2024年9月22日
ルカの福音書 3章23～38節
＜ イエス家の人々 ＞
今日の箇所は人の名前しか書いてありませんが、それでも大事な所ではないかと思います。なぜなら、私達はたった２、３分の短い時間で旧約聖書を全部読んだことと同じ意味がありました。今日の箇所に書いてある人々の人数は７６名です。彼らの名前は旧約の歴史と同じです。一人の名前には一人の歴史とその時代が含まれています。たとえば、東京教会の歴史とその時代を制限された文字で短くまとめて下さいと言われたら、何を書いたら良いでしょうか？ 他の方法もありますが、今までの召天者だけ書くのも良き方法ではないかと思います。人は歴史に名前を残しますが、私達の名前も歴史に残ります。私達の短い人生は長い教会の歴史に残りますので素晴らしいクリスチャン生活を過ごしたいです。次の世代の人々には手本になりたいです。ルカは名前だけ書いて、旧約の長い歴史を短くまとめました。今日の箇所を通して大事な教えを頂きましょう。
１．イエス様の系図の特徴
１）二つしかない新約の家系図
旧約には家系図がたくさんありますが、新約には二つしかありません。マタイ１章とルカ３章だけです。二つはそれぞれ、特徴がありますし、理由もあります。マタイの系図とルカの系図に関する色んな説もありますが、今日は確実な事だけ考えたいです。
２）神にいたる。
「イエスはヨセフの子、ヨセフはエリの子・・アダム、そして神に至る」
人間の系図に神を付けました。７６名は神の子孫です。神の子アダムから始まって、最後に神の子イエスで終わります。神の子イエスを強調して、神の子誰々を強調しています。「神の子ども、或いは父なる神様」は基督教の一番中心真理です。主の祈りには「天にまします我らの父よ！」
使徒信条には「我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず」。私達の信仰告白の第一です。
３）ルカが特別に選んだ資料
ルカは1:3で「私も、すべてのことを初めから綿密に調べていますから、尊敬するテオフィロ様、あなたのために、順序立てて書いて差し上げるのがよいと思います」と言っています。彼は福音書を書く前に多くの資料を予め調べて、その中から選びました。なぜなら、全ての資料を全部書き入れることは出来ません。その量があまりにも多いからです。今日の箇所はルカにとって必ず書く必要があるところでした。そして、入れるならどこに入れるのか？その位置も彼にとって大事でした。次の箇所は一つのセットです。
３：２１－２２洗礼（愛する子）２２節
３：２５－３８系図（神の子）３８節
４：１－１２サタンの試み（神の子であるなら）３，９節
４：１４－３０伝道スタート（ヨセフの子）２２節
人々は皆、イエスはヨセフの子だと認識しているのに、どうして神の子なのか。そのわけをルカは5章から順序正しく私達に説明しています。
４）最後のアダムの勝利
Ｉコリント15：45に「最後のアダムは命を与える霊となった」と書いてあります。最初のアダムは死をもたらしました。しかし最後のアダムは命をもたらしました。ローマ5：19「ひとりの人の不従順によって、多くの人が罪人とされたと同じように、ひとりの従順によって、多くの人が義人とされるのである。」
今日の箇所に出てくる人々はアダムのように霊的な戦いに負けた人々です。しかし、最後のアダムであるイエス様が来られて、全ての旧約の失敗した歴史を背負いました。代表して７６名を背負いました。そして、ルカ４章のところでサタンの誘惑に打ち勝ち、勝利しました。その勝利は十字架で確実になりました。その勝利は７６名の勝利だし、私達の勝利です。
２．失敗者たち
今日の箇所に載っている人々はまず、人生の失敗者たちです。彼らはサタンの試みに負けた人々です。アダムが初めて負けましたが、彼以後７５名が次々と敗れました。サタンの試みに一人も勝った人がいません。サタンには三つの強力な武器があります。その武器に人々は次々と倒れました。
１）「パン：食べ物：生存」という武器
