2022年12月25日

ルカの福音書　2章8〜20節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 羊飼いたちの身分上昇 ＞


　今日はクリスマス礼拝であり、2022年の最後の礼拝です。今年もいろいろのことがありました。毎日、忙しい生活をしました。大人の皆様は仕事を頑張りました。子どもの皆様は勉強に励みました。現在の生活を維持するために、未来を準備するために毎日、頑張りました。私たちは一年間、何のために頑張ったのか、今日の箇所に出てくる羊飼いたちを通して、私たちのことを考えてみましょう。

　イエス様は馬小屋でお生まれになりました。イエス様が飼い葉に寝かされていたのを見たのは羊飼いたちだけです。他の人たちは見ていません。東から来た博士たちはイエス様が家の中に寝かされているのを見ました。それでは、神さまはなぜ、唯一、羊飼いたちに、生まれたばかりのイエス様をお見せになったのでしょうか？　飼い葉に寝かされていたイエス様を見て、彼らには何の変化があったのでしょうか？　今日は羊飼いたちの一生を一度、黙想してみましょう。彼らの日常生活が８節に書いてあります。

（１）野宿をしていました。
　今の時代であるなら夜勤です。今の夜勤は賃金が高いです。しかし、当時の夜勤はおまけの仕事です。当時は夜の番をしたからと言って、昼に休めるわけでもありません。昼は普段通り、仕事をして、夜はおまけの仕事です。昼は寝れない、夜もぐっすり寝たわけではないので、昼もうとうとしていて、夜もうとうとしていました。体も心も相当疲れていました。

（２）羊の群れの夜番をしていました。
　羊は寝ているのに、人間は起きています。人間が羊よりも価値がありません。8節の様子を見ると羊が囲いの中にいるのではありません。野原のど真ん中に野宿しているので、獣から羊を守れる手段がありません。とても、しんどい仕事です。仕事の大変さに比べると報酬はありません。

（３）夢も希望もない
　彼らに将来の計画があるわけではありません。お金を蓄えて、何かをやってみたい望みも抱けません。未来の夢は彼らにとって贅沢です。

（４）何の意味もない生き方をして死ぬだけ
　彼らにとっても一度だけの人生です。しかし、羊飼いは人間としての扱いを受けていません。一人の人間が一人の人格として取り扱われない社会は間違っていますが、羊飼いたちはこんな不平等を運命だと考え、あきらめていました。不平等の社会を変えたい意識もなく、変えられる力もありません。彼ら自身の運命を変えようとする意欲もなく、変えられる能力もありません。

　しかし、それでも羊飼いは一人の尊い人格です。神さまのかたちによって造られ、神さまに似ている人格です。彼らも一度くらいは人間らしく生活してみないといけないのではありませんか？　彼らの身分が今よりは上昇しないといけないのではありませんか？　身分の上昇、まるで、社会運動家が言っていることばみたいです。

　ところで、私たちはこの一年間、もしかして、身分上昇のために一生懸命だったのではありませんか？　「昇進のために」、「契約社員から正社員になるために」頑張ったのではありませんか？　学生の皆様は偏差値を上げるために頑張ったのではありませんか？　もっと良い学校に行くために、未来、もっと良い身分になるために勉強したのではありませんか？　資格のために勉強しました。どこでも良い学校ではなく、もっと良い大学に進学したい。

　ところで、信仰にも身分上昇があります。罪人が神の子どもになることです。これは最高の身分上昇ではありませんか？　私たちは神さまの恵みの故に最高の身分に上がりました。それでは神さまが私たちに下さる身分上昇とこの世の人たちが求めている身分上昇と違いは何でしょうか？　神さまが私たちにくださる身分上昇はただの神さまの恵みであり、祝福です。私たちが何かやったのではありません。例えば、羊飼いたちがイエス様を信じて、神さまの子どもたちとなりました。超高速の身分上昇です。羊飼いたちが神さまの子どもたちとなりました。

　野原で寝ていた羊飼いたちに代わって、イエス様が野原のような飼い葉おけに寝かされました。羊飼いたちの身分が超高速に上昇したことと同時に、イエス様の身分が超高速に下がりました。天の上におられたお方が、いきなり地の底まで落ちました。イエスさまにとって飼い葉おけは羊飼いたちの野原に似ています。羊飼いたちの身分を上昇させるため、イエス様の身分が羊飼いたちのようになりました。イエス様の身分が低くなりましたので、羊飼いたちは喜びに満ちました。イエス様が彼らのところに来られましたので、羊飼いたちは幸せになりました。イエス様は私たちに幸せをもたらすお方です。

　イエス様のおかげで、私たちの身分が変わりました。罪人が神の子どもとなりました。その代わりにイエス様が罪人のようになりました。これは私たちには祝福のお知らせ、つまり、福音です。神さまが罪人の私たちにくださいました祝福です。

　反対に、私たちが自らの努力で身分上昇しようとしたらどうなりますか？　まず、既存の社会が認めてくれません。羊飼いたちが「人権保障」「安全保障」など叫んだら、主人たちに殺されたと思います。主人たちが言うことを聞いてくれないので、羊飼いたちが反逆して、主人たちを殺したと思います。これらの争いを私たちはこの一年間、世界や日本社会からみてきました。

　皆様は来年、どのような生き方をなさいますか？　身分上昇のために来年も同じく、一生懸命生活するつもりですか？　皆様の現在の身分から上昇したいでしょうか？　神さまも私たちの身分が上昇することを願っておられます。ただし、私たちの身分はすでに最高に上がっています。神の子どもとなりました。これよりも高い身分はありません。ですから、私たちは神の子どもらしく、生きたいです。私たちが神の子どもらしく生活すると主が全面的に助けて下さいます。

　今日のメッセージを通していくつかのことを確認させて頂きたいです。
１ 神の子どもとなりましたので、すでに身分が上昇しましたので、満足して暮らしたいです。
２ 神さまの子どもらしく生きることはきよく生きることなので、あまりにも欲張る生活はしたくありません。
３ だからと言って、現状維持で満足して、何の発展もなく、何の変化もない生活ではなくて、神の栄光のために上に向けてゆっくり歩きたいです。父なる神さまも私たちを大事なところに用いられることを望んでおられます。
４ 神さまは私たちをこれからも引き上げてくださり、大いに用いてくださいますが、私たちもそれに合わせて、誰かの身分を引き上げる働きをしたいです。


結論
　神さまは来年も私たちの身分を引き上げてくださる準備ができています。私たちもそれに合わせて、熱心に、きよく、生きましょう。



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