2023年5月14日
列王記第二 18章1〜8節
＜ ヒゼキヤによる信仰回復 ＞
ヒゼキヤは南ユダの1３番目の王です。彼は素晴らしい信仰の王です。彼に関しては列王記、歴代誌、イザヤ書に似ている内容が書いてあります。似ている内容ですが、他のところには無いことを付け加えたものもあります。ですから、三つの箇所から必要なところを引用させて頂きたいです。彼の人生には私たちに参考になることがたくさんあります。今日からしばらく、ヒゼキヤの人生からいろいろ学びましょう。
１．父アハズ時代の不信仰を断ち切る
ヒゼキヤの父はアハズ王です。アハズ王は南ユダの王たちの中でも不信仰で有名な人です。先祖たちが信じてきた天の神さまを捨てて、異邦の神々にささげものをしました。聖書の神さまが禁止していることはことごとくやり通して、逆にエルサレム神殿は汚しました。父アハズ王の悪行をまとめると大体以下の通りです。
列王記第二１６章
３ ・・自分の子どもに
火の中を通らせることまでした。
４ 高き所、丘の上、青々と茂るあらゆる木の下でいけにえを献げ、犠牲を供えた。
８ 主の宮と王宮の宝物倉にある銀と金を取り出して、アッシリアの王に送った・・
１０ アハズ王は・・ダマスコにある祭壇を見た。祭壇の図面とその模型を詳細な作り方と一緒に祭司ウリヤに送った。
１１ 祭司ウリヤはアハズ王がダマスコから送ったものとそっくりの祭壇を築いた。
１２ その祭壇を見て、祭壇に近づき、その上に上った。
１４ 主の前にあった青銅の祭壇は動かし、
１７ 車輪付きの台の鏡板を切り離し、洗盤を外し、青銅の牛の上から「海」も降ろして、敷き石の上に置いた。
１８ 宮の中に造られていた安息日用の覆いのある通路もアッシリアの王のために主の宮から取り除いた。
聖書の神さまを捨てて、代わりにアッシリア王を神のように仕えています。南ユダの王たちの中でここまで堕落している王は珍しいです。不思議なことは不信仰のアハズから信仰のヒゼキヤが生まれたことです。母のおかげなのか、良い先生に巡り合ったのか理由は分かりませんが、ヒゼキヤは王になった最初の日から信仰の道を歩みました。
歴代誌第二２９：３「彼はその治世の第一年の第一の月に、主の宮の戸を開いてこれらを修理した。」
彼はまた、全国から父が残した偶像を取り除きました。
１８：４上 高き所を取り除き、石の柱を打ち砕き、アシェラ像を切り倒し、
先祖たちから長年間伝わってきた偶像も砕きました。
１８：４下 モーセが作った青銅の蛇を砕いた。そのころまで、イスラエル人がこれに犠牲を供えていたからである。これはネフシュタンと呼ばれていた。「ネフシュタン」の意味は青銅の蛇です。ネフシュタンと呼ばれる青銅の蛇に関しては民数記２１：４−９にあります。
４ ・・民は、途中で我慢ができなくなり、
５ 神とモーセに逆らって言った。「なぜ、われわれをエジプトから連れ上って・・」
６ 主は民の中に燃える蛇を送られた。蛇は民にかみついたので、イスラエルのうちの多くの者が死んだ。
７ 「私たちは・・罪を犯しました。どうか、蛇を私たちから取り去ってくださるよう・・」
８ 「あなたは燃える蛇を作り、それを旗ざおの上に付けよ。かまれた者はみな、それを仰ぎ見れば生きる。」
９ モーセは一つの青銅の蛇を作り、それを旗ざおの上に付けた。蛇が人をかんでも、その人が青銅の蛇を仰ぎ見ると生きた。
イスラエル民が荒野で蛇に噛まれた時は確かに効果がありました。神さまの約束があったからです。「かまれた者はみな、それを仰ぎ見れば生きる」
しかし、その後は単なる蛇の形をしている青銅に過ぎません。単なる偶像に過ぎないあんなものをどうして、何百年も保管して拝んできたのでしょうか？ モーセやヨシュアの時、砕いてしまえばよかったのに、長い時間が経つと誰も砕くことの出来ない物となりました。何の効果もない偶像です。ヒゼキヤがこれを砕きました。ヒゼキヤの世代で偶像を断ち切りました。父アハズ時代からの悪習、先祖たちからの長い悪習をヒゼキヤの時代で断ち切りました。私たちの役割はヒゼキヤみたいに先祖たちの不信仰を断ち切ることです。
２．エルサレム神殿をきよめ、真の神へのささげものを再開する
父アハズ王は天の神さまへのささげものを廃止していました。ヒゼキヤはそれを再開しようとしました。ヒゼキヤにはそのためにまず、エルサレム神殿の祭司たちを招集しました。アハズ王の時代、エルサレム神殿の祭司たちは仕事が無く、失業の状態でしたので、落ち込んでいましたが、ヒゼキヤの励ましの言葉に勇気づけられました。ヒゼキヤの方から祭司たちに先に呼びかけています。祭司たちを励まし、祭司たちを通して、神殿を掃除し、用具も元通りに戻しました。そして、神の律法に定められたとおりにささげものをしました。
