2021年10月3日礼拝

2021年10月3日

ヨハネの福音書　16章33節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜十字架の凱歌＞

　凱歌と言う意味は戦争で勝利した兵士を迎え入れる時、歌う歌です。十字架の凱歌はイエス様が十字架で勝利したことを意味します。

１．十字架の上で悲惨な死がなぜ、勝利なのか。
　イエス様の十字架の死に方は確かに悲惨でした。誰がみてもイエス様の完敗です。それなのに、イエス様ご本人は十字架の前日からすでに勝利の宣言をなさいました。

ヨハネ１６：３３
「これらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を得るためです。世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました。」

　まだ、十字架を背負われる前なのに、すでに勝利宣言をされました。まるで、勝利はすでに確定して、十字架の上で凱歌を歌うだけ残っているかのような感じです。

２．何から、誰からの勝利なのか。
（１）罪と死からの勝利
イエス様には多くの誘惑がありました。特に十字架の前日と十字架の当日にはクライマックスに達しました。十字架の前日はゲッセマネの園で恐怖による誘惑がありました。

マルコ１４：３３－３６
「３３イエスは深く悩み、もだえ始め、
「３４わたしは悲しみのあまり死ぬほどです」
３５それからイエスは少し進んで行って、地面にひれ伏し、できることなら、この時が自分から過ぎ去るようにと祈られた。
３６そしてこう言われた。「アバ、父よ、あなたは何でもおできになります。どうか、この杯をわたしから取り去ってください。しかし、わたしの望むことではなく、あなたがお望みになることが行われますように。」

　ヨハネの福音書には十字架の目前に震えるイエス様の姿はありません。堂々と前進する勝利のイエス様の姿のみですが、マルコの福音書には恐怖の前に震えるイエス様の姿があります。どちらが本当でしょうか?

　どちらもイエス様の真実な姿です。イエス様も私たちと同じ体を持っていますので、恐怖の前で震えるのは当然です。恐怖を感じると人間の体は自然に震えます。

　しかし、大事なのは恐怖に震えることはありますが、屈することはありません。恐怖に屈することは誘惑に負けることです。イエス様は罪に打ち勝ちました。イエス様は恐怖を信仰によって乗り越える模範を見せて下さいました。

　私たちにもイエス様ほどではありませんが、心配もあり、恐怖もあります。恐れを感じると人間は妥協したくなります。罪と妥協する道もありますが、一度罪と妥協してしまうといつまでも罪の奴隷になってますます大きな恐怖に追い込まれることになります。一度、不正のものを受け取ったら、不義に拒否できなくなります。最初の罪の誘惑に妥協せず、拒否すれば勇気が出てきます。

　イエス様が十字架の上で死に、復活によって死に打ち勝ちました。
へブル２：１５
「死の恐怖によって一生涯奴隷としてつながれていた人々を解放するためでした」。

　イエス様が最初死に打ち勝ちましたので、私たちも同じく死の恐れから解放されました。人類は死の恐怖によって支配されてきましたが、イエス様の復活の後、解放されました。キリスト者にとって死は地上の生涯の終わりですが、天国の始まりでもあります。キリスト者には天国の入口が死です。パウロは死の死亡宣言をしました。

Iコリント１５：５５、５７
「５５死よ、おまえの勝利はどこにあるのか。死よ、おまえのとげはどこにあるのか。」
「５７しかし、神に感謝します。神は、私たちの主イエス・キリストによって、私たちに勝利を与えてくださいました」

　私たちの中で誰一人、死を経験したことはありません。ですから、私たちの最後の瞬間、いかなる態度をとるか良くわかりません。願わくは笑顔で神の御国に入りたいです。喜びの凱歌のうちに天国に入りたいです。私たちは天国に入るその日まで長く祈りましょう。そうすれば恵み深い神様が私たちにご褒美をくださるでしょう。笑顔と賛美のうちに天国に凱旋できるように導いて下さいます。そのためにはこの地上においてしっかり信仰を保ち続けましょう。信仰の確信が最後の瞬間、私たちに安らぎと笑顔をくれます。

（２）サタンからの勝利
　私たちが罪を犯し続けている理由は、単に私たちの意思が弱いからではありません。罪の誘惑に弱い人をサタンがずる賢く利用しているからです。私たちはとても長い間、サタンの誘惑によって同じパターンで負け続けています。今も負け続けている弱さがあります。

　確かに私たちが罪を犯している理由を全部サタンのせいにしてはいけません。何でもサタンのせいにして、私たちの犯罪から逃れようとしている団体がありますが、それらの団体は聖書的ではありません。私たちが罪を犯している第一の責任は確かに私たち自身にあります。

　しかし、第二の責任はサタンにあります。私たちはイエス様の十字架の血潮によってきよめられました。そして、イエス様にとても感謝しています。これ以上は罪の奴隷になりたくありません。私たちは昔の罪が嫌です。

　しかし、残念ながらそれでも、未だに同じ罪を繰り返しています。なぜ、私たちはとても嫌がっている罪を未だに続けているのでしょうか?　単に私たちの意思が弱いからではありません。単に私たちの信仰が弱いからでもありません。私たちがまだ救われていないからでもありません。私たちは力強いサタンの攻撃に勝てません。私たちの相手は霊的な存在です。

エペソ６：１２
「私たちの格闘は血肉に対するものではなく、支配、力、この暗闇の世界の支配者たち、また天上にいるもろもろの悪霊に対するものです」

　肉体の私たちが霊的な存在にどうやって勝てますか？　サタンは私たちよりもはるかに強いので、私たちを罪の虜にしています。人間の弱い意志でサタンに打ち勝つことは出来ません。ですから、イエス様が私たちをサタンの手から救い出してくださいました。そして、これからも救い出してくださいます。

へブル２：１４
「そういうわけで、子たちがみな血と肉を持っているので、イエスもまた同じように、それらのものをお持ちになりました。それは、死の力を持つ者、すなわち、悪魔をご自分の死によって滅ぼし」

ヨハネの手紙第一３：８
「罪を犯している者は、悪魔から出た者です。悪魔は初めから罪を犯しているからです。その悪魔のわざを打ち破るために、神の御子が現れました」

　サタンはイエス様に何回か負けました。一回目は４０日の断食の後、イエス様を誘惑しましたが、イエス様はその誘惑に負けませんでした。サタンが初めて、人間に負けた瞬間です。

　二回目はイエス様が７０人の弟子たちを伝道のために派遣され、彼らが勝利の報告をした時です。
ルカ１０：１７－１８
「１７さて、七十二人が喜んで帰って来て言った。「主よ。あなたの御名を用いると、悪霊どもでさえ私たちに服従します。」
１８イエスは彼らに言われた。「サタンが稲妻のように天から落ちるのを、わたしは見ました。」

　三回目は十字架の上で、イエス様が十字架の上で息が絶えられた時、サタンは凱歌を歌ったかも知れませんが、天の軍勢はイエス様の復活と共に勝利の凱歌を歌いました。

　サタンは今も私たちを苦しめています。すでに救われているので、どうすることも出来ませんが、少なくともこの地上においては神の子どもらしく暮らせないように邪魔をしています。私たちが幸せにならないように、私たちが幸せになれないように邪魔をします。罪を犯すと神がくださる平和と平安がなくなるので、幸せになれません。神の国のために何の働きも出来ないように邪魔をしています。

　私たちは自分の弱さを認め、聖霊の導きに従って行けば勝利は私たちのものです。イエス様の勝利がすでに私たちの勝利です。すでに勝利していることを信じて、胸を張って神の子どもらしく生活しましょう。勝利の主が私たちと共におられます。

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