2023年2月5日
ハバクク書 3章17〜19節
＜ 主にあって喜び楽しむ一年 ＞
預言者ハバククは18節で喜び踊ると言っています。ただの喜びではなくて、喜びのあまり踊れるくらい喜びに満ちています。彼に何か良いことがあったでしょうか？ 喜びのところか、正反対のことばかりです。１７節に書いてあるのは喜び踊るところか、落胆することばかりです。いちじくの木が花を咲かせない、いちじくがないことが喜びでしょうか？ 落胆することでしょうか？
ぶどうの木には実りがない、ぶどうの実が無いことが嬉しいことでしょうか？ オリーブの木も実がない。オリーブの収穫が無いことが喜びでしょうか？ 畑は食物を生み出さない。今日の一日を食べられるものがないのに、何が喜びでしょうか？ 羊は囲いから絶え、牛は牛舎にいなくなる。羊、牛がいなくなることは未来の希望がないことです。本当にハバククにとって羊、牛がいなくなることが喜びでしょうか？
ハバククはすべての財産を失いまして、気がおかしくなったのでしょうか？ 私たちから見れば理解できません。しかし、私たちもハバククと同じ信仰者なので、理解できる部分があると思います。
ハバククと私たちの世代も似ているところがあります。彼が生きていた時代も全世界が混乱していました。バビロンと言う国が成長して、周辺の国を占領していく時代でした。アッシリア帝国も滅びて、エジプトも滅びて、ユダもそろそろです。
南ユダヤも国全体が滅亡に向けて衰退していく時代でした。その中、彼は神を信じる信仰の故に、神さまから確信が与えられ、新しく生きる元気を頂きました。今の時代もハバククの時代に似ています。全世界にこれから起こり得る危険を考えると怖いです。物価はいつになったら下がるのでしょうか？ 私たちの未来を脅かすことばかりです。私たちは現在、コロナの後、これから仕事がどうなるか分からなくなりました。私たちの時代もハバククの時代に似ていますが、ハバククは信仰を回復して、立派な信仰告白ができました。私たちはハバククのような信仰告白は出来るのでしょうか？
さて、ハバクク３章は全体が詩です。 3章の最初に「預言者ハバククの祈り。シグヨノテの調べにのせて」と書いてあります。3章の最後には「指揮者のために。弦楽器に合わせて」と書いてあります。３章の全体が祈りであり、歌であり、詩です。神さまへの讃美だと言えます。これらのことから、ハバククの仕事がたぶん、祭司か、神殿聖歌隊の一人のメンバか、とにかく、神殿と関係ある仕事をしていた人だったと広く言われています。
ハバククは最初から素晴らしい信仰告白ができたのではありません。最初はあまりにも厳しい現実と神さまへの失望でがっかりしていました。その状況で神さまに二つのことを質問しました。そして、神さまも二つのことで答えて下さいました。
１．神様への質問と答え
（１）一つ目の質問（１：２−４）
２ ・・私が叫び求めているのに、
あなたが聞いてくださらないのは。「暴虐だ」とあなたに叫んでいるのに、
救ってくださらないのは。
３
暴行と暴虐が私のそばにあり、争い事があり、いさかいが起こっています。
４
みおしえは麻痺し、さばきが全く行われていません。
悪しき者が正しい者を取り囲んでいるからです。 そのため、
曲がったさばきが行われているのです。
ハバククは神さまにいくつかの不満があります。悪しき者が権力をにぎっています。悪しき者がやりたい放題で悪を行い、正しい人を苦しめています。正しい人は暴虐を受けているのに、神さまは何もなさいません。悪しき者をさばいてくださいと神さまに祈っても何の返事もありません。ハバククを救ってくださいません。神さまのみことばはもうこれ以上意味がないものとなったとハバククはがっかりしています。ハバククの不平不満を私たちも抱いています。これに対して神様が答えてくださいました。
（２）神さまからの答え（１：６−１１）
神さまの予告はユダヤ人の悪しき者を、カルデア人を通してさばかれることです。カルデア人のバビロンがこれから大きくなります。ハバククの時代はまだ、バビロンが世界を支配していない時代です。これからバビロンはアッシリア、エジプト、ユダを次々と滅ぼし、中東を統一します。カルデアがどれほど、恐ろしくて、暴虐に満ちているかを神さまは生々しく表現しています。
６ 見よ、わたしはカルデア人を起こす。あの強暴で俊敏（しゅんびん）な国民だ。
７ それは凄惨（せいさん）そのもの。
８ その馬は豹（ひょう）より速く、日暮れの狼より敏捷（びんしょう）だ。その軍馬（ぐんば）は跳ね回り、その騎兵は遠くから来て、鷲（わし）のように、獲物（えもの）にさっと舞い降りる。
９ 彼らはみな暴虐を行うためにやって来る。そろって顔を前方に向け、砂のように捕らわれ人を集める。
１１ こうして、風のようにやって来て過ぎ去る。
未来、カルデア人が攻めてきてユダヤに住んでいる悪人をさばきます。暴虐に満ちた異邦の民の手を使って、悪を行ったユダヤ人をさばかれることです。ここでもう一つの疑問があります。ユダヤ人がいくら悪しき者になったとしても一応、ユダヤ人は神の民です。悪しきユダヤ人をさばかれるために、暴虐に満ちているもっとひどい悪人の異邦人の手を使うことは理解できないことです。この疑問がハバククの二つ目の質問でした。
（３）二つ目の質問（１：１２−１３）
ハバククの質問は簡単に言うといくら悪しきユダヤ人をさばかれるためだからと言って、残酷なカルデア人を用いられることは神さまの正義に正しいことなのかです。
１２ 主よ、あなたはさばきのために、彼を立てられました。・・あなたは懲らしめるために、彼を据えられました。
１３ なぜ、裏切り者を眺めて、黙っておられるのですか。悪しき者が自分より正しい者を?み込もうとしているときに。
（４）神さまからの答え（２：３−４）
３ この幻は、定めの時について証言し、終わりについて告げ、偽ってはいない。もし遅くなっても、それを待て。必ず来る。遅れることはない。
４ 見よ。彼の心はうぬぼれていて直ぐでない。しかし、正しい人はその信仰によって生きる。」
人の目にはおかしく見えても、すべては神さまのスケジュール通りに順調に行きます。３章の神の御力を見ると１７節のハバククの悲惨な現状は小さく見えます。神がなさる救いを見ると私の乏しい現状は大したものではありません。神さまが私を助けて下さり、救ってくださいます。
結論
確かに私たちの未来はとても不透明です。心配材料ばかりです。コロナ以後、深刻に高騰する物価。今年も色々の危機から守られるのでしょうか？
しかし、それでも確かなことは、私たちは現在、この時間、生きていることです。すでに終わってしまったわけではありません。主から頂いた命が続いています。終わるまでは終わっていません。主が私たちを守って下さり、助けて下さいましたので、私たちはこの瞬間生きています。今、この瞬間、主のあわれみによって生きているのだから。主が明日も生きる力を下さり、生きる道を備えてくださり、生きる方法を整えてくださいます。私たちはそれを信じているので、ハバククのように主を賛美したいです。今年一年間、私たちは試されるでしょう。１７節のような環境に追い込まれるかも知れません。それでも、１８，１９節のような賛美ができるかどうか、信仰告白ができるかどうか? １７節のような状況から本当の信仰が生まれます。私たちにとって本当の信仰が現れる時間を迎えました。信徒の皆様、信仰に励みましょう。
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