神さまの助けとしか言いようがないくらい突然の事で、ヒゼキヤの願い通り成功しました。
歴代誌第二２９：３５−３６
「こうして主の宮の奉仕の用意ができた。ヒゼキヤとすべての民は神が民のために備えてくださったことを喜んだ。このことが突然のことだったからである。」
３．信仰の原点、過ぎ越しの記念日を盛大に行う
歴代誌第二３０：１３
「こうして、第二の月に多くの民が、種なしパンの祭りを行うためにエルサレムに集まった。それは、おびただしい数の大集団であった」
ヒゼキヤは過ぎ越しの記念日も盛大に備えました。南ユダだけではなく、北イスラエルの民まで呼びかけました。北イスラエルの民からは無視されましたが、それでも少数の人たちが祝いに参加しました。
余りにも盛大な記念式でしたので、それを準備する祭司が足りないくらいでした。祭司が足りないので、日にちをずらして備えましたが、それでも足りないくらいでした。イスラエル民がカナン地に定着してからここまで盛大に記念したことがないくらい国を挙げて記念しました。ヒゼキヤが過ぎ越しに拘る理由は何でしょうか？
過ぎ越しはイスラエル民族の独立記念日で、彼らの国の原点です。アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神と信頼契約を結んで、神さまだけに仕えますと約束して来たのに、アハズ王は神さまとの信頼関係を壊してしまいました。ヒゼキヤは天の神さまとの新しい契約を築きました。
過ぎ越しは彼らの人生の原点です。奴隷から自由人になった日です。すべての原点を今まで軽視してきたので、すべてが混乱してしまいました。ヒゼキヤは全国民の信仰、生活、人生そのものを元通りに戻しました。
４．アッシリアと手を切る外交政策
南ユダとアッシリアの関係は父アハズの時代に遡ります。アラムの王と北イスラエル王連合軍がアハズ王の南ユダを侵略したことがありました。その時、アハズ王はアッシリア王に助けを求めました。「私はあなたのしもべであり、あなたの子です。どうか上って来て、私を攻めているアラムの王とイスラエルの王の手から救ってください」と切実でした。天の神さまには助けを求めないで、人間に、しかも異邦人に助けを求めました。アッシリア王もただで助けてくれるはずがありません。ですから、アハズ王は貢を送りました。アハズ王は主の宮と王宮の宝物倉にある銀と金を取り出して、それを贈り物としてアッシリアの王に送りました。
このようにして助けられましたが、アハズ王はおかしいことに本当に文字通り、アッシリア王のしもべとなり、子どもとなりました。アッシリア王を拝見するために、わざわざダマスコに行って、ダマスコにある祭壇を見て、感動して、祭壇の図面とその模型を、詳細な作り方と一緒に祭司に送って、そっくりの祭壇をエルサレムに築きました。アッシリアの国は強いんだけど、その神々も強いだろうと思い、アッシリアの偶像を本格的に仕えることにしました。南ユダはアッシリアに束縛されている奴隷の状態でした。彼の信仰はアッシリアの偶像を拝みました。彼の政治はアッシリアに支配されました。アハズの時から精神的アッシリアの子どもになっているから、この束縛から脱出しないといけません。
ヒゼキヤはアッシリアとの因縁の関係を断ち切ろうと覚悟しました。南ユダがある程度勢力を回復してから、アッシリア王に反逆しました。
７ 主は彼とともにおられた。彼はどこへ出て行っても成功を収めた。彼はアッシリアの王に反逆し、彼に仕えなかった。
単なる反逆の意味よりは真の神を信じる信仰の現しです。父アハズは目に見えない天の神さまよりは目に見えるアッシリア王が怖かったわけです。しかし、ヒゼキヤは目に見える人間よりは真の神さまを信頼し、天の神様に助けを求めることにしました。信仰の決断と覚悟です。信仰の決断と覚悟は試練を呼びます。その試練を通して本当の信仰なのか、どうか試されます。天の神様だけを信じると覚悟したヒゼキヤにこれから耐えられないくらいの大変な試練の嵐が来ます。信仰の王ヒゼキヤはこれからの大変な試練をどうやって乗り越えるのでしょうか？
私たちも生きている間に何かを覚悟をする時があります。人生の大事な時、覚悟することがあります。特に私たちキリスト者は信仰の覚悟をするときがあります。私たちが信仰の覚悟をするとき、主も助けてくださり、神の栄光を現わしてくださいます。
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