2024年6月30日礼拝

2024年6月30日

創世記　21章14～21節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜誰にもある人生の悔しさ、その後・・＞

　生きている間に、いろいろ悔しいことがあります。私達も悔しいことがいろいろありました。人生の悔しさは誰にもあります。誰にもある悔しさ、しかし、その悔しさを後でどうしているかは皆が違います。

　私達は人生の悔しいことがありましたら、その後、何をしますか？　悔しいことは必ず復讐しますか？　悔しいことがあっても我慢しますか？　復讐する方法は二つあります。一つは直接復讐する方法です。もう一つは悔しさの故に歯を食いしばって、努力して成功する方法があります。この世はこれを勧めています。悔しさがあっても我慢してしまう人もいます。我慢すると病気になるので、これも良くありません。

　イエス様を信じるキリスト者はどうすれば良いでしょうか？　悔しさを我慢するのではなく、主に積極に打ち明けることです。悔しさがあることを隠しません。復讐もしません。悔しい思いを主に正直に打ち明けると主が何かをしてくださいます。

　さて、イシュマエルとハガルは悔しさに満ちていました。彼らはこのまま、悔しさをかかえたまま、人生が終わってしまうのでしょうか？　反対に、その悔しさを乗り越えるのでしょうか？　まだ、人生終わっていませんが、彼らはどちらを求めるのでしょうか？

１４翌朝早く、アブラハムは、パンと、水の皮袋を取ってハガルに与え、彼女の肩に担がせ、その子とともに彼女を送り出した。それで彼女は行って、ベエル・シェバの荒野をさまよった。
　アブラハムは翌朝早く、二人を送り出しました。神さまからの明確な答えがありましたので、直ぐ従いました。二人にパンと皮袋に入った水が全部です。あれほど財産が多いアブラハムなのにどうして、パンと水の皮袋だけなのでしょうか？　パンと水だけでは一日しか持てません。間違ったところをさまよったら命さえ危ないです。

　なぜ、ここまでひどい仕打ちでしょうか？　奴隷のくせにサラに逆らったからでしょうか？　もうアブラハム家には要らない存在だからでしょうか？　いくら奴隷でも、一人の人間なのに、どうしてここまでひどいことをするのでしょうか？　アブラハムはもともと、こんなにひどい人間だったでしょうか？　アブラハムはケチではないのに、どうしてここまでひどいでしょうか？　これもまた、アブラハムの信仰の一つだったでしょうか？　ハガルとイシュマエルはもう、神の御手に委ねるしかないからでしょうか？

１５皮袋の水が尽きると、彼女はその子を一本の灌木の下に放り出し、
二人は荒野をさまよいましたが、水が無くなったので、命が危なくなりました。アブラハムは二人を死なせるために追い出したわけではありませんが、結果としてはそうなりました。水が無くなって、イシュマエルは命が危ないです。追い出されたことも悔しい、死の危機に直面していることも悔しい。悔しい涙しかありません。母は息子を一本の木の下に放り出しました。母の愛は偉大ですが、母も弱い人間なので、息子を助けられる余力がありません。二人にとって最後の瞬間が近づき、死の恐怖が迫ってきました。

１６自分は、弓で届くぐらい離れた向こうに行って座った。「あの子が死ぬのを見たくない」と思ったからである。彼女は向こうに座り、声をあげて泣いた。
　母は子どもをために何でもやりますが、今は何も出来ません。死ぬ直前の子どもを見て耐えられなくなりました。二人は命の限界に達しまし、彼女は声をあげて泣きました。最後の瞬間を迎えた時の悔しい涙です。

１７神は少年の声を聞かれ、神の使いは天からハガルを呼んで言った。「ハガルよ、どうしたのか。恐れてはいけない。神が、あそこにいる少年の声を聞かれたからだ。
　二人の人生が悲惨な形で終わろうとしているところ、神さまの声がありました。神さまは少年の叫びを聞いて下さいました。イシュマエルの叫びが悔しい歯ぎしりのものだったのか。神に助ける求める祈りの叫びだったのか、どちらなのかは分かりません。

１８立って、あの少年を起こし、あなたの腕でしっかり抱きなさい。わたしは、あの子を大いなる国民とする。」
　主なる神が二人に約束してくださいました。「わたしは、あの子を大いなる国民とする」イサクとその子孫だけでなく、イシュマエルとその子孫を大いにしてくださる約束です。今まではアブラハムが養ってくれましたが、これからは主なる神が養ってくださいます。今まではアブラハムを信じて来ましたが、これからは主なる神を信じて行けば良いです。今まではアブラハムに属する息子でしたが、これからは主なる神の子どもとなれば良いです。

二人はここで生き方が変わりました。
誰を信じて生きるかをこれから決めなければなりません。ハガルは今までアブラハムを信じて生きました。しかし、アブラハムの家から追い出されました。

　これらかは誰を頼りにして生きるかこれから決めます。アブラハムの神を信じるか、息子のイシュマエルを信じるか。アブラハムの神を頼りにするか、息子を頼りにするか。アブラハムの処分に任せたら、追い出されましたが、主なる神の処分に人生を委ねられるのでしょうか？

