2023年5月21日

列王記第二　18章13〜25節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ ヒゼキヤの試練 ＞


　私たちは信仰者が少ないこの地で、それでもイエス様を信じて生きると覚悟しました。その信仰が本物となるように主は信仰の訓練をなさいます。信仰の訓練は試練と言う形で来ます。試練はとても具体的で、とても現実です。試練が始まるととても怖いです。ヒゼキヤ王に、南ユダの国全体の運命を左右する試練が来ました。


１．アッシリアの王による試練の始まり
　ヒゼキヤは王になってからいろいろ改革しました。エルサレム神殿を中心とした信仰生活を回復しました。国内政治も安定してきました。今までの成果を列王記第二１８：7―８で簡単にまとめました。
７ 「主は彼とともにおられた。彼はどこへ出て行っても成功を収めた。彼はアッシリアの王に反逆し、彼に仕えなかった」
８ 彼はペリシテ人を討ってガザにまで至り、見張りのやぐらから城壁のある町に至るその領土を打ち破った。

　南ユダはヒゼキヤが王になってから国が成長しました。ヒゼキヤはどこへ出て行っても成功を収めたので、自信がつきました。ですから、いよいよアッシリアの王に反逆し、彼に仕えませんでした。問題はアッシリアの国力はヒゼキヤの予想をはるかに超えてしまったことです。アッシリア王はヒゼキヤの治世4年、北イスラエルを征服して、巨大国となりました。

　北イスラエルを征服したので、次は南ユダです。ヒゼキヤの治世１４年に、南ユダはエルサレム以外、重要な町々は征服されました。
１３ ヒゼキヤ王の第十四年に、アッシリアの王センナケリブが、ユダのすべての城壁のある町々に攻め上り、これを取った。

　ヒゼキヤはこの危機を乗り越えるためにアッシリアと和解しようと努力しました。
１４ ユダの王ヒゼキヤは、・・人を遣わして言った。「私は過ちを犯しました。私のところから引き揚げてください。あなたが私に課せられるものは何でも負いますから。」そこで、アッシリアの王は・・銀三百タラントと金三十タラントを要求した。
１５ ヒゼキヤは主の宮と王宮の宝物倉にある銀をすべて渡した。
１６ そのとき、ユダの王ヒゼキヤは、自分が主の神殿の扉と柱に張り付けた金を?ぎ取り、これをアッシリアの王に渡した。
ヒゼキヤは切羽詰まった状況に立たされて、彼自身が主の神殿のために張り付けた金まで?ぎ取りました。落ち着いて神に祈ることすら忘れるくらい彼は怖くなりました。


２．見た目は試練、中身は信仰の試し
　ヒゼキヤはできる限りの金、銀を送りましたのに、アッシリアの攻撃は続きました。
１７ 「アッシリアの王は・・大軍とともに・・エルサレムのヒゼキヤ王のところへ送った。彼らはエルサレムに上って来た」
理由を調べてみるとヒゼキヤはアッシリアと和解を講じながら、エジプトに助けを求めたようです。ヒゼキヤは慌ててエジプトに助けを求めましたが、失敗しました。ヒゼキヤはこの危機を乗り越えるためにできる事は全部やりました。主の神殿の金まで剥ぎ取りました。北イスラエルが征服されてから１０年が経ちました。元々北イスラエルの方が南ユダよりは国力がありました。南ユダは小さくて、アッシリアの攻撃に耐えられません。エルサレムも包囲されたので、南ユダが滅びるのも時間の問題です。ヒゼキヤは包囲されてからいろいろの侮辱を受けました。侮辱を受けましたので、悔しいです。しかし、落ち着いてよく聞いてみると信仰を目覚めさせるための主の呼びかけです。

２０ 今おまえは、だれに拠り頼んでいるのか。
２１ 今おまえは、あの傷んだ葦の杖、エジプトに拠り頼んでいるが、
２２ おまえたちは私に「われわれは、われわれの神、主に拠り頼む」と言う。
２４ おまえは戦車と騎兵のことでエジプトに拠り頼んでいるが、

