2021年8月15日

創世記　13章5～11節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 土地は誰のもの２ ＞


　アブラハムとロトの間に問題が起こりました。二人はどうやってこの問題を解決するのでしょうか？


１．多くの財産、狭い土地
　アブラハムは神の約束に従って、親戚を離れ、カナン地に来ました。しかし、大変な飢饉がありましたので、食料を求めてしばらくエジプトに行きました。そして、再びエジプトを出て、カナン地に戻りました。アブラハム、妻のサラ、ロトの家族です。アブラハムには家畜と銀と金が非常に豊かにありました。アブラハムと一緒に暮らしていたロトも羊の群れや牛の群れ、天幕を所有していました。アブラハムとロトの直系家族はわずか10人にもなりませんが、働き人が多いです。千単位の人数だから家族よりはアブラハム部族です。創世記14章などを見ると小さい国と戦争までしていたので、小さい国とも言える人口です。

しかし、土地が狭いです。
６節 「その地は、彼らが一緒に住むのに十分ではなかった。所有するものが多すぎて、一緒に住めなかったのである。」
財産は多いのに、土地は狭い、こうなると一緒に住めなくなります。


２．神の祝福なのに、争いか
　土地が狭くて、一緒に住めなくなるとアブラムの家畜の牧者たちとロトの家畜の牧者たちの間に争いが起こりました。空間が狭いので、争いが起こるのは当たり前ですが、しかし、これはおかしいことです。アブラムは家畜と銀と金を非常に豊かに持っていたことは確かに神の祝福です。ロトも、羊の群れや牛の群れ、天幕を所有していたので、これも神の祝福です。

　二人とも神の大いなる祝福に与りました。二人とも神の祝福がありましたのに、どうして、神様の祝福のせいで、二つの家族に争いが起きるのでしょうか？　神の祝福を受けた二つの家族はどうして、分かれざるを得ないでしょうか？　争いと別れは神の祝福とは言えないのではないでしょうか？　6節を見るとロトには所有するものが多すぎたと書いてありますが、神の祝福が多すぎたのが問題だったでしょうか？　ロトへの祝福が少しだったら分かれなかったのに、多すぎたのが問題でしょうか？　アブラハムへの祝福は確かに神様からの祝福です。アブラハムがどこに行ってアブラハムを祝福して下さいました。カナン地に住んでも、エジプトに行っても、カナン地に戻っても神は彼を祝福してくださいました。神様が彼を祝福なさると何回も約束して下さったからです。

　その反面、ロトはいかがでしょうか？　ロトも多くの羊の群れや牛の群れ、天幕を所有する金持ちでしたが、その祝福はどこから来たのでしょうか？　5節を見るとアブラハムと一緒に暮らしたからです。「アブラムと一緒に来たロトも」
ロトはアブラハムと一緒に生活していたので、大いに祝福されました。アブラハムは神様の祝福の源です。アブラハムが祝福する人は祝福されます。ロトは今までずっとアブラハムと一緒に動きましたので、大いに祝福されました。神の祝福がアブラハムを通して、ロトに来る仕組みになっています。

　ロトがアブラハムから離れると神の祝福は途絶えます。ロトはアブラハムを通して祝福される人です。いつかはロト自身もアブラハムを通さずに、神の約束を頂いて、祝福の源になれると思いますが、まだ、そこまでの信仰ではありません。それなのに、彼はアブラハムから離れてしまいました。


３．祝福の源を離れる
　アブラハムとロトは親類同士なのに、争いが絶えなかったので、仕方なく分かれることにしました。アブラハムが先にロトに提案しました。
９節 「全地はあなたの前にあるではないか。私から別れて行ってくれないか」
彼らはお金持ちだから、どこにも行けます。ロトはお金があるからどこでも買えば彼の土地となります。

　ロトが目を上げてヨルダンの低地全体を見渡しました。まるで主の園のように、またエジプトの地のように、どこもよく潤っていました。ロトは、自分のためにヨルダンの低地全体を選びました。そしてロトは東へ移動しました。徐々にソドムの方に近づき、最後はソドムに土地と家を買って定着しました。

　これ以上天幕生活はしなくても良いです。暑くて、汚くて、不便で、安全ではない天幕を捨てて、都市生活を始めました。天幕生活をするとお金も相当かかります。多くの兵士が要ります。大勢の人が集まっているところで暮らせば、安全が確保されるので、兵士が要りません。ロトは故郷から離れて相当長い年月が過ぎましたが、やっと安定した生活を始めました。しばらくは良かったですが、彼はこれから大変なことになります。なぜなら、彼は何よりも大事な神の祝福の源であるアブラハムから離れたからです。
１１節 「こうして彼らは互いに別れた」。
彼らはここで運命が分かれました。ロトの人生はこれから失うだけです。大勢の人と一緒に暮らすことで安全が確保されると思いましたが、神様からの保護がありません。


４．土地は主からの贈り物
　ロトには神の約束がありませんでした。土地を与えて下さる約束がありませんでした。神の約束がないので、彼自身の価値観で、彼自身の判断で、現状を優先にして決めるしかありません。お金は十分ある、住みやすい場所は目の前に見える、多くの人々も集まっているので、生活基盤が整っていたので、彼はソドムに決めました。神の約束が無ければ100人のうち、100人全員がソドムを決めるはずです。現状を見るとソドムで暮らすのが一番賢明な選択です。

１３節 「ところが、ソドムの人々は邪悪で、主に対して甚だしく罪深い者たちであった」
多くの人が集まっているところには大きな罪もあります。仮に、ロトがアブラハムと一緒にソドムに行ったのであるなら、ロトは大丈夫だったと思います。神の約束の人と一緒に行けば大丈夫です。ロトはアブラハムと一緒にエジプトに行ったときは大丈夫でした。エジプトも相当堕落していたのですが、アブラハムと一緒だったので大丈夫でした。しかし、今回はアブラハムと離れたまま、堕落の都市ソドムに移りました。神様の祝福は断ち切って、逆に堕落の世界に入りました。アブラハムが愚かな人だから長年間天幕生活していたのではありません。お金もたくさんあるのに、どうして、暑くて、不潔で、不安で、住みにくい天幕生活を続けたのでしょうか？　土地を下さると神様の約束を信じたので、不便な生活を耐えていました。お金がないから土地を購入しなかったわけではありません。

　彼は神様が土地を下さるまで待っていました。土地は神様のものだからです。神様の約束を頂いている人に与えられます。

　 その反面、ロトはお金でソドムの土地を購入しました。しかし、結局は彼自身のものになりませんでした。彼はソドムから避難しました。彼は土地も、家も、財産も失い、家族も皆不幸になりました。



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