2023年2月12日

創世記　12章1〜5節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ アブラハムと財産 ＞


　アブラハムは信仰の父なので、信仰に関するメッセージがほとんどでした。今日も彼の信仰の話はしますが、それにプレスして彼の財産に関する話もしたいです。彼は言わば、資産家でしたので、多くの家畜、金銀を持っていました。無いのは土地だけで、その理由は神さまが与えてくださるまで待っていたので、わざと購入しなかっただけです。土地がないということはどこにも自由に移動できて、一つのところに縛られていないことを意味します。ですから、彼は何回も自由に引っ越しました。カルテヤのウルーハラン―カナンーエジプトーカナン　カナンの中でも何回も国内引っ越しをしました。彼の人生は引っ越しの連続でした。不思議なことは引っ越すたびに財産が増えたことです。


１．引っ越しと財産の変化
　引っ越しが多いとお金が無くなります。アブラハム時代の引っ越しは命が危ないです。誰も知り合いがいないところに行くことだから、殺されても、財産を没収されても文句を言えません。アブラハムは実際、引っ越すたびに身の危険を感じました。その時代、引っ越しは危ないのに、なぜこんなに引っ越しが多かったのでしょうか？

（１）神さまのご指示に従うために引っ越しました。
創世記１２：１
　「主はアブラムに言われた。
　「あなたは、あなたの土地、あなたの親族、あなたの父の家を離れて、わたしが示す地へ行きなさい。」

（２）カナン地に飢饉があったので、食料を求めて引っ越しました。
　守らなければならない土地が無いので、気軽に引っ越しができました。

（３）近所の部族との争いで引っ越すこともありました。
　こんなに引っ越しが多いと財産がどんどん無くなるはずです。しかし、アブラハムは本当に不思議に財産が増えました。

創世記１１：３１−３２
３１ テラは、その息子アブラムと、ハランの子である孫のロトと、息子アブラムの妻である嫁のサライを伴い、カナンの地に行くために、一緒にカルデア人のウルを出発した。しかし、ハランまで来ると、彼らはそこに住んだ。
３２ テラの生涯は二百五年であった。テラはハランで死んだ。しばらくハランに住みましたが、財産が増えました。

創世記１２：５
５ アブラムは、妻のサライと甥のロト、また自分たちが蓄えたすべての財産と、ハランで得た人たちを伴って、カナンの地に向かって出発した。

　ところが、予期せぬことが起こりました。ある年、あまりにも雨が少なく、大変な飢饉となりました。カナン地に飢饉がありましたので、アブラムはエジプトにしばらく滞在するために行きました。彼がエジプトに近づいて、その地に入ろうとしたとき、妻のサライに言いました。「聞いてほしい。私にはあなたが見目麗しい女だということがよく分かっている。エジプト人があなたを見るようになると、『この女は彼の妻だ』と言って、私を殺し、あなたを生かしておくだろう。私の妹だと言ってほしい。そうすれば、あなたのゆえに事がうまく運び、あなたのおかげで私は生き延びられるだろう。」 サラも同意してそうすることにしました。

創世記１２：１６
１６ アブラムにとって、物事は彼女のゆえにうまく運んだ。それで彼は、羊の群れ、牛の群れ、ろば、それに男奴隷と女奴隷、雌ろば、らくだを所有するようになった。

創世記１２：２０−１３：２
２０ ファラオがアブラムについて家来に命じたので、彼らは彼を、妻と、所有するすべてのものと一緒に送り出した。
１ そこで、アブラムはエジプトを出て、ネゲブに上った。妻と、所有するすべてのものと、ロトも一緒であった。
２ アブラムは家畜と銀と金を非常に豊かに持っていた。

　普通であるならエジプトで多くの財産を失うか、奪われるはずでしたが、彼は逆に増えました。詳しいことは想像するしかありませんが、パロはアブラハムの背後にある力強い神の存在を意識していたと思います。天の神さまが怖くてアブラハムに悪い仕返しは出来なかったでしょう。

　エジプトであった似ていることがカナン地にもありました。サラを自分の妻だと言えない恐れがアブラハムにありました。それでも、不思議に財産は増えました。

創世記２０：１４−１５
１４ アビメレクは、羊の群れと牛の群れと、男女の奴隷たちを連れて来て、アブラハムに与え、またアブラハムの妻サラを彼に返した。
１５ アビメレクは言った。「見なさい。私の領地があなたの前に広がっている。あなたの良いと思うところに住みなさい。」


２．財産は神からの贈り物
アブラハムの財産はなぜ増えたのでしょうか？

（１）神さまからの約束がありましたので
創世記１２：２−３
２ そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとする。あなたは祝福となりなさい。
３ わたしは、あなたを祝福する者を祝福し、あなたを呪う者をのろう。地のすべての部族は、あなたによって祝福される。」

（２）アブラハムは従いましたので
　アブラハムが神の約束を信じて従いましたので、神さまもその約束通りに祝福してくださいました。神の約束を信じて、カルデア人のウルを離れたので、ハランを離れたので、知り合いが誰もいないカナン地に入ったので、神さまが彼を祝福してくださいました。
４節 「アブラムは、主が告げられたとおりに出て行った。」
神さまだけを信じたので、カナン地には知り合いがいなくても神さまが彼を守ってくださいました。天の神さまに守られていることをエジプトでパロも感じたので、パロもアブラハムを丁寧に扱いました。アブラハムの背後にいる神の存在を恐れたわけです。

　ペリシテの王との関係においても不思議なことはありました。それも同じ理由で、アブラハムから神の存在を感じました。私たちも同じことを言えます。私の背後におられる神の存在を周辺の人々が感じられるように。そのためにはどうすれば良いでしょうか? 私自身が神に従う生き方が必要です。神のみ言葉を大事に守る信仰が必要です。そうすれば、自然に私たちから神の存在を人々が感じます。アブラハムは神からの祝福を喜んで受け入れましたが、邪悪な人からの財産は固く断りました。お金は何でももらってはいけません。命取りになるとんでもないものはもらってはいけません。

創世記１４：２１−２３
２１ ソドムの王はアブラムに言った。「人々は私に返し、財産はあなたが取ってください。」
２２ アブラムはソドムの王に言った。「私は、いと高き神、天と地を造られた方、主に誓う。
２３ 糸一本、履き物のひも一本さえ、私はあなたの所有物から何一つ取らない。それは、『アブラムを富ませたのは、この私だ』とあなたが言わないようにするためだ。

　人の努力、人の能力、個人の運もある程度はあるかも知れませんが、人が祝福されるかどうかの最大の原因は神の祝福があるかどうかです。神の約束に人がどのくらい従うかどうかです。



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