2022年5月8日

マタイの福音書　6章26、30、32節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 救いのイメージ言葉２：父 (母) と子ども ＞


　神と私たちとの関係を分かりやすく説明するために聖書が用いているイメージがいくつかありました。その中で、やはり一番多いのは家族関係のことばです。夫婦関係、親子関係、主人と僕の関係
誰でも一番理解しやすいからだと思います。その中で今日は親子関係です。今日は特に母の日ですが、子どもを育てることにおいては父と母は同じ役割をします。聖書は父なる神さまですが、その役割は母と同じです。


１．子どもを養う父（母）
　聖書を見ると天の父なる神様は子どもたちを養うお父様のイメージです。主の祈りをみますと「天にまします我らの父よ」。
神を父と呼んでいる宗教はキリスト教しかありません。天のお父様が愛する子どもたちのために毎日必要なものをくださいます。「我らの日用の糧を　今日も与えたまえ」

天の父なる神は人間が造られた最初の時から、食べ物を備えて下さいました。
創世記１：２９
「神は仰せられた。「見よ。わたしは、地の全面にある、種のできるすべての草と、種の入った実のあるすべての木を、今あなたがたに与える。あなたがたにとってそれは食物となる」

天の父なる神は旧約聖書で孤児のお父さんのイメージです。

申命記１０：１８
「みなしごや、やもめのためにさばきを行い、寄留者を愛して、これに食物と衣服を与えられる」

みなしご、やもめ、寄留者の共通点は基本生活ができる基盤がない人たちです。あえて言えば天の父なる神が生活の基盤です。一日の食べ物、着るもの、寝る場所を求めている彼らに天の父なる神がくださいます。天の父なる神がお父様として、子どもたちにこれらを備えて下さいます。

マタイ６：２６，３０，３２
２６ 空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。それでも、あなたがたの天の父は養っていてくださいます。あなたがたはその鳥よりも、ずっと価値があるではありませんか
３０ 今日あっても明日は炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこのように装ってくださるのなら、あなたがたには、もっと良くしてくださらないでしょうか。信仰の薄い人たちよ。
３２ これらのものはすべて、異邦人が切に求めているものです。あなたがたにこれらのものすべてが必要であることは、あなたがたの天の父が知っておられます。

　異邦人はこれらのものを切に求めているそうです。残念ながら天の父なる神を信じている私たちも切に求めています。「これからどうやって生活するか」。私たちの生涯の課題でした。そして、疲れてしまいました。しかし、それでもあきらめることも出来ません。

　若い世代の皆様の頭から消えない未来の課題です。不安になる度に神に祈って下さい。「我らの日用の糧を　今日も与えたまえ」。祈りであり、信仰告白です。


２．子どもを捨てない父（母）
ヨハネ１４：１８
わたしは、あなたがたを捨てて孤児にはしません。あなたがたのところに戻って来ます。

イザヤ４９：１５
「女が自分の乳飲み子を忘れるだろうか。自分の胎の子をあわれまないだろうか。たとえ女たちが忘れても、このわたしは、あなたを忘れない。

　お母さんは寝ている間、無意識の中でも、子どもが寒くならないように抱きしめます。だから、子どももその絶対的な愛を分かっています。母が私を見捨てないことを。乳飲み子を忘れる母がいるのでしょうか？　寝ている無意識の中でも、子どもの安全を本能的に守っています。しかし、それでも、色々の理由で子どもを守れない母もいます。

　自分の命をかけて生んだ胎の子をあわれまない母がいるのでしょうか？　しかし、たまには自分が生んだ子どもをあわれまない母もいます。しかし、天の父なる神様は子どもである私たちを忘れることがありません。危険から守ってくださいます。父なる神から見捨てられることはありません。この信仰から絶対的な安心感が生まれます。私たちにこの安心感が必要です。

　信徒の皆様、心が不安になる時、このみ言葉を思い起こしてください。「たとえ女たちが忘れても、このわたしは、あなたを忘れない」。


３．父を裏切る子ども
　天の父なる神は子どもである私たちを養ってくださいますが、子どもである私たちは天の父なる神を裏切る時があります。

　カナン地に到着したイスラエル民は神様から頂いた土地で、神様から頂いた収穫のものを神様にささげるのではなくて、他の偶像にささげました。神から頂いた祝福を人々と分かち合うのではなくて、逆に貧しい人から奪いました。神が彼らを養ってくださったのに、彼らは神を背きました。預言者たちが彼らの罪を指摘しました。

イザヤ１：２
２ 天よ、聞け。地も耳を傾けよ。主が語られるからだ。「子どもたちはわたしが育てて、大きくした。　　しかし、彼らはわたしに背いた。

マラキ１：６
「子は父を、しもべはその主人を敬う。しかし、もし、わたしが父であるなら、どこに、わたしへの尊敬があるのか。もし、わたしが主人であるなら、どこに、わたしへの恐れがあるのか・・

　天の父なる神は子どもたちである私たちを愛してくださいましたのに、子どもは簡単に裏切ることが多いです。他の人間関係であるなら、一度裏切ったら関係終わりです。夫婦関係も一度裏切ったら終わりになるでしょう。

　しかし、親子関係は切るにもきれない関係です。親の方から親子関係を断ち切ることは出来ません。子どもが親を裏切るので、親子関係が切れるはずですが、親が最後まで子どもを見捨てなければ関係は続きます。


４．福音によって生まれた神の子どもたち
　私たちは天の父なる神様を裏切りましたが、天の父なる神様が私たちを捨てないので、私たちは救われます。私たちは神に不義ですが、神が正義のお方なので、そのおかげで救われます。私たちがきよいのか、きよくないのかよりは天の父なる神が私たちを最後、見捨てるのか、見捨てないのかが大事です。

　イエス様は神の子です。私たちは神の子どもたちです。天の父なる神は神の子どもたちを救われるために、神の子を十字架に捨てました。そこまで代価を払って救われた神の子どもたちを簡単にあきらめることはありません。

　今日は救いのイメージ言葉として家族関係のことばを説明させて頂きました。父、母、子ども　皆様が持っておられる父、母、子どものイメージいかがでしょうか？　不完全だと思います。ある方は父のイメージが悪い、ある方は母のイメージが悪い。ある方は子どもとのイメージがない。

　この地上の父、母、子どもは皆罪人です。ですがら、救いのイメージ言葉なのに、ピンと来ないこともあれば、逆効果もあるかも知れません。しかし、それでも、他のことばよりは、他のイメージよりは私たちの救いを説明する言葉ではないかと思います。イメージのことばはこれだけではないので、もうしばらく続けましょう。皆様には個人的にどのイメージ言葉が好きですか？



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