2023年11月5日

ハガイ書　2章1〜9節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 神殿再建：信仰の回復 ＞


　イスラエル民に明確な確信が必要でした。イスラエルの民はハガイ書１章で神殿建築のために基礎工事を始めましたが、すぐやる気を失いました。なぜ、彼らは再建を始めたとたんやる気を失ったのでしょうか？　そして、主なる神さまは彼らを再び奮い立たせるために何をなさるのでしょうか？


１．あの時（出エジプト、ソロモン神殿）が良かった
　ハガイ書には四つの日付があります。イスラエルの民は6月２４日から再建工事に取りかかりました。そして、丁度１カ月が過ぎてからハガイにもう一度神のみことばがありました。

　１節の第七の月の二十一日は出エジプトと関係ある日です。イスラエルの民は毎年、この期間中、仮庵と言うフェスティバルを行いました。仮庵はイスラエル民がエジプトから出てきて荒野で過ごしたことを記念する日です。エジプトからは解放されましたが、カナン地には定着していない状態です。それを記念して彼らは7月１４日から21日まで一週間、穴を掘り、その上に木の枝をかぶせて過ごしました。救われているのに、救いの完成を待っているしばらくの時間です。霊的な意味では私たちの現在の時間と同じです。7月21日は仮庵の最後の日です。

　彼らはこの記念日を通して過去をもう一度ふりかえることになります。出エジプトの奇跡がありました。荒野の４０年間の苦しみや試みがありました。やっとの思いでカナン地に定着して祝福された時間もありました。ソロモンが神殿を完成した時はイスラエル民族の絶頂の時でした。その時が良かったです。

　しかし、主なる神から離れて罪を犯し、ついに神の臨在の象徴であるエルサレム神殿は破壊されました。何も残っていなくて、神殿の残骸しか残っていません。なぜ、イスラエル民族はこうなったのかを振り返る時間となりました。

　彼らが過去を振り返る理由は現状を直視し、未来を新たに設計するためです。彼らは信仰の民だから信仰の道しかありません。信仰を捨てた結果、神殿は廃墟となり、彼らは捕虜となりました。誤った過去をやり直すために彼らはエルサレムに帰還してきたわけです。そして、現在もう一度頑張って、神殿を再建しようとしています。再建工事を始めてから一カ月が過ぎましたが、彼らは突然やる気を失いました。

　一か月間は再建工事に励みました。しかし、いくら頑張っても結果はみすぼらしいものです。道具があるわけでもないし、お金があるわけでもないし、立派な材料があるわけもありません。こんなにつまらないものを立てるためにあれほど、犠牲を払って苦労したのか。空しくなりました。特に高齢者たちの中には以前の輝くソロモン神殿を記憶しています。ソロモン神殿とこのみすぼらしものと比較するとやる気を失います。高齢者からやる気を失わせる嘆きが広がりました。

　このままでは工事は中断されることになります。あの時が良かった、出エジプトの奇跡が良かった、ソロモン神殿が良かった。こんなに過去のことばかり考えたら幸せになりますか？　幸せが過去にある人は幸せになれないのではありませんか？　幸せは現在にあります。幸せは未来にあると信じて頑張る人が幸せになります。主なる神はあの時が良かったと嘆いている人たちに新しい未来の希望を語られました。そのため、主なる神さまはハガイを通してもう一度彼らを励ましておられます。

　ゼルバベルは総督で、民のリーダーです。彼を励ましてくださいました。強くあれ。　──主のことば──
　大祭司ヨシュアは信仰のリーダーです。主は彼を励ましてくださいました。強くあれ。この国のすべての民よ、強くあれ。　　──主のことば──
　仕事に取りかかれ。わたしがあなたがたとともにいるからだ。　──万軍の主のことば──

　万軍の主が共におられることが大事です。万軍の主が助けてくだされば、工事続けられます。万軍の主が良しとしてくだされば、みすぼらしい神殿でも構いません。神殿は主なる神への愛の心です。人たちの気分のために建てているわけではありません。神殿の主が良しとしてくださるから、もう一度強くなって仕事にとりかかりたいです。

　５節のみことばを参考にしてみると主は神殿の中におられるよりは民の心の中におられます。目に見える神殿が大したものではなくても、彼らの信仰が大事です。主なる神への信仰が無ければソロモンの輝く神殿は何の意味があるのでしょうか？　ソロモン神殿が破壊された理由も、彼らの心の中に主がおられなかったからです。目に見える神殿がみすぼらしいものであっても、彼らの心に主がおられるのであるなら、それで良しです。


２．神殿再建からメシア時代を見据える
　現在目に見えるみすぼらしい神殿にがっかりする必要はありません。主なる神はみすぼらしい神殿から新しい未来を準備しておられます。

　６節「わたしは天と地、海と陸を揺り動かす。」
第二の出エジプトと言える主なる神による奇跡の御業を計画しておられます。バビロンから帰還したことがすでに第二の奇跡ですが、それにまさる時代を計画しておられます。
　７節「わたしはすべての国々を揺り動かす。すべての国々の宝物がもたらされ、わたしはこの宮を栄光で満たす。」

　すべての国々の宝物でこの宮を栄光で満たす日はいつ来るのでしょうか？　歴史から見るとハガイ時代に建てた神殿も破壊されました。そして、イエス様の時代の神殿はヘロデ大王が建てました。ハガイ時代に建てた神殿は大したものではありませんでした。それなのに、どうして、「この宮のこれから後の栄光は先のものにまさる」
ソロモン神殿にまさる。どこがソロモン神殿にまさるものでしょうか？

　7節の預言はいつの事でしょうか？　7節の預言はメシアの時代を言っています。イエス様が建てられた目に見えない教会を通してすべての異邦人が救われ、聖なる主の御名を賛美しています。９節「この宮のこれから後の栄光は、先のものにまさる。この場所にわたしは平和を与える。これらのことは全部メシアの時代を見据えての預言です。

　話しが飛びますが、楊家で育つ多くの子どもたちが私の夫婦を踏み台にして、ジャンプして、未来の幸せを見つけたら良いなと思います。未来の世代の幸せのために私たちが用いられるのであるなら、私たちは幸せを作り出す人です。誰かの幸せを作り出すためにお時間とお金を使うのであるなら、それは一番幸せな生き方ではありませんか？



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