2021年12月24日

ルカの福音書　2章7節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ ゼロからのスタート ＞


　一人の子どもが生まれようとすると両親は色々のものを準備します。どこで出産するか、病院を決めます。お医者先生と事前に色々の話をします。色々決められることは決めておきます。家には赤ちゃん用のベットも準備しておきます。服も買っておきます。おもちゃまで備えておきます。万全の準備をしておきます。国も役所も出来る限り、サポートします。少子化時代なので、国を挙げて経済的に、医療面で応援しています。

　さて、イエス様がお生まれになった時、両親であるヨセフとマリアは何の準備も出来ていませんでした。

　赤ちゃんが今にでも生まれようとしているのに、何の準備も出来ていません。まず、部屋が備えられていません。

　部屋がないのに、マリアがどこで赤ちゃんを産みますか？　部屋がないので、馬小屋で生みました。

　生まれたとたん、赤ちゃんの体を洗える水もない。へその緒を切るはさみもない。小さい体を覆うことの出来る柔らかい毛布も備えられていません。ですから、荒い布です。

　寝かせるベットも備えていません。ですから、飼葉桶です。


　安全も備えられていません。生まれたばかりの赤ちゃんを殺そうしているヘロデがいました。ですから、夜逃げするしかありません。イエス様は何も備えられていないところで生まれました。イエス様は言わば何もないゼロからのスタートでした。親であるヨセフとマリアは親として無責任です。無責任ではありますが、彼らを責めることは出来ません。彼らの限界です。いくら良い親でも人間なので、限界があります。彼らも神様に従おうとして精一杯頑張った結果がこれしか出来ませんでした。親として予め、予測して、備えておけば良いですが、人間の限界を超えてしまうと何も出来ません。人間の限界を超えてしまっているのに、そこに親の責任とか、言えません。親として、人間として責任を果たしたいですが、能力を超えてしまったら、どうなります？　皆様だったらどうなさいますか？　限界を超えたら何も出来ることはありません。すべてをあきらめますか？　人生をあきらめますか。子どもをあきらめますか？

　ヨセフとマリアが備えることの出来なかったものを真の父である神が備えられました。イエス様はゼロからスタートしましたが、親の代わりに全能の父なる神が必要なものを、必要な時、必要な分、備えて下さいました。

　イエス様がお生まれになった時、家はありませんでしたが、馬小屋を備えられました。道端でお生まれになったわけではありません。柔らか毛布はありませんが、荒い布を備えられました。ベットはありませんが、飼葉桶を備えられました。

　大いに喜んでくれる人たちを備えました。羊飼いが大いに喜びました。

　遠い国からもお祝いに来ました。東からの博士たちが遠いところから、長い時間をかけて、わざわざと来ました。イエス様が危険から逃れ、安全に避難生活できるように資金となるものを備えられました。これらの人々、これらのお祝いもの、ヨセフとマリアが備えたものではありません。天の父なる神様が自ら備えられました。

　そして、博士の登場のために長い時間をかけて備えられました。お金も長い逃亡生活が出来るように十分備えて下さいました。イエス様はゼロからのスタートでした。しかし、その都度、父なる神様が必要なものを、必要な時、必要な分、備えて下さいました。

　私たちの人生はどこからスタートしましたか？　イエス様みたいにゼロからスタートされた方はいますか？　博士たちがエルサレムの宮殿で新しく生まれたばかりの王様を探していました。宮殿で生まれる王子はすべてが備えられているところから人生がスタートします。

　この世では確かにどこから人生がスタートするのかが大事です。なんでもかんでも用意してくれる親がいれば確かに頼もしいです。自ら備えるよりは成功するための時間の節約が出来ます。

　しかし、イエス様を信じている私たちはゼロからスタートしても大丈夫です。なぜなら、父なる神様が全能の力と御業によって、その都度、満たして下さるからです。

　部屋がなくて、馬小屋でも良いじゃないですか？　神が共におられるからです。

　柔らかい毛布はなくて、荒布でも良いじゃないですか？　神の御手に覆われています。

　ベットがなくて、飼葉桶で良いじゃないですか？　神の御手に守られています。

　大事なのはどこからスタートしたのかではありません。人生の最後に何を残したのかです。イエス様はゼロからスタートしましたが、私たちに永遠の命を下さいました。イエス様のスタートはゼロなので、誕生の物語もとても短いです。何も物語れるものがないので、誕生日に関する記述も7節だけです。聖書はイエス様の誕生の物語にはほとんど省略して、イエス様が何を残されたのかに関する、十字架のお話が長いです。

　私達の中にもゼロからスタートされた方がおられると思います。生まれた時から、ゼロの方もいます。人生がうまく行かなくて、無理やりに再スタートせざるを得ないこともあります。自らの決心により再スタートする人もいます。

　自分自身は家内と1998年に日本に来ました。今になってみるとその時が人生の再スタートだったような気がします。主なる神がその都度、必要なものを必要な時、必要な分、備えて下さいました。今は満たされているので、主に感謝しています。そして、今までの恵みを人々に分け与えられたら良いなと願っています。

　私たちの人生のスタートは色々、様々ですが、大事なのは最後何を残すかです。私たちはイエス様に習いたいです。マルコ１０：４５「人の子も・・多くの人のための贖いの代価として、自分のいのちを与えるために来たのです。」

　 人々のために、小さいことでも良いことをしたいです。最後まで自己中心的に生きると美しい人生ではありません。最後までお金ばかり執着すると美しい人生ではありません。



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