2023年11月26日

創世記　18章9〜21節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 二つのお知らせ ＞


　ユダヤ人の選民意識はとても強いです。私たちは神によって選ばれた特別な民族だ。神に特別に愛されている民族だ。良い面はプライドがあることです。悪い面は他の民族を無視する、滅ぼすことです。異邦人を無視して、軽蔑すると反発があります。反発がありまして、ユダヤ民族は二千年間、迫害されました。ユダヤ人ほど迫害された民族はありません。「わが民族は特別だ」と偏見はどの民族にもあり、いつの時代にもあります。この偏見が世界を困らせるときがあります。

　私たちは神に選ばれた神の民であり、イエス様に愛されている神の家族です。もしかして、私たちにもこの偏見があるのでしょうか？　可能性はあります。しかし、イエス様の戒めを正しく理解している人はこの偏見に陥ることはありません。私があなたを愛したように、あなたも同じく隣人を愛しなさい。あなたの友達も隣人、あなたの敵も隣人。神さまに特別に愛されている人は敵でさえ和解出来る人だから特別です。恩知らずの人に対してでも、神の恵みを伝える人として選ばれました。アブラハムがまさにその人でした。アブラハムは恩知らずのソドムの人でさえ、あわれみました。アブラハムは神さまに似ていまして、恩知らずのソドムの人たちの救いを祈りました。アブラハムとソドムの人との間に、以前ある出来事がありました。

　さて、創世記18章には二つのお知らせがあります。一つは喜びのお知らせです。もう一つは悲しいお知らせです。神様はどちらのお知らせのためアブラハムのところにわざわざ来られたのでしょうか？


１．アブラハムに喜びのお知らせ
　嬉しいお知らせはアブラハムの家庭に念願の子どもが生まれる予告の知らせです。神様は二人の天使と共に喜びの知らせのためにわざわざ、アブラハムが住んでいるところまで来られました。

　アブラハムとサラは子どもが生まれることを待ちに待っていました。神様もずいぶん前から約束して下さいましたのに、彼らは諦めていました。アブラハムとサラはすでに、子どもを産めない歳になったわけです。特にサラはそうです。11節を見ると「サラには女の月のものがもう止まっていた」と書いてあります。ですから、サラは心の中で笑っちゃいました。子どもを産むなんて、絶対不可能だとサラ自身が良く分かっています。しかし、神にとって不可能なことはありません。

　９０歳の高齢者が子どもを産みました。結婚していない処女マリヤがイエス様を生みました。イサクはアブラハムの子です。イエス様はアブラハムの子孫です。神にとって不可能なことはありません。アブラハムにとってこれにまさる喜びはありません。アブラハムはカナン地に移住してからお金持ちになりました。家畜も増えました。いつかはカナン地も与えられます。しかし、いくら祝福されても、跡継ぎがいないと何の意味もありません。イサクの誕生は神の祝福の頂点です。

　アブラハムは神の恵みによって選ばれた人です。アブラハムの子孫も神の恵みによって選ばれた民です。彼らは神に愛されている、選ばれている選民意識が強いです。ここまでは良いです。愛されている確信は良いことです。ところが、今日のお話しにはもう一つのお知らせがあります。それは悲しいお知らせです。


２．ソドムに悲しみのお知らせ
　神様はソドムとゴモラの住民をさばかれようとしておられます。２０節を見ると「ソドムとゴモラの叫びは非常に大きく、彼らの罪はきわめて重い」ので、それを実際確認するためにこれから、ソドムを訪問する予定です。１９章を見るとソドムの罪はどのくらいのものなのか想像できます。

１９：４彼らが床につかないうちに、その町の男たち、ソドムの男たちが若い者から年寄りまで、その家を取り囲んだ。すべての人が町の隅々からやって来た。
１９：５そして、ロトに向かって叫んだ。「今夜おまえのところにやって来た、あの男たちはどこにいるのか。ここに連れ出せ。彼らをよく知りたいのだ。」

　性的に気がおかしくなっているゾンビみたいです。これ以上、社会は維持できなくなりました。性的な堕落で、内部から完全に崩壊寸前になっていました。ソドムは以前も神様の警告を受けたことがあります。ソドムの住民は戦争捕虜になったことがあります。財産も、家族も全部持ち去られたところ、アブラハムが劇的に助けたことがあります。その時、目覚めたら良いですが、何の効果もありませんでした。

