2024年4月28日
ダニエル書 4章28〜37節
＜ 二回目の夢と意味 ＞
ネブカドネザル王は帝国を完成した後、何を考えたのでしょう。帝国の完成を楽しんで喜ぶか、未来のために準備するか。４章全体はネブカドネザルが経験した証しです。彼はこの経験を通してこの地の真の大王は誰なのか、分かるようになります。ダニエル書４章はネブカドネザル王を通してこの世を支配する統治者は誰かをネブカドネザル王自身の口を通して語っています。主は生きておられる、神の国は永遠に続くというメッセージを、今日は異邦の王であるネブカドネザルの口を通して聞いてみましょう。
１．ネブカドネザル王が見た二回目の夢
ネブカドネザル王は2章で夢を見ましたが、4章でも他の夢を見ました。今回は夢の内容を隠さず、補佐官たちに解釈を求めました。今回も補佐官たちは解釈できませんでした。今回も仕方なく、ダニエルに尋ねることにしました。夢の内容は10節から書いてある通りです。
１１ 地の中央に木がある、非常に高い、その木は生長して強くなり、高さは天に届いて、地の果てのどこからも見えた。
１２ 葉は美しく、実も豊か、その木にすべてのものの食べ物があった。
その木陰では野の獣が憩い、その枝には空の鳥が住み、すべての肉なるものはそれによって養われた。
しかし、
１３ ・・一人の・・聖なる者が天から降りて来て、力強く叫んた。『その木を切り倒し、枝を切り払え。その葉を振り落とし、実を投げ散らせ。獣をその下から、鳥をその枝から追い払え。
１５ ただし、その根株は、鉄と青銅の鎖をかけて、地に、野の若草の中に残せ。
１６ 人間の心から変えて、獣の心をそれに与え、七つの時をその上に過ぎ行かせよ。
１７節は夢の解釈です。ネブカドネザル王も夢の意味をある程度分かっていました。・・「これは、いと高き方が人間の国を支配し、これをみこころにかなう者に与え、人間の中の最も低い者をその上に立てることを、いのちある者たちが知るためである。」
バビロン国が終わって、主なる神の国となる預言的な夢です。ネブカドネザル王自身がある程度理解している内容なので、補佐官たちに聞かなくても良いことですが、それでも聞きました。しかし、知らないと返事しました。補佐官たちが本当に知らないのか疑問です。ネブカドネザル王に言える勇気が無い内容だったので、知りませんと言ったのではないかと思います。ダニエルは今回も主なる神が生きておられることを証明するために夢を解釈しました。
２．ダニエルが解釈した二回目の夢
ネブカドネザル王が見た夢はこれから彼自身に起こることです。そして、未来の神の国の預言です。ネブカドネザル王が見た二つの夢は内容が違うだけで、意味することは同じです。ダニエルの解釈をまとめるとこうです。
２２ その木はネブカドネザル王です。大きくなって強くなり、偉大さは増し加わって天に達し、主権は地の果てにまで及ぶ。
２５ ネブカドネザル王は人間の中から追い出され、野の獣とともに住み、牛のように草を食べて、天の露にぬれることになる。こうして、七つの時が過ぎ行き、ついに、いと高き方が人間の国を支配し、これをみこころにかなう者にお与えになることを知るようになる。
２６ 木の根株は残せと命じられているので、天が支配するということを知るようになれば、ネブカドネザル王の国はネブカドネザルのために堅く立つ。
２７ それゆえ、ダニエルの勧告を快く受け入れ、正しい行いによって罪を除き、また貧しい者をあわれむことで、ネブカドネザルの咎を除けば、ネブカドネザルの繁栄は長く続く。
２８ このことはみな、ネブカドネツァル王の身に起こった。
ダニエルが解釈はしましたが、もしかして、ネブカドネザル自身も何となく悟っていたのではないかと思います。なぜなら、１回目の夢と意味が似ているからです。ネブカドネザルの権力もいつかは終わることです。補佐官たちも本当に解釈出来なかったのか疑問はあります。変人のようなネブカドネザル王の前で、勇気を出して言えるのはダニエルしかいません。ダニエルは今回もネブカドネザル王の絶対的な信頼を得ました。今回もダニエルはこれから訪れる神の国、メシアの到来を預言しました。
