2023年12月10日

創世記　13章5〜13節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 将来を左右する選択 ＞


　イエス様を生んだマリアは聖霊から啓示を受けました。聖霊によって妊娠しました。その前にマリアは天使のお告げに従うことを選びました。「主のはしためですから、御心の通りになりますように」
ヨセフもマリアを妻として迎えることを決めました。彼らは主のみこころに従う道を選びました。

　今日の聖書に出てくるアブラハムとロトに神様の祝福がありまして、お金持ちになりました。しかし、二つの家族は一緒に暮らせないくらい財産が増えました。財産が増えることは祝福の事なのに、それが原因で、親戚が分かれることは皮肉なことです。そのことで親戚同士に傷つけるよりは別れる選択肢を選びました。正しい選択だったと思います。

　彼らは目を上げてこれから別々に暮らせるところを選ぶことにしました。アブラハムは年長者なのにもかかわらず、選択権をロトに譲りました。ロトが右を選んだらアブラハムは左になります。ロトが左を選んだらアブラハムは右になります。二人が選んだ選択によって彼らの未来が決まりました。アブラハムはずっと豊かな人生でしたが、ロトは全部失ってしまいました。一つの選択がもたらした結果としてはあまりにも大きいです。

　私たちにもアブラハムとロトのような選択の瞬間が来ます。その際、私達はどちらを選ぶのでしょうか？　今日はアブラハムとロトの選択から大事な事を教えてもらいたいです。


１．ロトの選択
　ロトはアブラハムのおいでございます。アブラハムと共に故郷から離れてカナン地に来ました。いつも二つの家族は一緒でした。二つの家族は互いに慰みとなりました。ところが、互いに財産がふえましてこれ以上は一緒に暮らせなくなりました。特に羊とか、牛が増えましたので一応別れるしかありませんでした。ロトはアブラハムの提案によってこれから新しい住居を探す為に全土地を見渡しました。将来の事を計算しながら東、西、南、北を眺めました。良さそうなところが目に入りました。羊や牛など家畜が多いのでまず、水と草が豊富なところがほしいわけです。

　もう一つはこれから安定した生活のために大都市から近いところなら最適なところです。そこがソドムでした。一般人からすればロトは賢い選択をしました。間違っていないように見えます。全部が正しい判断のように見えます。不安定なカナン地を選ぶ人は一人もいないと思います。カナン地は草も水も豊富ではないし、いつも危険があるところでした。生活の条件が悪いところをわざと選ぶ人は誰もいないと思います。１００人のうち１００人全部がソドムを選ぶと思います。

　例えば、企業をやっている方がお金にならない事業を始めますか？　お金になる事業を始めますか？　お金にならない商売を誰がしますか？　人間的な計算からすればロトは正しい判断をしました。それなのになぜ、彼の人生は不幸になったでしょうか？　家族を失って、妻も、財産もなくなって娘たちは不幸になりました。その理由は何でしょうか？

　彼には神様の約束のみことばがなかったわけです。神様のみことばに基づいて判断できる基準が彼にはなかったわけです。選択の瞬間になるとこれが利益になるか、損になるかは分かっていますが、神様のみ旨に正しいことか、正しくないことかに関しては分かっていません。主が喜ばれる事か、喜ばれる事ではないかに関しては分かっていません。判断基準になれるみことばがありませんでした。その理由で彼なりには賢明に判断しましたが、全てが間違いで終わりました。

　クリスチャンは頭の善し悪しで成功が決まるのではなりません。神さまのみ言葉を信じて最後まで守り通す人が成功します。人間の細かい計算によればソドムが良さそうですが、実はみことばを信じてカナン地にとどまったアブラハムに主の祝福があったわけです。

　ロトはそれからも続けて選択せざるを得ない状況にぶつかりました。けれども残念ながら彼はその後も誤った選択ばかりでした。綿密な計算による賢い選択でしたが、全部失敗で終わりました。選択の判断基準がみことばではなくてその時、その時の状況を見て頭で計算して決めたわけです。彼には五つくらいの大事な選択の瞬間がありました。

１）アブラハムと共に暮らすか？　別れるか？
２）ソドムを選ぶか、カナンを選ぶか。
３）ソドムの外で暮らすべきか？城内で暮らすべきか？
４）ソドム城に留まるべきか？離れるべきか？
５）ソドムが滅ぼされた後、アブラハムのところに帰る選択肢もあったのに。

