2021年6月20日

使徒行伝　8章1～4節

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 福音の拡散：エルサレムから全世界へ ＞


　ステパノの死によってエルサレム教会は完全に変わりました。エルサレム教会だけではなく、宣教の歴史が変わりました。ステパノの死によってエルサレム教会が完全に無くなる可能性がありました。反対に、福音が全世界に広がる可能性もありました。エルサレム神殿の宗教指導者たちはエルサレム教会が無くなることを望んで、ステパノを始め、迫害をしました。しかし、神様は全世界に福音を広げるきっかけとなさいました。一人の殉教が宣教の歴史を変えました。

　聖霊降臨日に誕生したエルサレム教会は大きく成長しました。人数も2－3万人になりました。人数も増えましたが、一人一人が霊的にも大きく成長しました。彼らは毎日、神のみ言葉と聖霊によって成長しました。

　そして、信徒同士の交わりによって強くなりました。聖霊降臨日から長い年月が過ぎました。エルサレム教会はこれからどうなるのでしょうか？　そして、エルサレム教会の信徒たちはこれからどうなるのでしょうか？　いよいよ、時代は次の段階に入ろうとしていました。次の時代はステパノの殉教から、いきなり始まりました。

　東京教会はこれから新しい時代を迎えると思います。東京教会もCOVID-19を前後にして変わるでしょう。世界中の多くの教会はコロナ時代が終わったら、深刻な打撃を受けると予測しています。しかし、私たちの教会はコロナを時代が終わると大いに成長することを願っています。そのための下準備をしています。


１．ステパノの殉教
　ユダヤ人の当局はエルサレム教会のことで手を焼いていました。使徒たちを脅かしたのに通じない、拘束しておいたのに、聖霊によって解放される。しかも、大勢の民はキリスト者を褒めていたので、勝手にすることも出来ない。仕方なくて、彼らは汚い方法を使いまして、偽りの証人を立てて、教会の一人を死に陥れました。それがステパノでした。
使徒行伝６：１１「そこで、彼らはある人たちをそそのかして、「私たちは、彼がモーセと神を冒瀆することばを語るのを聞いた」と言わせた。

　いきなり裁判にかけられたステパノは7章で悔い改めを呼び掛けた後、殉教しました。しかし、ステパノが殉教するとき、今までのような神の助けはありませんでした。今までは、聖霊なる神が教会の働き人たちの命を守ってくださいました。
例えば、使徒たちが拘束された時、奇跡的に助かりました。
５：１８－１９
「１８使徒たちに手をかけて捕らえ、彼らを公の留置場に入れた。
１９ところが、夜、主の使いが牢の戸を開け、彼らを連れ出し、」

脅かしもありましたが、通じませんでした。
４：１７「しかし、これ以上民の間に広まらないように、今後だれにもこの名によって語ってはならない、と彼らを脅しておこう。」
５：４０「 使徒たちを呼び入れて、むちで打ち、イエスの名によって語ってはならないと命じたうえで、釈放した。」

　危険がある度に聖霊なる神は奇跡的に助けてくださいました。しかし、ステパノには何の助けもなく、悲惨な形で殉教させました。教会を憎んでいた当局はステパノの殉教をきっかけに、良いチャンスだと思い、エルサレム教会を迫害しました。家から家に押し入って、教会を荒らし、男も女も引きずり出して、牢に入れました。先頭に立ったのはサウロという青年です。未来のパウロです。聖霊なる神は、今まではエルサレム教会の働き人を助けて下さったのに、なぜ、ステパノは死から救い出してくださらなかったのでしょうか？


２．伝道者の拡散
　1節の後半を見ると使徒たち以外はみな、ユダヤとサマリアの諸地方に散らされました。その理由は、サウルが先頭に立って、家から家に押し入って、徹底的にキリスト者を探し出したからです。キリスト者はこれ以上、エルサレムに残るのが難しくなりました。散らされた人たちは、みことばの福音を伝えながら巡り歩きました。サウロの手から逃れ、必死に避難しているだけで、精一杯なのに、それでも彼らはイエス様を証しするのが身についていました。エルサレムから離れ、サマリア諸地方に行っても福音を伝えるのが身についていました。イエス様のお働きをする人たちがいきなり、各国に、各地域に広がりました。

　迫害によってキリスト教が終わったのではなくて、逆に全世界に広がりました。結局、エルサレム教会を解散させたのはユダヤ人の迫害ではなく、神様、ご自身です。エルサレム教会がいよいよ、全世界に出て行く時間となったので、神様が解散させたわけです。

　使徒行伝1：8節のみ言葉が実現される時間となりました。エルサレムから、すべてのユダヤ、今度はサマリア、未来は地の果てまでです。迫害がないと自ら全世界に出ていくことがないので、聖霊なる神は教会の信徒たちを散らかしました。エルサレム教会の信徒たちは至る所に行って福音を伝えました。

　ユダヤ人の当局はエルサレム教会が解散すれば、これ以上、キリスト者の伝道活動は終わるだろうと期待していましたが、まさか、全世界に福音が飛び火するとは考えもしませんでした。使徒行伝8章はピリポがサマリアに福音を伝えました。使徒行伝9章からはステパノを殉教に追い込んだサウロが回心して、今度は逆にイエス様を伝える人となりました。そして、将来、ローマまで行って福音を伝えるようになりました。

　私達、一人一人にも使徒行伝１章８節の宣教プロセスがあります。まず、私から、家族に、次は友達に、次は社会と国を超え、最後は全世界に。私たちの宣教プロセスはどこまで来ているのでしょうか？

　主がなさることは素晴らしいです。皆様を通して、ご家族が救われますように。皆様を通して、友達が救われますように、皆様の宣教のプロセスが素晴らしいものとなりますように、一緒に祈っていきましょう。



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