ダニエル書の全体的な内容はこれから到来するメシアの国を預言することです。メシアの到来を南ユダではなくて、異邦の地、バビロンで預言しています。しかも、南ユダはもう滅びて、神の神殿も破壊されて、主なる神の存在そのものがいないと見なされているその時、主は生きておられる宣言です。ネブカドネザル王はこの夢の通りになりました。7年間は獣と同じくなりましたが、運よく再び王に復帰しました。しかし、彼の終わりも時間の問題です。最後はメシアの国が来ます。
３．ネブカドネザルの夢から学ぶもの
ネブカドネザル王は性格が激しくて、変人のようなところがありました。しかし、それでも、彼は未来を心配して常に、準備する人でした。彼は国の未来を心配して、思い巡らしている時、二回続けて夢が与えられました。国の未来を思い巡らしていたので、国の未来を教えてくださいました。国の未来だけではなく、世界の未来も教えてくださいました。
国の未来、世界の未来を教えられたネブカドネザル王の反応は何だったでしょうか？ 彼は主なる神に従っていません。従うところか、反対にどうすれば彼自身の帝国を続けさせるかを工夫しました。金の像を造たり、残酷な征服を続けたりしました。彼なりには頑張りましたが、頑張れば頑張るほど、彼の統治期間を縮めるだけでした。
本当に統治期間を少しでも延ばしたかったら、ダニエルの勧告を受け入れるべきでした。ダニエルの勧告を快く受け入れ、正しく行い、罪を除き、貧しい者をあわれむことで、咎を除けば、繁栄は長く続いたはずです。彼はこの助言を受け入れたのでしょうか、どうでしょうか？
ネブカドネザルがダニエルの助言を受け入れたのか、どうかより、私たちに気になることは、私たちはどうするかです。ネブカドネザルは大体2500年前の過去の人です。私達と何の関係もない時代の人です。私達と何の関係もないところに住んでいた人です。それで、ネブカドネザルと私達と何の関係もないでしょうか？
ネブカドネザルが見た夢は私たちにも通じる未来です。私達もネブカドネザルみたいに自分の心の中で、自分が王様になっています。私達は心の中に自分の王国を持っています。心の中では自分が王様で、自分自身が神で、何でも自分勝手にしたいです。自分の成功のために頑張っています。自分の栄光が続くように努力しています。どうすれば今まで手に入れたものを長く保ち続けるか未来を思い巡らしています。
しかし、私の心にある自分の国は間もなく終わります。私達の人生もそう長くないうちに終わります。いつまでも、握る占めることができないことを分かっています。最後は神の国です。私達はこれから、主なる神が支配なさるところに場所を移ります。私達はこれから、主なる神が統治する永遠の時間の中に入ります。私達が生涯をかけて築きあげた私の帝国は痕跡も無く消えます。私達も皆、こうなることを最初から分かっていました。今も分かっています。しかし、それでも、私達は未だに、神の国のためではなく、自分のために生きています。終わりが近づいていることを知っているので、もうちょっと長く延ばせようと奮闘しています。
残念ながら、もがけばもがくほど、私たちに与えられた時間は短くなります。もうちょっと延ばそうと心配して、悩んで、悔やむから、体の時間が短くなります。少しでも長く延ばしたいのであるなら、悔い改め、罪を除き、人々を憐れみ、分け与えることです。そうすれば、私たちに与えられている時間が延びます。私達が握りしめているお金も残っています。チャンスも、もうちょっと延びます。けれども、それも、もうちょっと延びるだけで、最後は神さまの国、神さまの時間となります。ですから、私たちの人生のフォーカスを神の御国に設定したいです。神の御国のために奮闘した人が星のように輝きます。
ダニエル書１２：３ 「賢明な者たちは大空の輝きのように輝き、多くの者を義に導いた者は、世々限りなく、星のようになる。
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