2021年7月18日

ルカの福音書　9章23節/　マタイの福音書　11章23節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 自分の十字架を背負うとは ＞

　自分自身は今までの十字架を下ろしました。せっかく下ろしたのに、どうしてまた、新しい十字架を背負うのでしょうか？　キリスト者の生涯は終わりまで、日々、自分の十字架を背負い続けることだからです。

　今日、皆様に強調して申し上げたいことは「自分の十字架」です。「十字架を背負って」ではなく、「自分の十字架を背負って」です。自分の十字架なので、私の十字架、あなたの十字架です。一人一人の違う十字架があるかのように感じられます。一人一人の十字架はそれぞれ、違う十字架でしょうか？　同じ十字架だけと担う人が違うことでしょうか？

　ここでイエス様が言っておられる十字架は皆が共通の同じ十字架でしょうか？　一人一人が皆、違う主観的なものでしょうか？　イエス様が弟子たちに共通して与えて下さったものだから同じものだと言えます。しかし、その反面、一人一人の自分の独特な十字架だから主観的なものとも言えます。イエス様が私たちに教えられた十字架は皆共通の客観的なものでしょうか？　私たちが自分勝手に解釈している主観的なものでしょうか？

　私たちは自分の十字架だと勝手に言っているものと、イエス様が言っておられる十字架と何の関係があるのでしょうか？　「自分の十字架」という意味を自分勝手に認識していましたが、今日はイエス様が私に、私たちに下さった本来の十字架を正しく認識してみましょう。


１．イエス様が下さった十字架
　「疲れる重荷」から「主のくびき」に代わります。
マタイ１１：２８－３０
人生の重荷を背負っていると生きることに疲れます。私たちも皆、何かを背負っています。私たちは生きることに疲れています。その重荷を私たちはいわば十字架と言っています。しかし、イエス様がマタイ１１章２８節で教えられた内容はこうです。それぞれの重荷を下ろして、イエス様のくびきを負いなさいです。イエス様の教えによりますと一人一人の重荷は十字架ではありません。イエス様からのくびきが十字架です。イエス様からのくびきはイエス様を信じる生き方です。今までは自分自身を信じて、人生の重荷を背負って疲れ果ててしまった人に、これからはイエス様が下さるくびき、イエス様を信じて生きる生き方への招待です。イエス様を信じる生き方は今までの生き方と違いまして、負いやすくて、軽いです。自分自身が責任者になって疲れてしまった人が、これからはイエス様が私の人生の責任者になること、これが主のくびきであり、主からの十字架です。

ルカ９：２３も同じです。
「だれでもわたしについて来たいと思うなら」なので、イエス様について行きたいと思う人に十字架があります。
イエス様について行きたいと思わない人には十字架もありません。私たちは切実にイエス様について行きたいですか？　自分を含めて、現代のクリスト者は信じることと、イエス様について行くことは分けているように見えます。イエス様は信じますが、そこまで熱心について行きたい気持ちは薄いです。イエス様に一所懸命ついて行きたい気持ちが薄い人には十字架があるはずがないのに、それでも、皆自分の十字架があると認識しています。 実は主からの十字架ではないのに、自分勝手に自分の十字架だと認識しているなら、どうしますか？


２．自分だけの主観的な十字架
　自分の十字架なのかどうか、関係なく、とって耐えられないくらい重たいことは事実です。息できないくらい重たいです。イエス様からの十字架なのか、自分で勝手に十字架だと感じているだけなのか関係ありません。辛いことは辛い、重たいことは重たいです。一番つらいこと、一番重たいことを私たちは本能的に自分の十字架だと認識しています。

　一人一人の生涯が皆違います。私たちの人生そのものが皆、違いまして、とても主観的なものばかりです。親子はDNAがほぼ１00％同じですが、しかし、DNAが同じ親子の間でも、人生は全然違います。親の悩みと子どもの悩みはまるで他人であるかのように全然違います。同じ親のもとで育った兄弟たちの人生も全員違います。同じ教会で、同じ牧師から、同じ十字架のメッセージを聞いている皆様も全員違います。今までの人生、これからの人生が全員違います。現在、背負っていらっしゃる重荷も違います。私たちはイエス様から同じく十字架の戒めを聞きました。そして、楊牧師からルカ９章のメッセージを聞いています。「自分の十字架を背負いなさい」と同じく聞きましたが、その受け止め方が皆違います。私たちの人生は皆、自分勝手に解釈する、とても主観的なものです。ですから、自分の十字架という意味をとても主観的に解釈しても間違いではありません。ですから、自分の十字架だと自分勝手に言っても誰も、それは違いますよと突っ込む人はいません。私たち一人一人の人生は皆、独特です。他の例がないくらいそれぞれの個性があります。

　とても独特な個人的なものなので、人々に言いにくいことがあります。自分だけの秘密にしておいて、恥ずかしいと思い、オープンしません。オープンしないから問題解決も遅くなりました。自分だけの問題だと思い込んでいた主観的な問題はいつか、客観的になっていきます。皆が、大体似ている悩みを持っているから、自分の問題だけが特別ではないと悟ります。最初は公にしたくなかったとしても、ある程度時間が経ったら、客観的なものになっていきます。自分の人生だけの主観的な悩みだと思い込んでいると辛いですが、種類は違うだけで、皆似ている大変な人生だと客観的に考えると気が楽になります。

　皆様の独特な十字架がいつか客観的なものになっていく時、牧師の助けが必要です。牧師の仕事は皆様の主観的な人生の悩みに近づいて、み言葉と聖霊の導きによって、背負いやすい課題に変えることです。それが牧会です。自分の十字架が自分だけの独特なものではなく、皆も似ている種類のものだと思うと気が楽になります。自分は牧師として、皆様の人生の重荷が軽くなるように手助けするのが仕事です。マタイの福音書１１章によりますとイエス様が私たちの人生の重荷を軽くしてくださいました。皆様の重たい人生の重荷をイエス様の十字架のもとに下ろしてください。そして、主が与えて下さる新しい軽い、十字架を背負ってください。新しい十字架はイエス様を信じる信仰の生き方です。本当の信仰の世界に入ると生きやすいです。



　　　　　　　　このペ－ジのTOPへ　　　　前週へ　　　　　翌週へ　　　　　一覧表へ戻る