2021年6月13日

ヨハネによる福音書　13章34節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 互いに愛し合い、赦し合いなさい ＞


　イエス様は弟子たちに新しい戒めを下さいました。わたしがあなたがたを愛したように、あなた方も互いに愛し合いなさい。 同じ内容で、別の表現を使いますとこうです。わたしがあなたがたを赦したように、あなたも互いに赦し合いなさい。 主の祈りの表現を借りますとこうです。 「我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ」。

　愛と赦しはコインの両面のようにキリスト教の本質です。 ヨハネ１３章３４−３５節は最後の晩餐の時、語られた教えです。 マタイ、マルコ、ルカの福音書の最後の晩餐の主題はイエス様の十字架と罪の赦しです。 ヨハネの福音書の最後の晩餐の主題は愛です。同じ最後の晩餐なのに、一つは罪の赦し、もう一つは愛です。私達の信仰の本質も愛と赦しです。愛と赦しによって私たちがイエス様の弟子であるかどうかが明らかになります。 ですから、私たちは生涯において、いつか愛と赦しを体験することになります。

　自分が知っている限り、赦しは最高の奇跡だと思います。この世には色々の奇跡がありますが、赦しほど難しい奇跡もなければ、赦しほどやり易い奇跡も ないと思います。赦しというのは、人間は出来なくて、神様だけが出来る御わざです。神様が人間に赦しの心を与えて下されば、やっと赦すことが出来るから、赦しは奇跡です。私の敵を死んでも赦せないので、この世の中で一番難しいことです。その反面、私の心さえ変われば、手の裏を返すように簡単に赦せます。私の実家でこの２週間の間に愛と赦しの出来事がありました。 詳しい内容は紙面では省略させていただきます。

　自分は現在、牧会の傍らに養育家庭をやっています。今になってやっと気づいたことは里子たちが父と似ている乳少年期を過ごしていることです。 けれども、いくら不幸な子どもでも、誰かが一人だけでもいいから、土台になってくれる人がい れば、不幸の人生を幸せな人生に変えられるチャンスが与えられます。不幸を幸せに直ちに変えられるのではありません 不幸を幸せに変えられるチャンスが与えられるだけです。 不幸の人生を幸せに変えられるのは神様だけです。そして、本人の意思と努力次第です。 楊家はただ、不幸を幸せに変えられるきっかけを提供しているだけです。 子どもの時の不幸を幸せに変えるのは決して簡単なことではありません。

　人生に山あり、谷ありです。 生きている間、上り道もあり、下り道もあります。良い時と悪い時があります。 子どもの時、不幸なこともあれば、大人になって幸せになることもあります。子どもの時、いくら不幸の環境で育ったとして幸せになれるチャンスはあります。 ただし、そのチャンスを提供してくれる誰かが必要です。 父にはそのチャンスを提供してくれる人がいませんでした。現在は自分の家がそのチャンスを提供しています。 自分と家内だけではなく、二人の子ども達も尊い犠牲を払っています。養育家庭は今まで自分の人生において、なかった十字架です。

　今まで自分の第一の十字架は母の救いでした。 第二の十字架は父の問題が解決されることでした。 二つとも自分の肩から降ろされたので、これから新しい十字架を背負うつもりです。 父と似ている環境で育っている子ども達の中から一人でも、不幸を幸せに変えられるのであるな ら、自分も意味ある人生だったと言えるでしょう。

　イエス様の愛で赦すことはとても難しいです。 本気で赦すのに、長い時間がかかることも知っています。 しかし、それでも、イエス様のみことばを信じて一度やってみましょうか。 キリスト教の本質に近づいてみましょう。 わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。 わたしがあなたがたを赦したように、あなたがたも互いに赦し合いなさい。



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