2022年7月17日

創世記　13章5〜13節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 将来を左右する選択 ＞


　今日の聖書に出てくるアブラハムとロトは神様の祝福がありまして、金持ちになりました。しかし、皮肉な事に、お金持ちになった二つの家族は一緒に暮らせなくなりました。親戚同士が傷つけることになりました。親戚が争うよりは別れた方が良いと思い、決別することになりました。彼らは目を上げてこれから別々に暮らせるところを選ぶことにしました。アブラハムは年長者なのにもかかわらず、選択権をロトに譲りました。ロトが右を選んだらアブラハムは左になります。ロトが左を選んだらアブラハムは右になります。二人が選んだ選択によって彼らの未来は正反対になりました。アブラハムはずっと豊かな生活でしたが、ロトは全部失ってしまいました。一つの選択がもたらした結果です。私たちにもアブラハムとロトのような選択の瞬間が来ます。その際、私たちの選択はどうなるのでしょうか？　今日はアブラハムとロトの選択から大事な事を教えてもらいたいです。


１．ロトの選択
　ロトはアブラハムの甥です。アブラハムと共に故郷から離れて、カナン地に来ました。いつも二つの家族は一緒でした。二つの家族は互いに慰めとなりました。ところが、互いに財産がふえましてこれ以上は一緒に暮らせなくなりました。特に羊とか、牛が増えましたので、別れるしかありませんでした。ロトはアブラハムの提案によってこれから新しい住居を探す為に全土地を見渡しました。アブラハムには申し訳ない事ですが、将来の事を計算しながら東、西、南、北を眺めました。彼の目に家畜を飼うために、条件が揃っている良いところが目に入りました。

　羊や牛など家畜が多いのでまず、水と草が豊富なところがほしいです。もう一つはこれから安定した生活のために大都市から近いところならなおさらです。そこがソドムでした。一般人からすればロトは賢い選択をしました。全部が正しい判断のように見えます。不安定なカナン地を選ぶ人は一人もいないと思います。カナン地は草も水も豊富ではないし、いつも危険があるところでした。生活の条件が悪いところをわざと選ぶ人は誰もいないと思います。１００人のうち１００人全部がソドムを選ぶと思います。AIに分析を頼みますと１００％ソドムだと答えを出してくれるでしょう。誰が見てもロトは正しい判断をしました。それなのになぜ彼の人生は駄目になってしまったのでしょうか？　家族を失って、妻も、財産もなくなって、娘たちは不幸になりました。その理由は何でしょうか？

　彼には神様の約束のみことばがなかったわけです。神様のみことばに基づいている判断できる基準が彼にはなかったわけです。選択の瞬間になるとこれが利益になるか、損になるかは分かっています。

　しかし、神様のみ旨に正しいことか、正しくないことかに関しては分かっていません。主が喜ばれる事か、喜ばれる事ではないかに関しては分かっていません。判断基準になれるみことばがありませんでした。その理由で彼なりには賢明に判断しましたが、全てが間違いでした。

　クリスチャンは頭が賢いか、悪いかで成功が決まるのではなりません。神さまのみ言葉を信じて最後まで守り通す人が成功します。人間の細かい計算によれば、ソドムが良さそうですが、実はみことばを信じてカナン地にとどまったアブラハムが祝福されたわけです。ロトは今日のみことばのところだけではなく、続けて選択せざるを得ない状況にぶつかりました。けれども残念ながら彼はその後も、誤った選択ばかりでした。彼なりには綿密な計算による賢い選択でしたが、全部失敗で終わりました。選択の判断基準がみことばではなくてその都度、その都度の状況を見て、頭で計算して決めたわけです。彼には五つくらいの大事な選択の瞬間がありました。

１）アブラハムと共に暮らすか、別れるか。
２）ソドムを選ぶか、カナンを選ぶか。
３）ソドム城の外で暮らすか、城の内で暮らすか。
４）ソドム城に留まるべきか、離れるべきか、
５）ソドムの滅亡の後、アブラハムのところに帰る事も可能だったのに。

　ロトは彼自身が選んだ未来の責任を取らざるを得ません。ロトに取って最善の選択はいつまでもアブラハムから離れないことだったと思います。しばらくの間、離れたとしても全てがおかしくならないうちにアブラハムのところに戻って来たら悲惨な人生にはならなかったと思います。彼はアブラハムのところに戻って来られるチャンスが何回もありました。

１４章　捕虜になった時、アブラハムが救い出したことがあります。
１９章　ソドムが滅びるとき
私たちが祝福される方法は二つあります。一つはアブラハムのように神様の約束のみことばを持つことです。神のみことばが生きる間、選択の時、明快な判断基準になります。

　もう一つのことは約束のみことばがない人はアブラハムのような祝福された神様の人のところにくっついていることです。ロトはアブラハムから離れたことが間違いでした。アブラハムから離れる瞬間、祝福も離れてしまいました。


