2022年7月31日
ローマ人への手紙 1章28〜32節
＜ 罪を嫌う神、神を嫌う人 ＞
今の時代はますます、聖書を遠ざけています。人々が聖書を読まない理由は聖書に罪の話が多いからではないかと思います。今の時代の人たちは罪と言う単語が嫌いです。牧師のメッセージから罪の指摘を聞きたくありません。信徒の皆様も罪のメッセージはあまり聞きたくないと思います。ですから、自然に牧師もあまり言わなくなりました。
罪のメッセージが少なくなったので、十字架のメッセージも少なくなりました。罪を認めないので、十字架も要らないからです。２９−３１節のような詳しい罪の内容が語られるとしんどいです。罪は増えている時代、その反面、十字架のメッセージは受け入れない時代です。私たちは罪のメッセージがしんどくても、耳と心を開いて、神の恵みを求めましょう。私たちは神の祝福を通して神の恵みを求めています。しかし、元々、神の恵みは罪の赦しからです。それなのに、私たちは祝福を通して神の恵みを求めています。
昔に比べると悪いことをしても、あまり罪意識を感じない世代になりました。昔の人たちは十戒を命のように守っていました。しかし、この頃は親のことを尊敬しなくても、誰のものを盗んでも、姦淫しても、人を殺しても、あまり罪意識を感じない人が増えました。現代の私たちは罪に鈍くなりました。罪に鈍感になっているので、罪を犯しても怖くありません。罪意識を感じない人々は大丈夫でしょうか？ 罪に鈍感な世代と一緒に暮らして、悪影響を受けている私たちは大丈夫でしょうか？ 人々が罪意識を持たない理由は罪の深刻さを知らないからです。そして、神がどれほど、罪を嫌がる聖なるお方なのかも知らないからです。今日は二つのこと、罪の深刻さと罪を嫌う神の聖なることに関してみてみましょう。聞きたくないことですが、これが堕落しているこの世界から私たちの命を救います。
１．罪の深刻さを知る
２９−３１節は具体的な犯罪です。人の心の中にはこれらの具体的な犯罪を生み出している、元となる性質があります。新約聖書はこれらの罪の性質となるものを５つくらいの単語で表現しています。聖書は私たちの心で生じている罪を色々の角度で分析しています。内面の腐敗、またはねじられて、歪んだ性格から現れるものいくつあります。ハマルティア：標的から外れたもの、目的地に至らなかったもの。
アディキア：不義、不正、
ポネリア：邪悪、腐敗したもの、
パラバシス：侵入、侵害など、一定の限界を超えていくこと
アノミア：無法、一定の法律を無視して、犯すことです。
一定の線を越えることですが、その一定の線は誰が定めた線でしょうか？ 天の神様が定められた線です。
人々は神が一定の限界線を決められたこと自体が気に入りません。なぜ、神が勝手に善と悪の境界線を決められるのかです。神が善と言えば善なのか、神が悪と言えば悪なのか。私はそんなこと、認めたくない。ここに人間の罪の邪悪な自己中心性があります。世界が神中心ではなく、自分中心に回っています。最優先の価値は自分自身だけです。
神の存在を認めず、神の価値も認めたくありません。ですから神様も人々を無価値な思いに引き渡されました。
２８「また、彼らは神を知ることに価値を認めなかったので、神は彼らを無価値な思いに引き渡されました。それで彼らは、してはならないことを行っているのです。」
創造主の神を無価値な存在にしたので、人間自身も無価値なものになりました。創造主を絶対的な価値として信じる時こそ、人間の尊厳は維持されます。
人間は神から創造された被造物です。被造物は造られた者なので、お造りになった方に属しています。属していることは依存していることです。しかし、神に依存する生き方は嫌なので、神に依存する生き方は捨てて、独立を求め、離れてしまいました。神に頼らないで、自分自身を自ら頼るようになりました。
現代は以前よりもっと神から離れています。私たちの社会は一人前を強調しています。神に頼るとか、信仰に依存するとか、神を信じる生き方を現代人はとても嫌っています。自分自身を信じて、自分を頼りにして、自分が神になって、
自律を宣言しています。