　戦争はあってはいけませんが、戦争を通して、人々は自分の間違い、罪の怖さを知って目覚めますが、ソドムの住民には何の効果もなかったようです。まさに神からの天罰以外には他に方法がありません。ソドムの堕落をほったらかしてしまうとソドムの罪が周辺に広がります。カナン全地域に広がります。アブラハムの親戚であるロトもソドムに住んでいましたが、彼と彼の家族も影響を受けて汚染されました。これらの理由でソドムは天からの罰を受けたと思います。


３．アブラハムに二つのお知らせを同時に伝える神さま
　神さまはアブラハムに子どもが生まれる嬉しいお知らせのために来られました。同時に神さまはソドムを滅ぼす、悲しいお知らせのためにも来られました。二つのお知らせが別々のところに書いてあるなら、それもありだと思いますが、完全にくっついています。アブラハムはとても愛しているのに、ソドムは捨てる。神はアブラハムだけ愛して、他の住民は全然愛していませんか？　偏愛の神さまのように見えます。アブラハムとその子孫ばかり愛して、他の民族は滅びても気にしない偏愛の神さまのように見えます。ユダヤ人の選民意識がそうです。自分の民族だけ愛する偏見の神さまです。世界に存在するほとんどの宗教も大体、同じではありませんか？　全世界を愛する神はいないようです。まさか、天地万物を造られ、全ての人類を造られた聖書の神様も同じでしょうか？　全世界を愛しておられる神なのに、なぜ偏愛があるように見えるか？

　結論から申し上げると私たちの神さまはアブラハムも愛し、ソドムの住民もあわれむ、ロトも愛する、全員を愛しておられるお方です。特にソドムの住民には悔い改められるチャンスを何回も下さいました。戦争の捕虜になった時もアブラハムを通して救ってくださいました。今回もアブラハムを通してチャンスを与えています。

　アブラハムにソドムのさばきを予め知らせて、相談していることが大事です。今日の箇所を見ると神さまはまだ、ソドムのさばきを決められたわけではありません。アブラハムに予めお知らせして、彼の意見を聞いています。アブラハムとの話によってはソドムが助かる可能性はまだ残っています。

１７ 「わたしのしようとする事をアブラハムに隠してよいであろうか。
１８ アブラハムは必ず大きな強い国民となって、地のすべての民がみな、彼によって祝福を受けるのではないか。

　創世記１２：２−３の約束の実行が今日の箇所です。
「２ そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとする。あなたは祝福となりなさい。
３ わたしは、あなたを祝福する者を祝福し、あなたを呪う者をのろう。地のすべての部族は、あなたによって祝福される。」
アブラハムが以前、戦争の捕虜になったソドムを助けたように今回、もう一度助かる可能性がまだ、残っています。

１９ わたしがアブラハムを選び出したのは、彼がその子どもたちと後の家族に命じて、彼らが主の道を守り、正義と公正を行うようになるためであり、それによって、主がアブラハムについて約束したことを彼の上に成就するためだ。」

　正義と公道を求められる神様、神の正義と公道を行っているアブラハム。ソドムをさばかれるのは神の正義と公道に合っているかどうか、真剣に話し合うところが、１８章２２節からです。ソドムは以前、アブラハムによって助けられましたが、今回も助けられるのでしょうか？　神は全世界を正義と公道によってさばかれるお方です。

　アブラハムとその子孫ばかり愛する偏愛の神ではありません。アブラハムの子孫を通して、正確にはアブラハムの子孫イエス・キリストを通して、全世界を愛しておられる愛のお方です。


結論
　二つのお知らせを同時に聞いたアブラハムの心境はいかがだったでしょうか？　嬉しいでしょうか。悲しいでしょうか？　子どもが生まれることは嬉しい知らせです。しかし、ソドムへのさばきは悲しいお知らせです。特にロトの家族が心配です。

　アブラハムの子孫である私たちも二つのお知らせを聞いています。一つは、私たちは主に愛されています。嬉しい知らせです。もう一つの知らせは私たちの周辺にいるイエス様を知らない家族、親戚、友達に関する知らせです。これからどうなるのか心配です。

　神様の正義と公道を行っている私たちはどうしましょうか？　聖書の神は偏愛の神だと言っている彼らのために私たちが出来ることは何でしょうか？　神は偏愛の神ではないと説得しますか？　説得されなかったら、さばかれて良いと諦めますか？　言葉だけでは説得されないので、私たちの神が偏愛の神ではないことを私たち自ら、身をもって証明しますか？　私たちはアブラハムの子孫なので、アブラハムみたいに助けてあげることができます。実際に助けてあげることは出来なくても、祈ることは出来ます。私たちはどのように用いられるのでしょうか？



　　　　　　　　　　　　このペ−ジのTOPへ　　　　　前週へ　　　　翌週へ　　　　　一覧表へ戻る