2024年7月28日

列王記第一　17章17〜24節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 家族の試練と克服 ＞


全世界の人々に及ぶ試練があります。コロナ、自然災害、環境破壊
国全体の人々に及ぶ試練があります。戦争
各家庭の試練があります。病気、死

　今日の箇所には子どもが突然病気になって死んでしまう不幸のできごとがあります。この家には試練が続きました。3年間の飢饉がありました。３年間の飢饉は耐えがたい苦しみです。飢饉も耐えがたいのに、もっと悲しい出来事がありました。元気だった子どもが急に死んでしまいました。母としては耐えられない悲しみです。

　３年間の飢饉は国全体の試練です。やもめの子どもが死んだことはその家族だけの悲しみです。国全体の試練と家族だけの試練とどちらが耐えがたい大変な試練でしょうか？　３年間の試練は長いですが、徐々に悪くなります。子どもが早く死ぬことは短期間の極端のストレスと長期間の悲しみがあります。３年間の飢饉は全員の試練です。子どもが早く死ぬことはその家庭だけの悲しみです。

　どちらの方が悲しいことなのか比較すること自体がおかしいことです。二つとも起きてはいけない事であり、二つとも経験したくない試練です。私達の短い人生の中、いろいろの試練がありまして、一つだけでもしんどいのに、いくつかの試練が続きます。やもめが経験したこの試練の意味は何でしょうか？　神さまの不思議なご計画は何でしょうか？　今の段階ではさっぱり分からなくて、やもめは気がおかしくなりそうです。


１．これらの事の後
　これらの事の後は何でしょうか？　神さまはゼロ円生活をしているエリヤを毎日養いました。やもめもエリヤのおかげで、毎日の奇跡を見ています。１４節の奇跡を毎日見ています。「主が地の上に雨を降らせる日まで、そのかめの粉は尽きず、その壺の油はなくならない」

　かめの粉を使いますと次の日、また粉が増えています。壺の油を使いますと次の日はまた油が増えています。神さまの毎日の奇跡によって、一日一日生き延びています。彼らは生きているよりは毎日、生かされています。私達も正確には生きているよりは生かされています。私達が心臓を動かしているのではありません。神さまの恵みによって心臓が動いています。私達は毎日生かされていますが、心臓が止まるとこの地上の生活も終わります。一日、一日生き延びていますが、私たちは当たり前のように自分の命だと思い込んでいますが、正確には毎日、生かされています。

　エリヤも、やもめも、やもめの息子も、しばらく神のあわれみによって生かされていましたが、その家の子どもが病気で死にました。毎日、神さまの奇跡がありましたので、感謝でしたが、子どもが死んでしまうと感謝の気持ちも無くなりました。感謝が急に恨みに変わりました。やもめが何か悪い事でもしたのでしょうか？　悪いことが起きると人間は何か悪い事でもしたのかなと思ってしまいます。

　エリヤも面目を失いました。人生は山あり、谷ありだとは言いますが、しかし、いくら何でも、これは何ですかとつぶやきたいです。ですから、やもめも、エリヤもつぶやきました。やもめはエリヤにつぶやきました。１８節 「神の人よ、あなたはいったい私に何をしようとされるのですか。あなたは私の咎を思い起こさせ、私の息子を死なせるために来られたのですか。」
やもめのつぶやきの気持ちは良く理解できます。今までの奇跡も逆に恨みになるくらいです。どうせ、死ぬ子どもであるなら、今までの奇跡は何の意味があったでしょうか？

　エリヤも神さまにつぶやきました。
２０節 「私の神、主よ。私が世話になっている、このやもめにさえもわざわいを下して、彼女の息子を死なせるのですか。」
エリヤの気持ちも良く理解できます。やもめのところに来たのはお世話になるためでした。互いに生き残るためでした。災いをもたらすためではありません。この家庭に起きた災いを彼らはどう受け止めたら良いでしょうか？

　自然災害も、一人が死ぬことも、人間が止められるものではありません。真の神しかできない領域です。弱い人間はただ受け身で受け入れるしかありません。私達も今まで長年間、たくさんの試練を受け入れて来ました。ある時は積み重なる試練がありました。試練、試練、試練の連続がありました。ある時は祝福、試練、祝福、試練、代わりがわりの時もありました。祝福、祝福、祝福だけ連続する日はあまりありませんでした。これから私たちの未来はどうなるのでしょうか？


２．生き返りを求めるエリヤの祈り
　いくら預言者でも死んでしまった子どもに何ができるでしょうか？　やもめには申し訳ない気持ちでいっぱいです。それでも、主の預言者は何かをしなくてはいけません。エリヤができる事は主なる神に祈ることしかありません。エリヤは子どもの体を彼自身のベットに寝かせて、主に叫んで祈りました。
２１節 「私の神、主よ。どうか、この子のいのちをこの子のうちに戻してください。」

　主なる神は直ちに、エリヤの祈りに応えてくださいました。
２２節 「子どものいのちがその子のうちに戻り、その子は生き返り」ました。
今まで毎日、神の奇跡がありましたが、子どもが生き返るのは特別です。悲しみが喜びに変わりました。絶望が希望に変わりました。神さまのなさることは素晴らしいです。やもめはこの奇跡を通して本当の信仰が目覚めました。
２４節 「その女はエリヤに言った。「今、私はあなたが神の人であり、あなたの口にある主のことばが真実であることを知りました。」


３．主は生きておられることをやもめに証明なさるお方
　今日の箇所からエリヤとやもめはいろいろの事を学びました。やもめは本当の信仰者になりました。子どもが生き返る奇跡を見て、エリヤの主なる神こそ、真の神、唯一の神であることが分かりました。エリヤの神は本当に生きておられるお方であることが分かりました。毎日、かめの粉が尽きず、壺の油がなくならないことだけでも、分かりましたが、子どもが生き返る事には及びません。主なる神がエリヤを通して、彼女に主なる神が生きておられることを証明してくださいました。

　それではエリヤにとってこの奇跡の意味は何でしょうか？　エリヤは３年間の試練の中で主なる神を経験しています。信仰の体験を積み重ねているところです。祈ったら、本当に雨が降らないことを体験しました。カラスを通して毎日食べさせてくださることを見て来ました。やもめの家庭を通して毎日満たして下さることを見て来ました。今回は死んだ子どもでさえ生き返らせる主なる神の御業を目撃しました。エリヤはこれで怖いものなしとなりました。主なる神に従えば、何でも聞いて下さると確信がありました。これからエリヤはアハブと霊的な戦いをします。18章の霊的な戦いのために訓練しているところです。これが霊的な訓練の準備であることを知らないまま、今まで試練と奇跡が続きました。祈りましたら、3年間雨が降らない、祈りましたら子どもが生き返る奇跡を見て来たので、エリヤはこれから何でも主に祈れるようになりました。主が生きておられることを全イスラエルで証明するために選ばれたエリヤです。彼の活躍が18章から始まります。



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