　北イスラエルまで滅ぼしたアッシリアです。エジプトまで抑えられるアッシリアです。エルサレム以外は全部占領されました。アッシリア王の一言で南ユダの運命が左右されます。アッシリアはまるで神さまのような存在です。ですから、父アハズもアッシリアを神さまのように仕えました。一番恐れているものを私たちは神のように認識します。試練の形はアッシリアからの脅威です。しかし、試練の中、主に問われるのはヒゼキヤが誰を拠り頼んでいるのかです。主はアッシリア軍隊の責任者の口を借りて、ヒゼキヤに尋ねています。真の信仰はここまで追い込められた時、出て来ます。口から自然に主に助けを求める祈りが自然に出て来ます。


３．見た目は試練、中身は皆と一致団結できるか
　アッシリア軍隊の責任者はエルサレムを直ぐ攻撃すれば良いのに、ああだとか、こうだとかうるさいです。早く攻撃しないでエルサレム中を分裂させる作戦です。包囲されていて、長時間が経つと逼迫して、中から分裂します。

（１）民を動揺させる心理作戦
２６ 「どうか、しもべたちにはアラム語で話してください。民が聞いているところではユダのことばで話さないでください。」
２７ 「彼らはおまえたちと一緒に、自分の糞を食らい、自分の尿を飲むようになるのだ」
２８ ユダのことばで大声で叫んだ。

（２）ヒゼキヤと民の信頼関係を壊す
　ヒゼキヤ王は長年間、民から信頼を得ていました。

歴代誌第二３２章
３ ヒゼキヤは町の外にある泉の水をふさごうと高官たちや勇士たちと相談した。彼らは王を支持した。
４ そこで、多くの民が集まり、すべての泉とこの地を流れている川をせき止めた。
６ 彼は民の上に戦時の隊長たちを立て、彼らを町の門の広場に召集し、激励して言った。民はユダの王ヒゼキヤのことばによって力づけられた。

　アッシリアはヒゼキヤと民の間の信頼関係を壊すのが目標でした。
２９ 『ヒゼキヤにごまかされるな。おまえたちを私の手から救い出すことができないからだ。
３１ ヒゼキヤの言うことを聞くな。アッシリアの王はこう言っておられるからだ。『私と和を結び、私に降伏せよ。そうすれば、おまえたちはみな、自分のぶどうと自分のいちじくを食べ、自分の井戸の水を飲めるようになる。
３２ おまえたちの国と同じような国におまえたちを連れて行く。そこは穀物と新しいぶどう酒の地、パンとぶどう畑の地、オリーブの木と蜜の地である。おまえたちが生き延びて死ぬことのないようにするためである。たとえヒゼキヤが、「主はわれわれを救い出してくださる」と言って、おまえたちをそそのかしても、ヒゼキヤに聞き従ってはならない。」

（３）ユダの民に主への信仰を疑わせる
３３ 国々の神々は、それぞれ自分の国をアッシリアの王の手から救い出しただろうか。
３４ サマリアを私の手から救い出したか。
３５ 主がエルサレムを私の手から救い出せるとでもいうのか。

（４）ヒゼキヤを信頼し、一致団結する主の民
３６ 民は黙って彼に一言も答えなかった。
　 「彼に答えるな」というのが、王の命令だったからである。エルサレム住民の信仰が試されました。ヒゼキヤへの信頼関係も試されました。城壁に閉じ込められると集団パニックになりやすいです。一人か二人でもぶつぶつ言ったら、全体に広がり、一気に暴動でも起こり得る状況です。神さまの助けであり、今まで長年間、ヒゼキヤを信頼して来たので、この試練の瞬間を民たちは黙って、忍耐していました。私たちが体験する試練も似ています。



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