体と関係する人間の基本的な食欲の欲望です。体を維持するために無くてはならない食欲、性欲です。食欲と性欲自体は悪くありません。しかし、人はその欲望を健全な形ではなくて、最悪の形で使います。自分の食欲を満たすために他人を犠牲にします。本能に我慢しない時代を過ごしています。性欲は良いですがそれが、姦淫と言う越えてはならない範囲を越えます。誰でもこのような基本的な本能に惑わされないように注意しないといけない時代です。
２）国々の権威（権力、お金）と栄華（名誉）と言う武器
Ｉテモテ6:10 金銭を愛することは、すべての悪の根である。ある人々は欲ばって金銭を求めたため、信仰から迷い出て、多くの苦痛をもって自分自身を刺しとおした。お金は良いものですが、私達の魂に毒になるまで拝む者になってはいけません。
３）飛びおりてごらん（神を試みる、高慢、守るべき身分、地位から離れてはいけない）
人々は皆この中三つの中で一つ以上の弱さを持っています。人間の歴史はサタンに負け続ける連続でしたが、イエス様が初めてサタンの試みに勝ちました。これ以外にもたくさんあります。私達は生きる間、本当に数えきれないほどのいろいろの悲しみ、苦しみ、憎しみ、恐れを感じます。人生の中、失敗したこともたくさんあります。私達もルカ3章の信仰の先輩達みたいに失敗者たちです。
３．成功者たち
今日の箇所に載っている人々は成功者でもあります。彼らは失敗もありますし、あらゆる試みに負けましたし、色んな弱みを持っていました。けれども彼らは一つの事はしました。将来、来るべき救い主の望みを次の世代に伝えたことです。救い主が来られるまで世代を繋げました。彼らの働きはそれで十分でしたが、私達も同じです。個人の人生の中では弱い部分もありますし、隠したいところもありまして、失敗もあります。けれども、教会の３７年の歴史を子孫に伝えて行くだけで私達の働きは十分です。
今日の箇所に載っている人々のもう一つの成功は、彼らはイエス家に入っていることです。イエスは・・・神の子、皆は神の子です。一番上に父なる神様がおられ、一番下に御子なるイエス様がおられます。それでは、その中の７６名は失敗者ですか？成功者ですか？ もう一度説明させて頂きます。失敗者たちが７６名います。彼らを一つの手が覆います。父なる神の手です。もう一つの手が覆います。御子なるイエス様の手です。失敗者たちが神のふところに抱かれています。
ヨハネ１０：２８―２９
２８・・だれも彼らをわたしの手から奪い去りはしません。
２９・・だれも彼らを、父の手から奪い去ることはできません。
彼らは成功者ですが、私達ももちろん成功者です。
信仰と救いの神秘がここにあります。一人一人を見ると確かに罪人です。問題だらけであり、深刻な問題児であり、人生失敗者です。けれども、彼らに信仰がありまして、その信仰の故に神の愛に包まれています。イエス家の家族の一人です。信仰はイエス家の家族になること、家族の中に入ることです。家族になったので家族の一員に特権が与えられます。
結論
私達はイエス家の家族です。十字架の救いによってイエス家に入籍した神の子どもたちです。私達の現実は失敗もあります。その失敗が未だに続いています。しかし、私達は同時に成功者です。その理由はイエス家の家族の一員だからです。神の家族という素晴らしさを味わって下さい。ルカ３章は一応血筋に基づいた家系図です。（信仰の家系図である可能性もあります） イエス様の以後は信仰の家系図が始まりました。
信仰の家系図は血筋による物ではありません。同じ母のお腹から生まれる子どもなのに一人は救われ、もう一人は救われない不思議な現象を私達の足りない知恵では説明出来ません。ただ、私の救いを感謝するだけです。そして、私達がやるべき事はこれから信仰の系図を続けるために頑張る事です。誰が誰を導き、誰が誰を立派な信仰者として育て、誰がＣＳの教師として指導したのか？ 教会の奉仕者になるまで誰の影響力が強かったのか？
それが信仰の系図ではないかと思います。
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