2021年5月30日

使徒行伝　5章17〜33節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ エルサレム教会の危機1：外部から ＞


　教会は神の子どもたちの集まりです。神の子どもたちは神の恵みのうちに生活しています。

　同時に教会はこの世の中で生活しています。教会がこの世の中で生活しているので、この世から影響を受けます。攻撃されることもあります。教会がこの世を攻撃することはありませんが、教会がこの世から攻撃を受けることはあります。この世から受ける攻撃を教会は迫害と言います。

　聖霊降臨と共に誕生したエルサレム教会は今まで順調に成長してきました。エルサレム教会はまだ信じていない周辺の人たちに良い影響を与えました。となりの人々に優しくて、親切でした。天使のような笑顔でしたので、顔には喜びが満ちていました。

しかし、それでも、キリスト者は迫害を受けました。
33節：「彼らは怒り狂い、使徒たちを殺そうと考えた」
彼らは宗教指導者たちのことです。教会は宗教指導者たちを攻撃したことがないのに、なぜ、宗教指導者たちは教会を攻撃しているのでしょうか？

　エルサレム教会の最初の危機は外部から、宗教指導者たちから来ました。最初の危機は外部からの迫害です。エルサレム教会が宗教指導者たちから迫害を受けた理由は何でしょうか？　そして、教会はどうやってこの迫害を乗り越えたのでしょうか？


１．危機の理由
　ペンテコステ以来、教会は爆発的に成長しました。イエス様の霊である聖霊のお働きにより、多くの人が悔い改め、イエス様を信じました。それにプラスして、聖霊による奇跡が続きました。

　3章ではペテロによって歩けなかった人が歩けるようになりました。５：１５−１６ではイエス様がなさっていた奇跡をペテロもやっていました。１５：そしてついには、病人を大通りへ運び出し、寝台や寝床の上に寝かせて、ペテロが通りかかるときには、せめてその影だけでも、病人のだれかにかかるようにするほどになった。１６：また、エルサレム付近の町々から大勢の人が、病人や、汚れた霊に苦しめられている人々を連れて集まって来た。その人々はみな癒やされた。

　イエス様の霊である聖霊様に満たされた弟子たちがイエス様から委ねられた働きを続けました。神の国を宣べ伝え、悪霊を追い出し、病を癒し、福音を伝えました。いわば、イエス様のお働きが12倍増えた感じです。エルサレムの宗教指導者から見ればイエス様、一人のお働きでも手を焼いたのに、今度は12使徒によって12倍と増えましたので、悩んでいました。宗教指導者たちはキリスト者が増えたことを妬んでいました。今までエルサレムは宗教指導者たちを中心に動いていたのに、現在はキリスト者たちの影響力が大きいです。大勢の一般市民がキリスト者たちを喜んで受け入れています。

　今までは贖罪のささげものをするエルサレム神殿中心の信仰だったのに、キリスト者が現れてからはイエス様を信じることで罪が赦される教えが広がっています。贖罪のささげものは宗教指導者たちだけの権威でしたが、その権威が弱まりました。そして、エルサレム神殿でささげられる家畜による、贖罪のささげものは宗教指導者たちの収入の基盤でしたが、その基盤も弱くなりました。

３１：神は、イスラエルを悔い改めさせ、罪の赦しを与えるために、このイエスを導き手、また救い主として、ご自分の右に上げられました。

　イエス様を宗教指導者たちが十字架につけたと言われることも聞きたくありません。これらの理由でこれ以上、キリスト者が増えないようにと使徒たちを拘束しました。１２使徒を捕えておけば、何とか収まるだろう思いました。12使徒さえ、脅かして口止めしておけば、落ち着くだろうと思いました。いざという時は12使徒を処刑すれば、この集まりは無くなるだろうと思いました。しかし、宗教指導者たちの企みは思い通りに行かなくなりました。なぜなら、聖霊様が１２使徒たちを助けて下さったからです。


２．聖霊なる神の助け
　１２使徒を捕えておけば、何とか収まるだろう思いましたが、この思惑は失敗しました。なぜなら、その夜、主の使いが牢の戸を開け、彼らを連れ出してしまったからです。そのことも知らず、大祭司とその仲間たちは集まって、イスラエルの子らの全長老会を召集して、使徒たちを引き出して来させるために、人を牢獄に遣わしました。

　ところが、下役たちが行ってみると、牢の中に彼らはいなかったのです。それで引き返して、こう報告しました。「牢獄は完全に鍵がかかっていて、番人たちが戸口に立っていたのに、開けてみると、中にはだれもいません」。宮の守衛長や祭司長たちは、このことばを聞くと、いったいどうなることかと、使徒たちのことで当惑しました。天使たちが使徒たちを牢屋から連れ出すまで、兵士の目には何も見えなかったのです。普段はあり得ない奇跡が連続して起こりました。

　指導者たちの考えでは、12使徒さえ、脅かして口止めしておけば、落ち着くだろうと思いましたが、この計画も失敗しました。使徒たちが牢屋から出てきてから再び、神殿の前に立って、民に教えていたからです。使徒たちを脅かして、口止めしようとする作戦は全然通じません。使徒たちが全然、恐れていないからです。恐れるところか、逆に喜んでいました。

使徒行伝５：４０―４１
４０：使徒たちを呼び入れて、むちで打ち、イエスの名によって語ってはならないと命じたうえで、釈放した。「むちで打ち」はイエス様が打たれたことと同じことです。血だらけ、傷だらけになるものです。

４１：使徒たちは、御名のために辱められるに値する者とされたことを喜びながら、最高法院から出て行った。聖霊に満たされている人への迫害は火に油のようなものです。迫害があるともっと熱心になります。


３．勇気づけられた使徒たちと教会
　聖霊に満たされた使徒たちには天の神様以外には怖いものがありません。２９：ペテロと使徒たちは答えた。「人に従うより、神に従うべきです」。聖霊による神の奇跡を次々と体験しました。大勢の人が悔い改めて、新しく生まれ変わる姿を見ました。使徒たちと教会は勇気づけられました。

　聖霊様が共におられ、助けて下さっていることを身近に感じています。迫害を受ければ受けるほど、逆に喜びました。この迫害は主のためのものだ、イエス様の弟子である証だ、主のための価値ある迫害だと使徒たちは受け止めています。ですから、迫害によってエルサレム教会は逆に成長しました。

　キリスト教は不思議に外部からの迫害があればあるほど、きよめられ、力強くなります。私たちにも目に見えない迫害がありますが、私たちも迫害によって信仰が成長します。


４．外部からの迫害により、もっと熱心になっていく教会
　 ４２：そして毎日、宮や家々でイエスがキリストであると教え、宣べ伝えることをやめなかった。外部からの迫害がエルサレム教会を強くしました。信徒たちは聖霊によって大胆になりました。語る福音には確信がありました。福音を聞いている人たちは霊的な力を感じ、救われる人はますます、増えました。



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