2024年9月29日
マルコの福音書 1章1節
＜ マルコの偉大な宣言 ＞
先ほど、私たちが読んだ箇所はマルコの福音書1:1でございます。多分、メッセージの箇所としては一番短いところではないかと思います。この福音書を記録したマルコは12人の使徒たちの中には含まれていません。そのため、彼の行跡はあまり知られていません。そういうわけで、今日はマルコについての物語から始めたいと思います。
使徒の働き1章には、イエス様が天に昇られた後、約120人にもなる群れが屋上の部屋に集まって祈ったと言われています。この屋上の部屋は言わば「マルコの屋上部屋」と呼ばれています。リビングでもない、この屋上部屋に120人も集まったことから、マルコはきっと金持ちの息子ではないかと思います。
ところで、このマルコはパウロとバルナバの第1回宣教旅行の助手としてついて行くことになります。
使徒の働き13:5 サラミスに着くと､ユダヤ人の諸会堂で神のことばを宣べ伝えた。 彼らはヨハネも助手として連れていた。ここで言うヨハネがマルコのことです。私たちが聖書を読む時、ちょっと難しいと感じるのがまさにこのような部分です。同じ人の名前が、ある時はマルコで、ある時はヨハネと呼ばれます。
また、ヨハネと言えばバプテスマヨハネもいるし、使徒ヨハネもいて、ある時には紛らわしいです。
しかし、例えば、こういうことなんです。000は00先生の英語の名前です。同じように、マルコはユダヤ人ヨハネのギリシャ語の名前です。パウロも同じです。パウロはユダヤ人サウルのギリシャ語の名前です。当時には、多くの人がギリシャ語の名前を持っていました。
さて、ついに彼らはアンテオケ教会を出発、グブロに到着します。ここで総督に福音を宣べ伝えた後、バンビリアにあるバーガに到着します。 ところが、ここでマルコは途中で諦めてしまって、エルサレムに帰ります。
使徒の働き13:13 パウロの一行は、パポスから船出してパンフィリアのペルゲに渡ったが、ヨハネは一行から離れて、エルサレムに帰ってしまった。具体的な理由は聖書が述べていないので分かりません。ある学者たちは風土病じゃないか。ある学者たちはホームシックじゃないかと推測したりもします。金持ちの息子だったから、そうかも知れません。
とにかく、宣教の途中で一人が諦めるとどうなるのでしょうか？ 何よりも、残っている人たちが大変になります。そして、それは宣教にも役に立ちません。そして、途中で諦めて、帰るしかなかったマルコの心情はどうだったのでしょうか？ 同行した人たちに申し訳なく、恥ずかしい気持ちで本当に言葉で表すことができないでしょう。とにかく、このことの故に、マルコにも本当に大きなトラウマになっただろうと思います。
こういうわけで、パウロとバルナバは第2回宣教旅行を控えて、激しく争いました。
使徒の働き15:36 それから数日後、パウロはバルナバに言った。さあ、先に主のことばを宣べ伝えたすべての町で、兄弟たちがどうしているか、また行って見て来ようではありませんか。37バルナバは、マルコと呼ばれるヨハネを一緒に連れて行くつもりであった。38しかしパウロは、パンフィリアで一行から離れて働きに同行しなかった者は、連れて行かないほうがよいと考えた。39こうして激しい議論になり、その結果、互いに別行動をとることになった。バルナバはマルコを連れて、船でキプロスに渡って行き、40パウロはシラスを選び、兄弟たちから主の恵みにゆだねられて出発した。結局、宣教チームが二つに分かれることになりました。この時、また、マルコの心情はどうだったのでしょうか。先のトラウマがまだ癒されなかったのに、また、自分自身のせいで、こうなったので、マルコはどれほど大変だったでしょうか？
それでも、いつの間にか、数年が過ぎました。パウロはローマの牢にいながら、テモテに手紙を書きます。
テモテへの手紙第二4:11 ルカだけが私とともにいます。マルコを伴って、一緒に来てください。 彼は私の務めのために役に立つからです。どんな理由だったのかは分かりませんが、 今や、 マルコがパウロの務めの為に役に立つ人になったと言うことです。
それでは、どうやって、マルコはパウロに役立つ人になったのでしょうか。そして、怪我だらけのマルコがどうやって癒されることになったでしょうか？ その間、何が起きたんでしょうか。きっと誰かのお祈りとお助けがあったのではないでしょうか？
使徒の働き11:24には、バルナバと言う人物について、こう言われています。使徒の働き11:24 彼は立派な人物で、聖霊と信仰に満ちている人であった。こうして、大勢の人たちが主に導かれた。
使徒の働き 4:36 キプロス生まれのレビ人で、使徒たちにバルナバ（訳すと、慰めの子）と呼ばれていたヨセフも。バルナバの元々の名前はヨセフだったんですが、どれほど大勢の人たちを慰めたり主に導いたりしたので、使徒たちがバルナバ、すなわち、慰めの子と呼びました。慰められて主に導かれた、その人々の中には多分マルコもいたでしょう。