　ロトは選択した道に関して自ら責任を取らざるを得ません。ロトに取って最善の選択はいつまでもアブラハムから離れないことだったと思います。しばらくの間、離れたとしても全てがおかしくならないうちにアブラハムのところに戻って来たら悲惨な人生にはならなかったと思います。彼はアブラハムおじさんのところに戻って来られるチャンスが何回もありました。創世記１４章にロトが捕虜になった時、アブラハムが救い出したことがあります。１９章ソドムが滅びた時

　ロトは祝福される方法が二つありました。一つはアブラハムのように神様の約束のみことばを持っていることです。そのみことばは生きる間、全ての選択の時、明快な判断基準になれます。もう一つのことは約束のみことばがなくても、アブラハムにくっついていることです。ロトはアブラハムから離れたことが間違いでした。アブラハムから離れる瞬間、祝福も離れてしまいました。


２．アブラハムの選択
　人間的な面から見るとアブラハムの選択は愚かです。計算が出来ない人のように見えます。将来の対策もありません。羊や牛、ラクダのような家畜の為には水や草が要ります。安全の為には城も必要です。

　しかし、アブラハムは何か物事を決めるとき、状況や環境よりはみことばを第一にしました。彼にははっきりとした神様の約束のみことばがありました。「カナン地をあなたとあなたの子孫に与えよう」
彼は全ての物事をこの約束のみ言葉によって決めました。この約束が成し遂げられるまで、カナン地を離れてはいけません。彼も人間なので、大きなミスを何回もしました。彼にも間違った選択はいろいろありました。しばらくエジプトに移した事も間違いでした。サラ以外にハガルからイシュマエルを生んだことも間違った選択でした。

　しかし、彼は間違った選択をしても、主が修正してくださいました。主なる神の約束のみことばを成就するために主ご自身が彼を修正してくださいました。彼には神の約束のみことばがあります。地のすべての人が彼を通して祝福される予定なので、主なる神が彼の間違いを修正してくださいました。

　アブラハムの目にも確かにエデンの園のような麗しいソドムが見えました。しかし、神様の約束のみことばがある限り、カナン地から離れてソドムに行くわけにはいきません。もしかしてロトが先にカナン地を選んだので、アブラハムがソドムに行ったとしても彼は直ちに帰って来たと思います。私達にはアブラハムのような人生の明瞭な基準となれる神様のみことばを心に持っていますか？　神様の約束のみことばを信じて最後まで堪え忍ぶ人にはいつか必ず、成功します。人間的にはいくら素晴らしく見える道でも、または正しく見える道でも神様のみことばにもう一度確かめる必要があります。
箴言１４：１２「人の目にはまっすぐに見えるが、その終わりが死となる道がある。」
人の判断では１００％間違いない道のように見えますが、間違ってしまうこともあります。私の選択は主が喜ばれる道か、主の御旨に叶うものか、もう一度確かめる信仰の余裕が必要です。


３．私たちの選択
　私たちにもアブラハムとロトのような選択の時間が来ます。青年たちの場合はこれから重要な人生の選択をしなければなりません。結婚、仕事、将来のvision、生き方によって、価値観によって、選択によって未来の道が決まります。人生の選択と言うものは青年だけのものではありません。

　ご年配の方も人生の大事な選択の瞬間をこれから迎えます。年配の方に取って大事な選択の瞬間は遺言の時ではないかと思います。まさに最後の選択なので取り返すことも出来ないことです。どんな遺言を残すかによって子孫が一つになることもあるし、バラバラになることもあるし。私たちもアブラハムとロトのように選択の場に立ちます。

　人生の選択は頭の良さで決まるのではありません。信仰と勇気によって決まります。皆さんに選択の瞬間が近づいたら十分状況を顧慮することも大事です。全ての情報を予め収集しておくことも良いことです。しかし、選択の瞬間になりましたら、祈りが第一です。祈らないとこの世の価値基準で決めます。しかし、祈りますと神様の基準を思い出します。明確な神様のみことばが現れるまで、主が道を教えて下さるまで、祈って下さい。目を閉じて祈っているとき神さまが自然に導いて下さいます。



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