自律の意味は自分で、自分自身をコントロール出来る意味です。皆様は自分で自分自身のことをコントロールできますか？ 聖書から見ると善と悪の基準は神しかいないのに、人間は自分でコントロール出来ると宣言しています。これが罪であって、その後、神から離れて行動することはすべて、神と関係ないことなので、犯罪となります。
神から離れたので、これからは自分の力を信じて生きるしかありません。その後、人生のあらゆる苦しみ、悲しみ、悲惨なことを全部経験することになります。神に似ている部分はあるので、最初は色々素晴らしいものを作りますが、その後、取り返しがつかないことになります。
残念なことは、現在はいくら罪の深刻さを語っても人々は聞いてくれません。善と悪を自らコントロール出来ると思い込んでいるし、ある程度は確かコントロールしているので、神の存在を求めません。しかし、一定の線を超えるとコントロール出来なくなる瞬間が来ます。その時はもう手遅れです。悔い改めて、神の助けを求めざるを得ない瞬間が来ます。絶望的な痛みを通して、神様が罪の深刻さを教えて下さるときが来ます。少なくとも、神の子どもである私たちは痛い目に合う時、罪の深刻さを主に打ち明けて、救いを求めましょう。
２．聖なる神
聖書は聖なる神と罪深い人間を比較するために色々の単語を使いました。これらの単語を見ると聖なる神と罪深い人間はどれほど合わないか分かります。
いと高き神（高さ）
天におられる神はいと高きお方で、地に住んでいる私たちと天と地の差があります。天におられる神がこの地を統べ治められます。天は神の御座です。天の神が王として私たちを統べ治めておられます。しかし、この地に住んでいる私たちは天の王である神を認めなくて、自分自身が王になって、自分勝手に生きています。天の王である神の言うことは聞きたくありません。人は生まれた時から、死ぬ時まで自分勝手に生きる傾向が強いです。駄目だと分かっていることも自分勝手にしたいです。それが罪であり、具体的には反逆罪です。
距離
天におられる神と地に住んでいる私たちは遠く離れています。罪深い人間は神に近づくことが出来ません。油と水の関係で一緒にはいられない関係です。神と人は完全に分かれています。シナイ山のイスラエル民は聖なる神に近づいてはいけませんでした。境界線を越えてはいけません。荒野の幕屋にも祭司だけが入れる聖所がありました。聖所はまた、大祭司しか入れない至聖所と分かれていました。
光・火
聖なる神は光であり、罪深い人間は闇です。光が来ると闇は跡形もなく、消えます。聖なる神は燃やしてしまう火です。罪を聖なる神の火で燃やしてしまいます。２９−３１節の罪人を聖なる神の光で消してしまいます。聖なる神の火で燃やしてしまいます。
悪を吐き出す神
レビ記１８：２５，２８
２５その地も汚れている。それで、わたしはその地をその咎のゆえに罰し、その地はそこに住む者を
吐き出す。
２８あなたがたがその地を汚し、その地が、あなたがたより前にいた異邦の民を吐き出したように、あなたがたを
吐き出すことのないようにするためである。
２８節はバビロン捕囚のことに似ています。イスラエル民は神の警告通りなってしまいました。神は罪人を赦すことが出来ないので、吐き出してしまいます。29−31節の罪人を吐き出してしまいます。
神様は罪人を赦すことは不可能です。私たちも誰かを赦すことが不可能ですが、それに比べると神様が罪人を赦すことがはるかに難しい不可能なことです。
聖なる神は罪の人間を赦すことがこんなに不可能なのに、
「どうして罪人を赦すことが出来たのでしょうか」
「どうやって罪人を赦すことが出来たのでしょうか」
聖なる神が「どうして」罪人を赦すことが出来るのか。神の愛の故です。聖なる神が「どうやって」罪人を赦したのか。イエス様の十字架です。十字架の上で神の徹底したさばきがありました。聖なる神が罪をさばかれる、愛なる神が罪人をあわれまれ、赦す。これらの完全に矛盾する二つを同時に満足させるのがイエス様の贖いです。
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