2024年1月7日
コリント人への手紙第一 10章1〜13節
＜ 荒野の民の生きる目標 ＞
私達の人生の次の目標は何でしょうか？ 一年の初めから、大変失礼な質問をさせて頂きまして、申し訳ございません。そして、今の時代、人生の目標は何ですかと聞いてはいけないのに、次の目標を聞いて、申し訳ございません。
私たちは今まで人生のいろいろの目標を達成して来ました。若い時受験と言う目標、就職と言う目標、結婚と言う目標、子どもが欲しいと言う目標、自分の家を持ちたい目標、安定した生活と言う目標、レジャー・旅行に行きたい目標等などです。最終的には幸せになりたい目標があります。もう一つは信仰者なので、天国に行きたい目標が残っています。
これらの目標の中ですでに手に入れたものもあれば、達成できなかったものもあります。個人の目標を全部達成できた人はいません。一つは得ましたが、一つは得ていません。神さまは皆にバランスよく少しずつ分け与えてくださいました。私たちの人生の中にいろいろの目標がありますが、最初の目標は大体同じです。自分で働いて、一日3食食べられる人になることが最初の目標です。一日３食食べられるお金も無いのに、世界旅行の目標を立てることは絵に描いた餅です。日本に住んでいる私たちも、一日３食を食べられるかの課題から始まります。親の助けなしで、一人暮らし出来るかの課題から私たちは人生をスタートしました。私たちは人生の最初の目標が皆同じでした。一人前の働き人になって、ご飯だべられるかどうか。
現代人だけではなくて、2000年前のコリントに住んでいた人たちも同じ人生の目標から始まりました。2000年前のコリント教会の信徒たちだけではなくて、4,000年前のエジプトから出てきた人たちも同じく、荒野で、毎日ご飯を食べられるどうかが人生の目標であり、最大の課題でした。4000年間、この地球に住んでいたすべての人たちの共通課題でした。これからこの地球に生まれるすべての人たちの最初の課題も同じく、食べられるかです。年金もらえるか、就職できるか、仕事できるか、などなど全部同じ種類の課題です。人間らしい最小限度に生きることが皆の共通する人生の目標です。この目標が達成できたら、人々は上の目標に関心が移ります。信徒の皆様はご飯を食べられる目標は達成できて、次の目標、また次の目標に移っていますか？ これから私達は何を目標にして頑張るのでしょうか？
さて、コリント人への手紙１０章には4000年前、エジプトから解放された人たちの生活が書いてあります。そして、2000年前のコリントに住んでいたキリスト者たちの生活が書いてあります。そして、現在の私たちはこれらの人たちの人生を参考にして、私たちの次の目標を探しています。
１．エジプトから解放された人たちの次の目標（１−６節）
彼らはエジプトから解放されるのが人生最大の目標でした。彼らは本当に解放されて、目標を達成しました。奴隷から解放されることは奇跡でした。彼らの力では不可能な奇跡が神の救いによって、現実になりました。彼らは奴隷から解放されたので、これ以上の目標はありません。何でも良いと思いました。エジプトから解放されるのであるなら、死んでも良いと思いました。彼らはエジプトから離れれば、すべての問題は解消されると思いました。彼らはエジプトから離れてから、未来の幸せな夢を描きました。神の祝福が流れる裕福なカナン地を夢見ていました。カナン地に定着してから、上の目標、その上の目標を夢見ていました。
しかし、いかなる神の奇跡を体験したとしても、次の日になると食べることで昨日の奇跡は全部忘れてしまいました。
１節 「・・私たちの先祖はみな雲の下にいて、みな海を通って行きました。」
エジプトから出て荒野に行くと暑いです。ですから、神は雲で彼らを覆いました。４０年間神の雲が覆いました。彼らはエジプトを出たとたん、エジプトの軍隊に追われたこともありますが、モーセを通して海が二つに分かれました。こんなに生々しいい奇跡を体験しました。
しかし、昨日の神の奇跡と今日お腹が空いた現実は別のことです。朝になってお腹が空くと昨日の奇跡は全部忘れます。今日の目標はお腹いっぱいご飯を食べられることです。これからも荒野で安定した食の供給が無い限り、彼らは満足せず、ずっとぶつぶつ言うでしょう。昨日までエジプトにいた時はエジプトから解放されるのであるなら、何でも良いと思ったのに、仮に死んでも良いと思ったくらいなのに、一食食べていないことで、不幸になりました。人間の幸せは本当に単純です。
エジプトから荒野に生活基盤が変わりました。エジプトから荒野に時代が変わりました。エジプトの奴隷から荒野の自由人に身分が変わりました。新しいところで、新しい時代が始まりましたが、彼らの課題はエジプトの時と同じく、どうすれば食べ物を得られるかです。彼らの人生の目標はエジプトの時も、荒野の時も同じで、全然変わっていません。
神さまはこの課題に答えをくださいまして、毎日、マナをくださいました。その後は水が無かったので、神さまは水をくださいました。その後は肉が無かったので、神さまは彼らに肉をくださいました。彼らはその後も食べることでつぶやいたので、神さまもそれに合わせて与えてくださいました。
