2023年4月30日

ルカの福音書　18章18〜23節/19章1〜8節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ お金と切り離せるか ＞


　創世記１章によりますと人間は神に非常に似ている神のかたちです。イエス様によりますと人間はお金を神のように仕えています。その意味で人間とお金は本物の神に似ている`もう一つの神のような存在です。私は神のかたちである人格、お金は元々紙くずで造られたものに過ぎませんが、私の欲望を吹き入れたので、もう一人の人格となりました。お金に人格があると言ったらおかしいことですが、財団法人だと思えばお金にも法人の格があります。私とお金が完全密着して一つになって長い時間が経つと二人とも死んでしまいます。早く分離したいです。また、定期的に分離したいです。天の神さまは私たちのためにたまに、お金と私たちを分離させる時があります。

　自分は個人的にお金と自分を分離する作業を手術に例えたいです。これは除去手術ではなく、分離手術です。除去手術はがん細胞を除去するみたいにお金が悪性なので、除去する意味となります。分離する手術はお金が悪いものではなく、良いものなので、分離さえすればお金は私のために良い働きをします。今日の聖書の箇所を見るとイエス様は二人をお金から分離させようとされましたが、一人は失敗して、一人は成功しました。


１．分離できなかったある指導者
　彼は表面的には良い信仰者です。神の永遠のいのちを求めている信仰熱心の人です。大事な神の戒めを少年の時から忠実に守っている人です。彼が持っているお金も良いもので、彼が決心さえすれば多くの人を助けられる力があります。貧しい人たちを助けられる財源です。天国に貯金できる財源です。彼が持っているお金そのものは悪くありません。

　しかし、問題は彼がお金と分離したくないということです。お金ほど正直なものはありません。人間はお金の前でとても正直になります。イエス様は彼にお金から離れて、私と一つになりなさいと提案しましたが、彼は拒みました。お金と分離できなくなりました。お金と運命共同体となりました。イエス様から離れることはあっても、お金からは離れられません。お金を捨てて、イエス様に従ったら貧乏になると思ったでしょう。その代わりにイエス様が天国の財産をくださることは知りませんでした。

　イエス様は彼を貧乏にさせるために持ち物をすべて売り払いなさいと言われたのではありません。逆に天国の宝を満たして下さるための提案でした。けれども、お金がこの人の唯一の神となっているので、イエス様の提案は聞こえません。この世のほとんどの人はこの人に似ています。その中、たまにイエス様の提案を受け入れ、お金と分離できて、イエス様の幸せにあずかる人がいます。


２．分離できたザアカイ
　１８章のある指導者の次に１９章のザアカイが登場します。ザアカイの職業は取税人のかしらで、金持ちでした。背が低いのに、人々は彼に譲ってくれません。それでも、諦めることなく、イエスを見ようとして、先の方に走って行き、いちじく桑の木に登りました。イエス様の方から彼に声をかけて下さいました。ザアカイは村八分の人だから皆から軽蔑されているのに、イエス様がザアカイに声をかけて下さいました。
「ザアカイ、急いで降りて来なさい。わたしは今日、あなたの家に泊まることにしているから。」
イエス様がザアカイを友達のように受け入れて下さいました。

　イエス様とザアカイは心から一つとなりました。イエス様とザアカイが心から一つとなりましたので、ザアカイもお金と分離することが出来ました。お金と分離してから、イエス様と一つになったのではありません。人間は自分の力でお金と分離できません。イエス様と一つになりまして、その助けと恵みによって、安心してお金と分離できます。ザアカイはイエス様と一つになりましたので、お金と分離できる勇気が与えられました。そして、実行しました。８ザアカイは立ち上がり、主に言った。「主よ、ご覧ください。私は財産の半分を貧しい人たちに施します。だれかから脅し取った物があれば、四倍にして返します。」

　財産の半分を貧しい人たちに施したことがお金と分離できたことです。脅し取った物があれば、四倍にして返すことがお金と分離できたことです。彼はこれ以上、取税人の仕事はできなくなります。当時の取税人は許可書が必要なもので、政府に多くのわいろを渡せる財力ある人に許可がおりました。お金がないと取税人の仕事も出来ません。彼はもうこれ以上取税人の仕事を続けるつもりはありません。これ以上、彼の人生の目標はお金ではありません。彼はこれからイエス様と一つになって、イエス様がくださる祝福、幸せ、喜びのうちに過ごすと決めました。その喜びの一日が始まりました。


３．私たちは
　私たちはお金と分離できるのでしょうか？　分離することは捨てることではありません。神さまからの祝福であるお金を無駄に捨てることは駄目です。ただ、距離を置くことです。イエス様と私たちは完全に一致となる関係です。しかし、お金は一定の距離をおくものです。お金は単なる物質です。しかし、お金が私たちと一つになるともう一人の神のようなものとなり、もう一人の人格ある者となります。私たち自身がお金に私の心を吹き入れています。お金と一つになってしまうと自分の力では分離できません。お金に自分自身の心を吹き入れてしまったので、私が滅びないと分離できません。私の人生がお金のせいで滅びるとお金が嫌になってお金を捨てますが、それは遅いです。そして、間違っています。使い方が間違っていました。お金は上手に使えば命を生かす力を発揮します。お金が嫌で紙くずのように捨てたら、それは駄目です。人間は何歳からお金と一つになるのでしょうか？　生まれた時は確かにお金に関心がありません。コインをなめることはしますが、愛することはしません。お金を使い始める時から徐々にお金と一つになるのでしょうか？　信仰者である私たちはあることをきっかけにお金と分離する手術が必要です。そして、定期的に分離できているか確認する必要があります。信仰者はお金とある程度距離を置かないと不幸になります。信仰者の幸せはイエス様と一つになっている時です。しかし、お金はイエス様と一つになることを妨げます。イエス様とお金と同時に一つになる方法はありません。

　お金と分離できれば、今後、お金が私たちのために良き働きをします。また、分離さえすればお金は役に立ちます。しかし、分離できなければ、お金に縛られ、支配されます。お金の奴隷になることです。また、分離できなければお金の力で傲慢になるかです。私たちはお金とある程度の距離を置くことができるのでしょうか？



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