。

　ところで、誰でも受け入れてくださるイエス様を信じている私達はまだまだ、心が狭いです。私達は人を受け入れるよりは退けるのが上手です。私達の心の中にヘロデ王のような既得権を守ろうとする欲があります。ヘロデは「新しいユダヤの王がお生まれになった」と言う知らせを聞いてベツレヘム地域の２歳以下の子どもを全員殺しました。既得権を奪われたくない欲がメシアを退けました。

　私達の心の中にナザレ町の住民と同じように人を無視する心があります。イエス様と同じ町で、同じく子どもの時を過ごしたので、イエス様を同じレベルの人間だと思っていました。その無視する心が神の子を退けました。

　私達の心の中にエルサレムの宗教指導者、バリサイ派の人のような優越主義の心があります。「ガリラヤからは預言者が出るものではない」と言い張る優越主義がイエス様を退けました。私達の心の中に今日のみことばの弟子達のように競争に勝つことしか考えない心があります。となりの弟子を同じ主の働き人、同じ神の家族ではなくて、競争者として退けました。残りの１０人の弟子達も同じでした。ですから心の中で「憤慨」していたわけです。

　他人を快く受け入れる人になりたいですが、実際にはそれが出来ないのが現状です。努力しても、決心しても、なかなかできません。口ではイエス様を主だと信じていますが、心の中の王座には未だに私自身が座っています。

　けれども、もう一度決心しましょう。「これからは私達の周囲にいる弱い人々を心から受け入れる人になりたい」。そして、主に助けを求めましょう。このクリスマスのシーズンこそ、誰でも受け入れられる開かれた心が主のプレゼントとして私達に与えられるかも知れません。


２．何でもくださる
　イエス様は御子なる神の力を持ってあらゆる奇跡、いろいろの賜物、数々のプレゼントを人々に分け与えてくださいました。神しかできないプレゼントを人々にくださいました。死んでいたナザロには新しい命をくださいました。見えない人には光をくださいました。罪のくさりに繋がっていた人には自由をくださいました。才能がない者には聖霊の賜物をくださいました。貧しい者には天からの祝福をくださいました。「イエスは知らない」と裏切ったペテロには新たなチャンスをくださいました。漁師達には神の国の使命をくださいました。この上に主はご自分の命さえ惜しみなく、くださいました。「多くの人のあがないとして、自分の命を与える」。

　これで終わりではありません。現代を暮らしている私達は新約聖書の誰よりも多くのプレゼントがあります。イエス様がすでに命をくださいましたので、神に取って惜しいものは何もありません。何でもおまけにくださいます。

ローマ8:32
「・・ご自分の御子さえも惜しむことなく死に渡された神が、どうして、御子とともにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがあるでしょうか」

　私達は天のお父様から未だ頂いていないものがたくさんあります。私達がまだ、天のお父様から頂いていない理由があります。

　まずは、信仰がないからです。「神に取って不可能なことは何も無い」とおっしゃいましたが、私達はそれを疑っています。私の人生において不可能のように見える問題が大きくて、神様の約束がなかなか信じられません。

　神から頂いていないもう一つの理由は満足してしまって、何も求めないからです。神から何も求めないので、何ももらっていません。何も求めないことはそんなに切実ではないからです。切実さが足りません。皆様にとって現在、切実なものはありますか？　切実なことはありますか？

　何ももらっていない人は他の人に何もあげません。主から溢れるほど頂いた人は自然にとなりの人にあげる余裕があります。しかし、主からちょっとしかもらってないので、他人に何もあげません。天のお父様が私達に溢れるほど与えて下くださる理由は私達も隣人に何でもあげられる人になってもらいたいからです。

　クリスマスの精神はイエス様のように全てをあげる日、全てを惜しみなくあげられる日です。現代のクリスマスは親から何でももらえる日に変わっています。他人に快くあげられる教育をしたいのですが、どうすればできるでしょうか？　イエス様の教えを紹介します。『受けるよりは与える方が、さいわいである』。この一言が主から私達に与えられた大きなプレゼントです。このイエス様の約束が東京教会の未来を変えるでしょう。私達の未来も変えます。あげることによって私も幸いになり、他の人も幸いになります。キリストの愛を分け与えるところに世界の平和があります。


３．私たちのため全てを捨てられる
　主は私達の為に全てを捨てられました。
１）制限を捨てられました。
ビリピ２：６「キリストは、神の御姿であられるのに、神としてのあり方を捨てられないとは考えず、」
２）神としてのご栄光を捨てました。身分を捨てました。
ピリピ２：７「・・しもべの姿をとり、人間と同じようになられました。・・」
３）富も捨てて貧しくなりました。
生まれる時にはろくに、部屋もなく、飼葉おけでお生まれになりました。この地上の生活では「まくらする所がない」くらい貧しい生活でした。

　イエス様が捨ててくださるものが私達にはプレゼントになります。IIコリント8:9「あなたがたは、私たちの主イエス・キリストの恵みを知っています。すなわち、主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられました。それは、あなたがたが、キリストの貧しさによって富む者となるためです」。

　主が命を捨ててくださいましたので、私達に永遠の命が与えられました。御子なる神の栄光と身分を捨ててくださいましたので、私達が神の子どもと言う栄光と身分が与えられました。主が貧しくなりましたので、私達が豊かになりました。

　今日のみことばで弟子達は他の弟子より早く出世することばかり考えていました。ヤコブとヨハネ兄弟は早く出世しようと母まで動員しました。この世のもの、つまり、権力、お金、名誉、地位を他の人より早く手に入れようと。そして、一回手に入れたものは何があろうと手放さないという生き方です。

　私のものだと主張すると私も苦しいし、隣人も苦しくなる生き方です。私達は主にならっていつかは全てをあげられる信仰者になりたいです。何もあげないといつも最小限度の神のプレゼントしかありません。私達はいつか無制限のプレゼントを頂きたいです。主の為に全てを捨てられる時、神から無制限のプレゼントを頂けます。

　そのことで私達の心は戦っています。神に全部委ねてみようか、いえ、やっぱり自分の人生だから全部委ねるのはやめておこう。どうしようか、迷っています。


結論
　私達もイエス様にならって他の人の為に施しますと多くの人々が豊かになります。私達が不便になれば、多くの人が便利になります。私達が少し制限すれば、多くの人の権利が広がります。私達が少し心と考えの幅を柔らかくすれば、多くの人の生活が自由になれます。私達の先入観を捨てると多くの人は選択肢が広がります。私達が少し低くなれば、多くの人が高く上げられます。私達が少し苦労すると多くの人が楽になります。私達の涙の祈りが多くの人々の癒しとなります。私達が犠牲を払いますと多くの人々が救われます。私達もこのような人になりたい。クリスマスを迎える時期だからこそ、このような決心も可能です。



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