そのためでしょうか、その後、マルコの行跡はペテロの手紙第一にもあります。
ペテロの手紙第一5:13 あなたがたとともに選ばれたバビロンの教会と、私の子マルコが、あなたがたによろしくと言っています。 ご存知の通り、ペテロの手紙は当時、逼迫されているキリスト者を慰めるために書かれた手紙です。
マルコはペテロと共にいます。ペテロと共に宣教をしているのです。マルコはギリシャ語が上手なので、当時、ペテロの通訳を務めたと伝えられています。そして、ペトロはマルコをどのように呼んでいますか。ペトロはマルコを私の子マルコと呼んでいます。
二人の関係が父と子のようになったと言う意味です。
どころで、皆様、ペテロがどんな人ですか？ 主よ！あなたの為に命も捨てますと大口をたたいてから間もなく、イエス様を3回も否認した人ではありませんか。おい！マルコ、お前のミスはミスでもないよ！としながらどれほど多くの話をしたでしょうか。マルコは多分ペテロを通して多くのトラウマが癒されて、信仰も回復されたはずです。
マルコとペテロがローマで宣教をした時がAD約60年の初めでした。そして、AD64年にはローマに大きな火災が起こりました。 当時、ローマの皇帝ネロはその火災の原因をキリスト者に責任転嫁してしまいました。
その結果、多くのキリスト者が悔しくも、本当に言葉で表現できない夥しい迫害を受けることになりました。ちなみに、当時のあらゆる状況を見事に再現した映画がありますが、クオバディスという映画です。1951年製作されました昔の映画です。ぜひ一度ご覧になることをお勧めします。
映画を見ると、当時のキリスト者たちは死に至るまで賛美をしながら自分の死を迎えます。そして、それを見守っていた人々はこう絶叫します。イエス様！一体あなたは誰ですか。生きてはいますかと絶叫します。皆様、このような絶叫に対して答えているのが、まさにマルコの福音書です。すなわち、マルコの福音書は
当時、迫害を受けているキリスト者を目撃したマルコが彼らを慰めるために記録した本です。そして、福音書のうちで一番最初に書かれた福音書と伝えられています。
この時代、私たちも生きるのがあまりにも大変な時にはこんなに絶叫したりします。イエス様！一体あなたは誰ですか？ 私は今、こんなに辛くて死にそうなのに、あなたは今、生きてはいるのですか？
私だけこうでしょうか？ こういうような私たちの絶叫に、マルコの福音書はどのように答えていますか？
マルコの福音書1:1 神の子、イエス・キリストの福音のはじめ。イエスは確かに神、すなわち、天と地を創造された、作り主となる神の子だと宣言しています。皆様もイエス様が確かに神の子だと信じていますか？
その次は、イエス·キリストの福音の始め！と強い口調で宣言しています。皆様！私たちの知っている福音と言う言葉はギリシア語でユアンゲリオンです。すなわち、良いお知らせ、good
newsと言う意味です。そして、今はイエス様が私たちの罪を贖う為にこの地上に来られたと言う意味で使われています。しかし、2000年前にはローマの皇帝カエサルの命令を知らせを福音、ユアンゲリオンと言われました。すなわち、カエサルの支配、治めを福音と呼びました。
それで、イエス・キリストの福音の始め！と言う言葉は当時、最高の権力者カエサルの命令の知らせ、すなわち、カエサルの支配が福音ではなく、イエス様の君臨と治め、これがまさに福音good
newsだと宣言したのです。
先月15日に行われたJESUS REIGNS宣言式へ行って見ました。この宣言式はフィリピンから始まり、日本では今年第9年目に行われていると聞きました。しかし、マルコはすでに2000年前にJESUS
REIGNS、すなわち、イエス様の君臨と治めを宣言したのです。その故に、ある方々はこのマルコ1:1が創世記1:1と同じくらい偉大な宣言だと評価します。
皆様！いかがですか。マルコの福音書、一読したくありませんか。9月から私たちはREADING BIBLEをしています。再来週くらいからマルコの偉大な宣言のマルコの福音書が始まります。今まで読まなかったり、途中で諦めたりしたら、再び、スタートすることをお勧めします。
神様は失敗したマルコを最後まで諦めず、バルナバを通して、ペトロを通して彼を慰め、回復させてくださって、最後にはこの偉大な宣言をするようになさいました。同じように、神様は私たちが途中で諦めたり、失敗しても絶対に諦めず、最後まで偉大な勝利の宣言をするように、導いてくださると信じます。新しく始まる一週間も、最後まで私たちを愛するキリストイエスを眺める信徒の皆様となることを主の御名によって祝福します。
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