2022年5月29日

マタイの福音書　4章19〜22節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 救いのイメージ言葉５：先生と弟子 ＞


　現代人は家庭よりは外で過ごす時間が長いです。大人は職場で、学生は学校で過ごす時間が長いです。家族と話す時間よりは友達、同僚と話す時間が長いです。子どもたちは親の影響よりは学校の先生や友達、部活の先輩の影響が大きいです。良い先生、良い友達に出会えば良い影響を受けます。悪い先生、悪い友達に出会えば悪い影響を受けます。学生の皆様は今年度、良い先生に出会いましたか？　私は子どもたちのために祈る時、良い先生、良い友達との出会いがありますようにと祈ることが多いです。良い先生に出会うことは大事なことだからです。ここで申し上げている先生は学校の先生だけではありません。私たちにとって先生の役割をしてくれた人は誰でも先生です。

　このように私たちにとって良い先生に出会うことは大事です。しかし、先生と弟子の関係は今まで見てきた親子関係や夫婦関係よりは大事ではないかなと思います。それなのに、イエス様は私たちとの関係を分かりやすく説明するために先生と弟子の関係で説明して下さいました。

　５月はずっと救いのイメージ言葉を見てきました。第一週は王と民でした。国と関係するイメージです。第二週は親と子どもでした。家族と関係するイメージです。第三週は夫と妻でした。これも家族と関係するイメージです。第四週は羊飼いと羊でした。これは職場、職業と関係するイメージです。今日は先生と弟子です。これは学校と関係するイメージです。私たちにとってイエス様の弟子となることは何でしょうか？


１．先生から選ばれた弟子
　イエス様の弟子たちは数多くの中から特別に選ばれた人たちでした。元々有名な人ではありません。とても平凡な人でした。ある弟子は平凡にもならない人でした。マタイは税金取りで皆に嫌われる人でした。全く注目されない人たちを弟子として召してくださいました。

ヨハネ１５：１６
「１６ あなたがたがわたしを選んだのではなく、わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命しました・・」
私たちもイエス様の弟子たちと同じく、永遠の前から選ばれました。

エペソ１：４−５
「すなわち神は、世界の基が据えられる前から、この方にあって私たちを選び・・」
「神は、・・私たちをイエス・キリストによってご自分の子にしようと、愛をもってあらかじめ定めておられました」

　キリスト者がほとんどいないこの日本で私たちも弟子として召されました。なぜ、私のようなものが救われたのか未だに理由すら分かりません。皆様はなぜ、イエス様に選ばれたと思いますか？　その理由を考えてみましたか？　ただただ、感謝しかありません。イエス様が私たちを選んでくださいましたので、責任を取ってくださいます。私は主から直接助けてくださることを期待しています。


２．新たな神の家族になること
　イエス様の弟子になることは新しい神の家族になることです。単なる先生、弟子の関係ではなく、新しい神の家族となります。肉親の両親や家族から離れて、霊的に生まれた家族の一人となります。子どもが成長するといつかは父と母を離れます。
創世記２：２４
「それゆえ、男は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となるのである」

　子どもは本能的に何があろうとも親から離れようとしません。その子どもが成長して、自分の意志で親から離れようとする時が来ます。愛する人が出来たからです。親よりも愛する人が出来たので、今まで命のように大事にしていた親から離れます。そして、二人は結婚して一体となります。そして、新たな家庭を作ります。新たな家庭は何よりも大事なものです。

　ところが、こんなに大事な家庭でさえ捨てることがありました。イエス様の弟子たちがそうしました。弟子たちはイエス様と神の家族となりました。

マタイ４：１９−２２
１９ イエスは彼らに言われた。「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。」
２０ 彼らはすぐに網を捨ててイエスに従った。
２１ イエスは・・別の二人の兄弟、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、父ゼベダイと一緒に舟の中で網を繕って（つくろ）いるのを見ると、二人をお呼びになった。
２２ 彼らはすぐに舟と父親を残してイエスに従った。

　ペテロは結婚していて、妻がいました。家族を支えるために毎日熱心に仕事をしていました。ペテロにとって家族が彼の全部でした。しかし、イエス様がれてから、優先順位が変わりました。

　ヤコブとヨハネは父と一緒の漁師の仕事をしていました。二人の兄弟の第一優先順位は父であり、仕事できる舟でした。しかし、イエス様の召しを受けて彼らは全部後に残してイエス様について行きました。
２０節「すぐに網を捨てました。」
２２節「すぐに舟と父親を残しました。」
彼らにとって夫婦関係よりも、親子関係よりも大事な関係が現れました。イエス様と先生、弟子の関係になることで、新しい神の家族になりました。

　夫婦関係、親子関係、家族関係は私たちの命のように大事ですが、しかし、命そのものではありません。あくまでも命のように大事なものです。しかし、イエス様は私たちの命そのものです。私の命は天の神から授かったものです。私たちをこの地に送られ、命をくださいました命の主が弟子として召してくださる時は何よりも優先します。

　今まで命のように大事にしてきた弟子たちは真の命であるイエス様に出会いました。そして、父と母、妻と子どもを後に残して、舟を捨て、イエス様について行きました。新しい神の家族になりました。その後、残しておいた家族も神の家族となりました。信仰は今まで命のように大事にしていたものからいったん離れ、神の家族になって、新しい神の家族に結ばれることです。子どもが父母を離れ、新しい家族を作る。その新しい家族を捨てて、神の家族となる。

　ここで父母を離れる、家族を捨てることを誤解してはいけません。父母から離れることが親と縁を切ることではありません。家族を捨てることが、家族と絶縁することではありません。新しく神の家族に加わることの優先順位を言っています。

　 残された親から見れば裏切られた気分でしょう。今まで育ててあげたのに、神から召命を受けたからと言ってすぐイエス様について行ってしまうと子どもを奪われた気分になると思います。しかし、厳密に言えば私たちの家族との関係はあくまでも期限があります。いつかは離れるようになっています。その期限は私たちが考えているよりは以外は早いです。子どもは二十歳になったらだんだん離れていきます。私たちの人間関係はすべて期限があります。イエス様と私たちの関係だけが永遠に続きます。私たちがこの地上に生きている間、イエス様と私たちは先生と弟子の関係です。イエス様は良い先生なので、聖霊様を通して私たちの未来を導いて下さいます。私たちの未来はどうなるのでしょうか?　先生であるイエス様の導きが楽しみです。



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