2024年1月28日

コリント人への手紙第一　10章31〜33節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ キリスト者の人生の目標：神の栄光を現わすために ＞


　私達はこの一か月間、コリント人への手紙１０章を通して信仰の先祖たちが目指していた人生の目標を見て来ました。彼らの人生の目標を見ている理由は私たちのこれからの人生の目標を探すためです。信仰の先祖たちは生きることで精一杯でした。私達の過去の人生の目標は先祖たちが目指していたものと同じでした。私達も生きることだけで精一杯でした。生きることで精一杯頑張っても、精一杯頑張らなくても、私達は生きています。

　すでに生きているのに、生きる事ばかり考えたら、私達の人生はどうなるのでしょうか？　私達はすでに生きているのに、まだどうやって生きるかを心配しています。生きることを心配しても、心配しなくても、私達は生きています。私達はこれから何を目指して生きるかを考えてみましょうか？


１．こういうわけで
　パウロは10章を通して4000年間の先祖たちの生き方を述べました。そして、最終的に言いたい結論を述べようとしています。4000年前、出エジプトして荒野で過ごした民にとって生きることは何だったのか？　2000年前コリント教会の信徒たちにとって生きることは何だったのか？　現在を生きている私たちにとって生きることは何でしょか？　現在をすでに、生きていながら、また生きることを考えています。現在を生きていながら、未来の生きることを考えます。生きることを申し上げると現実のように聞こえますが、とても抽象的にも聞こえます。現実的に質問させて頂きますと私たちはこれから何をしながら生きる予定でしょうか？

　目標は何か？　目的は何か？　このような質問を聞かれると現代の私達は辛いです。あまりに目標、目的無いのに、しつこく聞かれると嫌です。自分も正直に質問されると嫌です。

　その理由の一つは、現代の私達は目標以前に生きる元気がありません。若いなのに、生きる元気がない方も多いです。すでに目標を達成した方も次の目標が見つからなくて、元気がありません。無気力になるのが現代人の特徴です。まだ目標を達成していない方も、目標が達成できそうも無いので、元気がありません。私達は天国に帰るまで食べるご飯も必要ですが、同時に聖なる目標が必要です。

　人生の目標は目標ですが、特に聖なる目標が必要です。聖なる目標ではないと自分中心の目標になります。自分だけの目標になると楽しむだけの目標なので、堕落するようになっています。聖なる目標ではないと刺激的な目標になります。聖なる目標ではないとお金が私たちを堕落させます。聖なる目標ではないと健康が私たちを堕落させます。ご高齢の方は聖なる目標が無いと人生を空しく感じます。

　私達は今まで4000年前の荒野のイスラエル民のように、2000前のコリント教会員のように、一生懸命生きる事で頑張りました。食べられるように、余裕ある生活が出来るように、幸せとなるように頑張りました。誰よりも努力して、求めればもらえると思いました。しかし、時間が経ってみると虚しさを感じます。なぜでしょうか？

　私達の最初の目標設定が間違っていませんか？　神さまが私たちをこの地に送られてから、望んでおられることは神の栄光を求める神の子どもとなることでした。私達をこの地に送られた神さまの目標は何でしょうか？　私達の生涯を通して神様の栄光を現わすことでした。しかし、私達は今まで自分のために生きて来ました。私達の人生において、最初からずれがありました。ですから、これから修正したいです。私達は人生の最終的な目標を神の栄光にしていますか？

　それでは、神の栄光を求める生き方は具体的に何でしょうか？　今までの生き方と神の栄光を求める生き方と何が違うのでしょうか？　二つの生き方は細かいところは似ているかも知れません。

　しかし、その結果は反対になります。神の栄光を求める生き方をする人も普段の生活は同じです。神の栄光を求める人は普段の生活の中、常に考えます。これで良いのか、これは神さまが喜んでくださる選択なのか？　今のことは自分の意志で無理やりに頑張っていることなのか、神の導きに従おうとしているのか？　主の御心でないと感じたら、止まることはできるのかなどを常に考えながら生活します。「食べるにも飲むにも」は人生の最初の目標としてとても重要なことですが、時間が経つと他の目標に変わります。しかし、何をするにも、ずっと同じ原則はすべて神の栄光を現わすために生きようとする人を父なる神様も全面的に助けてくださることです。

　福音書などを見るとイエス様は多くの奇跡を行いました。その奇跡の根拠は何でしょうか？　イエス様は元々神だから思い通りに何でも出来たのでしょうか？　いいえ、イエスは、自らは何もできない、何もしないと語られました。ただ、父なる神の御心に従うのみ、父ななる神の栄光を求めるのみでした。ですから、そのイエス様のあらゆる願いを父なる神様が聞いてくださった結果があらゆる奇跡です。