　イシュマエルも同じく、ここで生き方が変わります。今までは父アブラハムを信じていましたが、追い出されました。これから父アブラハムが信じて神さまを頼りにするか、母のハガルを頼りにするか。母のハガルは何も頼りにならない人なので、彼自身を信じるしかないか。彼はこれから生き方を決めることになります。

　二人は生きる理由も変わりました。二人はアブラハムから追い出されたので、悔しいです。悔しいので、仕返ししたいです。復讐心は生きる理由になります。アブラハムに復讐したい、イサクに復讐したい、復讐心で人は元気になります。二人には復讐心だけではなく、互いのために生きる理由もあります。ハガルはイシュマエルのために、イシュマエルはハガルのために生きるでしょう。

１９神がハガルの目を開かれたので、彼女は井戸を見つけた。それで、行って皮袋を水で満たし、少年に飲ませた。
　今まではアブラハムの家で食べ物、飲み物を得ました。ただでもらいました。これからは父なる神さまから頂きます。主なる神さまは二人に水を満たして下さいました。アブラハムは少ししか満たしてくれない人でしたが、父なる神は十分満たして下さるとお方です。必要な水を十分、満たして下さいました。必要な水を必要な時、満たして下さいました。これ以上はアブラハムではなく、主なる神を信じれば良いです。まさにこれからはアブラハムから離れて、主なる神の保護に入れば良いです。

　主なる神がここまで奇跡的に助けてくださった理由は彼らの信仰ではありません。アブラハムへの約束があったからです。イシュマエルが生まれる前からありました、祝福がここでも適用しました。「あの子を大いなる国民とする。」 この二人は実は知らないうちにアブラハムの祝福をもらっていました。彼らの祈りの結果ではありません。彼らの切実な叫びの結果ではありません。アブラハムへの約束を主なる神が覚えておられたからです。アブラハムもイシュマエルとハガルを追い出す時、主の御手に委ねました。これからは主なる神が二人を守ってくださるので、財産を持たせなかったわけです。

２０神が少年とともにおられたので、彼は成長し、荒野に住んで、弓を射る者となった。
　一度、主に助けられ、命拾いした二人はその主なる神だけを信じる人になればよかったですが、信仰の人ではなかったのではないかと思います。「あの子を大いなる国民とする」神の約束がありましたので、大いなる国民になりましたが、アブラハムの神を信じる民にはなりませんでした。彼は結局、彼自身を信じる人となりました。「弓を射る者」がその証拠だと思います。神を信じるのではなくて、自ら強くならないといつかは捨てられると思ったようです。それであるなら、彼らは悔しさを乗り越えることができなかったことになります。

　彼は母と荒野をさまよったその日以来、生き方が変わりました。父アブラハムの神を信じる生き方ではなく、自ら強くなる道を選びました。この世のほとんど人々が選ぶ道です。せっかく、信仰の父アブラハムの子どもなので、その信仰を継承する人になる道もありましたのに、彼は信仰の道よりは自ら強くなる道を選びました。

　その理由は父アブラハムから追い出された傷が大きかったからでしょうか？　彼の気持ちが理解できなくもないですが、しかし、他の選択肢もありました。父アブラハムから追い出されたので、真の父である主なる神のあわれみがありました。

　彼は主なる神さまのあわれみがありましたので、荒野で死ぬ直前、命拾いしました。主なる神さまの助けがありましたので、彼は大いなる国民となりました。主なる神の導きに従えば、これからも多くの人びとを助けられる人となりました。彼に悔しさを信仰に変えられるチャンスがありましたが、彼らは悔しさのままでした。神よりは自分自身を信じました。

２１彼はパランの荒野に住んだ。彼の母は、エジプトの地から彼のために妻を迎えた。
　イシュマエルは母の紹介にで、結婚しました。結婚して、大いなる民族の先祖となりました。これは主なる神さまの祝福の結果です。アブラハムにくださいました約束の成就の一部です。主なる神さまが追い出された二人の人生をあわれんでくださった導きです。

　しかし、この二人はそう思っていなかったと思います。追い出された悔さの故に、頑張りまして、自ら努力して大いなる家族を作り上げたと思ったでしょう。主なる神さまのあわれみを求める人なのか、自分の力を信じる人なのかによってこれからの生き方が違います。

　私たちはイサクとイシュマエルの人生から何を学んだら良いでしょうか？　私達も人生の悔しさはあると思いますが、それをどう受け止めてきたでしょうか？　これからはどう乗り越えるでしょうか？　悔しさを復讐で返す、悔しさがあっても我慢する。悔しさを主にあって吐き出し、祈り求め、乗り越えて、最終的には主の祝福にあずかる。主の祝福がありましたら、今度は隣で悔しい思いをしている人を助け人と変わる。悔しさが私たちのこれからの未来を分ける重要は要因となると思います。私達はこれから、どちらの道を選ぶのでしょうか？

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