２．アブラハムの選択
　人間的な面から見るとアブラハムの選択は愚かに見えます。計算が出来ない人のように見えます。将来の対策もありません。羊や牛、ラクダのような家畜の為には水や草が要ります。安全の為には城も必要です。ところが、アブラハムは何か物事を決めるとき、状況や環境よりはみことばを第一にしました。彼にははっきりとした神様の約束のみことばがありました。「カナン地をあなたとあなたの子孫に与えよう」　彼は全ての物事をこの約束のみ言葉によって決めました。

　この約束が成し遂げられるまで、カナン地を離れてはいけません。ある年はあまりにも農作物が駄目になりましたので、しばらくエジプトに移した事もあります。しかし、すぐカナン地に戻って来ました。神さまから与えられますから土地を購入することもしませんでした。土地を買って城を作ることもしませんでした。その理由で彼はいつも天幕生活でした。暑いところで天幕の生活がどのくらい大変な事なのか想像できます。特に女性にはどのくらい不便なことでしょうか？　天幕生活はカナン地では非常に危ないことです。いつ敵が攻めて来るか分かりません。ロトはこのような生活が嫌だったかも知りません。ロトには神さまのみことばがないので、このような生活に耐えられませんでした。約束があるアブラハムに取っては意味ある苦労でしたが、約束がないロトにとっては虚しい苦労でした。

　アブラハムの目にも確かにエデンの園のような麗しいソドムが見えました。しかし、神様の約束のみことばがある限り、カナン地から離れてソドムに行くわけにはいきません。もしかして、ロトが先にカナン地を選んだので、アブラハムがソドムに行ったとしても彼はすぐ帰って来たと思います。

　私たちはアブラハムのように人生の明確な基準になれる神のみことばを持っていますか？　神様の約束のみことばを信じて最後まで堪え忍ぶ人にはいつか必ず、成功します。人間的にはいくら素晴らしく見える道でも、または正しく見える道でも神様のみことばにもう一度確かめる必要があります。

箴言１４：１２「人の目にはまっすぐに見えるが、その終わりが死となる道がある。」
人の判断では１００％間違いがない道のように見えますが、間違っているかも知りません。私の選択は神さまが喜ばれる道なのか、主の御旨に叶うものなのか、もう一度確かめる信仰の余裕が必要です。


３．我らの選択
　私たちにもアブラハムとロトのような選択の時間が来ます。青年たちの場合はこれから重要な人生の選択をしなければなりません。結婚、仕事、将来のvision、生き方、価値観、その選択によって人生が決まります。

　人生の選択と言うものは青年だけのものではありません。年配の方も人生の大事な選択の瞬間をこれから迎えます。まさに最後の選択なので、取り返すことも出来ないことです。

　私たちはアブラハムとロトのように選択の場に立ちます。ある時は願ってもいないのに立たされるときもあります。霊的に鈍感になっているとき、人生がうまくいかないとき、全ての事に自信がない時、選択すること自体が辛いのに、それでも選択せざるを得ない時もあります。

　人生の選択は頭の良さで決まるのではありません。信仰と勇気によって決まります。私たちに選択の瞬間が近づいたら十分状況を考慮することも大事です。全ての情報を予め収集しておくことも良いことです。しかし、選択の瞬間になりましたら目を閉じて、祈りましょうか？　目を開けているとこの世の価値基準が目に入って来るので、正しい判断になりません。天を向いて目を閉じて祈って下さい。神様の基準が浮かび上がるまで、明確な神様のみことばが現れるまで、主が道を教えて下さるまで、祈って下さい。目を閉じて祈っているとき、神さまが自然に導いて下さいます。ところで、私たちの未来は本当に現在の選択だけで決まるのでしょうか？　ロトが単純に選択を間違ったので、不幸になったのでしょうか？　創世記を見るとアブラハムも何回も間違った選択をしました。しかし、アブラハムが間違った選択をしても神さまは後で修正してくださいました。神さまが修正なさるときはアブラハムも間違いを認め、聞き入れました。やはり何かを選ぶ選択は賢さの問題よりは信仰の問題です。私たちはAIでもないし、どうやって分析して賢く選ぶことが出来るのでしょうか？　AIの選択は全部正しいでしょうか？　私たちは主に委ねて、神を信じて選ぶしかありません。私たちが選ぶと主が導いて下さいます。仮に間違った選択をしても、主は修正してくださいます。私たちはいつでも修正できる信仰を持っています。修正することは自分の選択が間違ったことを認める恥ずかしいことです。しかし、良い信仰者は恥ずかしくなることをそんなに気にしません。間違ったら主の導きに従って修正すれば良いです。私たちは信仰によって選択しますので、失敗のプレッシャーも少ないです。選択が間違ったら、修正すれば良いです。主が導いて下さり、助けて下さいます。

　選択の時、間違いを減らす方法があります。主ために、人々の利益となるように、あまり無理して選ばないように、最善の選択でも間違っている可能性はあると認めることです。これから私たちは人生の大事ないくつかのことを信仰によって選んでいきましょうか？



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