　私たちも主なる神の奇跡を求めます。主なる神の奇跡を目撃する方法は主なる神の栄光を求めることです。そうすれば父なる神は私たちを通してでも、神の栄光、神の奇跡を見せてくださいます。自分の人生の最終目的は主なる神が生きておられることをこの地で証明することです。主なる神が生きておられることを証明することで、神の栄光を現わしたいです。


２．つまずきを与えない消極的な愛
　コリント教会の信徒たちはイエス様がくださいました信仰による自由を満喫しました。イエス様が何でも赦してくださる恵みを感謝して、やり放題の生活をしました。互いに遠慮せず、話したいことを話して、やりたいことをやりました。互いに遠慮せず、やりたい信仰生活をしているうちに互いに傷つけることになりました。信仰の自由も良いし、やりたい放題の生き方も良いですが、教会で互いに傷つけるとこのままではいけないなと思いました。

　ギリシャ出身のキリスト者はユダヤ人キリスト者がつまずくのに、配慮せず、食べたい肉を食べていました。ユダヤ人キリスト者はギリシャ出身キリスト者がつまずきになることを気にせず、ギリシャ出身のキリスト者をことばでさばきました。ギリシャ人も、ユダヤ人も神の教会はどうなるのか気にせず、自分たちの信念を優先しました。

　私達は誰かにつまずきをあたえない信者になりたいです。私達が信仰に励んでいる理由は誰かをつまずかせるためではありません。誰かを助けるためです。私達は信仰に励んでいますが、なぜ、信仰に励んでいるのかもう一度吟味したいです。


３．自分の利益ではなく、多くの人々の利益を求める積極的な愛
　宗教も、信仰も自己中心になりやすいです。世界のほとんどの宗教も自己中心のものが多いです。しかし、私たちの信仰が目指している目標は隣人を自分自身のように愛することです。つまずきを与えない信仰はまだ、消極的な愛です。隣人に迷惑をかけてはいけないはまだ、消極的な倫理です。主は私たちにもっと積極的な愛を求めておられます。

　コリント教会の信徒たちは肉を食べることにおいて、何を、どうすれば、信仰の自由を満喫しながら、同時に自分の利益ではなく、多くの人々の利益を求めることができるのでしょうか？　ギリシャ出身のキリスト者は偶像にささげた肉は一切食べなければ良いでしょうか？　そうすると信仰の自由が無くなります。各自の信仰の自由は尊重されながら、同時に隣人をつまずかせない方法が必要です。ですから、自宅では今まで通り、何も考えず、市場の肉を買って食べれば良いです。信仰の自由です。しかし、ユダヤ人の信者の友と食事をするときはユダヤ人キリスト者に合わせて、配慮すれば良いです。

　反対にユダヤ人キリスト者はイエス様がくださいました、信仰の自由がありません。同じ教会のギリシャ出身のキリスト者もさばきます。自分も苦しいし、隣人も苦しめているし、一体誰のための信仰でしょうか？　ユダヤ人は自分自身には厳しくても、ギリシャ出身のキリスト者にはハードルを下げる配慮が必要です。

　私達の人生の目標が安心して食べることでしたら、これから新しい目標を求めたいです。安心して食べられる目標が達成出来たら、私達はこれから神の栄光を求める生き方に変更したいです。

　子育てが私たちの人生の目標でしたら、これからは新しい目標に変えたいです。子育てが終わったのに、子どもが人生の目標になると子どもも嫌がります。一時的には子育てが人生の目標、家族の幸せが人生の目標でした。一時的に子育て、家族の幸せが目標になっても良いと思います。尊いことだと思います。しかし、あくまでも、一時的な目標です。目標は達成しました。私達の生涯の目標ではありません。私達の生涯の目標、生まれたときから、天国に帰る最後の時まで変わらない目標は神の栄光を求めることです。他の目標は一時的なものです。一時的なものは一時的な時には良い目標ですが、ある程度時間が経つと目標そのものが変わります。

　私達がもしかして、これからも神の栄光ではなく、今までと同じく、自分の目標、自分の目的、自分の人生だけの生き方をすると結論がもう決まっています。今までの結果と同じです。今までもう十分体験したことではありませんか？

　信徒皆様、いかがでしょうか？　食べるにも飲むにも、何をするにも、すべて神の栄光を現すために生きることはいかがでしょうか？　神の栄光が目的になると私たちに新しい未来が開かれます。



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