エジプトにいた時の人生の目標はエジプトから解放されることでした。一旦エジプトから解放された後は人生の目標が変わりました。食べ物が何も無い荒野で、何とかして一日を生き残ることでした。食べ物、飲み物を確保することが最大の課題であり、目標でした。ところが、彼らはエジプトにいた時も実は食べ物が最大の課題でした。奴隷なので自由に食べられない、思い存分食べられないので、彼らは十分だべられるのが人生の目標でした。エジプトから解放された後も目標は美味しいものを十分食べられることです。こう考えてみると彼らの人生の目標はエジプトの時も、荒野の現在も同じです。彼らは荒野で、全能の神の御業による霊的なマナを食べ、岩から溢れる霊的な水を飲みましたが、彼らの空しい心を満たすことはできませんでした。空しい心を満たすために、次の快楽を求め、次の目標を求めましたが、滅びを早めることだけでした。
２．荒野の民が求めた次の目標（７節）
（１）次の人生の目標は誰が決めるのか（７節）
私たちの人生の次の目標は何でしょうか？ 私達の人生の次の目標は誰に聞いてみましょうか？ お母さんに、牧師に、ご主人に、家内に、友達に聞いてみましょうか？ 自ら探しますか？
さて、イスラエルの民は毎日天からのマナを食べました。安息日を除いて、毎日マナが降りましたので、食べ物を確保する課題は終わりました。食べ物を確保する課題は終わりましたので、人生の次の楽しみを求めました。今度は快楽を求めました。
７節：あなたがたは、彼らのうちのある人たちのように、偶像礼拝者になってはいけません。聖書には「民は、座っては食べたり飲んだりし、立っては戯れた」と書いてあります。
７節の背景は出エジプト記３２章６−７節です。
６ 彼らは翌朝早く全焼のささげ物を献げ、交わりのいけにえを供えた。そして民は、座っては食べたり飲んだりし、立っては戯れた。
７ 主はモーセに言われた。「さあ、下りて行け。あなたがエジプトの地から連れ上ったあなたの民は、堕落してしまった。
荒野で人生の目標を失ったイスラエルの民はますます堕落の道を歩きました。
（２）目標から離れ、淫らな楽しみに陥る（８節）
荒野にいたイスラエル民の中で大人はカナン地に入れなくなりました。彼らの不信仰の故にカナン地に入れなくなりました。彼らは途中で人生の目標を失ったわけです。人生の目標を失うと生きる元気も無くて、ますます堕落しました。８また私たちは、彼らのうちのある人たちがしたように、淫らなことを行うことのないようにしましょう。彼らはそれをして一日に二万三千人が倒れて死にました。
８節の背景は民数記２５章１−９節です。
１ イスラエルはシティムにとどまっていたが、民はモアブの娘たちと淫らなことをし始めた。
２ その娘たちが、自分たちの神々のいけにえの食事に民を招くと、民は食し、娘たちの神々を拝んだ。
３ こうしてイスラエルはバアル・ペオルとくびきをともにした。すると、主の怒りがイスラエルに対して燃え上がった。
９ この主の罰で死んだ者は、二万四千人であった。
（３）人生の目標も無くなり、切れてしまって不平を言う（９、１０節）
９ また私たちは、彼らのうちのある人たちがしたように、キリストを試みることのないようにしましょう。彼らは蛇によって滅んでいきました。
９節の背景は民数記２１章４−５節です。
４ 彼らはホル山から、エドムの地を迂回しようとして、葦の海の道に旅立った。しかし民は、途中で我慢ができなくなり、
５ 神とモーセに逆らって言った。「なぜ、あなたがたはわれわれをエジプトから連れ上って、この荒野で死なせようとするのか。パンもなく、水もない。われわれはこのみじめな食べ物に飽き飽きしている。」
６ そこで主は民の中に燃える蛇を送られた。蛇は民にかみついたので、イスラエルのうちの多くの者が死んだ。
荒野で人生の目標を失ってさまよったイスラエル民から私たちは人生の大事なことを学びたいです。彼らの失敗は私達への戒めであり、教訓です。１２節「ですから、立っていると思う者は、倒れないように気をつけなさい」と戒めているので、私たちも気を付けましょう。私たちもいろいろの試練を経験しました。これ以上は無理だな、これ以上は耐えられないなと思ったことも何回もありました。しかし、主が私たちに新しい道をくださいます。主は私たちに人生の新しい目標をくださいます。今までは人生の目標を自分で探しました。隣の人から聞きました。
しかし、これからは神さまに聞いてみましょう。天のお父様、私をこの地に送ってくださいまして、ここまで導いて下さいましたことを感謝します。まだ、しばらく命が続きますので、これからは何を、どうすれば良いでしょうか？ せっかく父なる神が下さいました命なので、父なる神の御心の通りになりますように。これからの人生の目標を御手に委ねますので、主の栄光のために用いてください。
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