2021年5月16日

使徒行伝　2章41〜47節

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ エルサレム教会の現実課題と解決 ＞


　聖霊降臨日に１２０人の弟子たちは聖霊に満たされ、感謝と喜びに満ちました。そして、3000人の仲間も与えられました。こんなに大勢の信仰の仲間がいるととても心強いです。ペンテコステの当日は良いことばかりでした。何の心配も、何の問題もありません。まるで、地上の天国みたいです。しかし、次の日になると再び、地上生活モードが始まります。地上の生活が始まるということは色々の課題があるということです。聖霊降臨の栄光は終わりまして、課題が始まりました。生まれたばかりのエルサレム教会に山積した課題がありました。それでは、エルサレム教会にはどのような問題があったのでしょうか？　使徒たちはどのようにして問題を乗り越えたのでしょうか？


１．使徒のリーダーシップの問題
　聖霊降臨の喜びは良いですが、この大勢の人たちはこれからどうすれば良いでしょうか？　人は多いのに、組織はありません。これから何を、どうするかを決めなければなりません。誰がそれを決めますか？　１２人の使徒たちです。彼らはいきなり教会のリーダーとなりました。何よりも第一の課題は１２人の使徒たちのリーダーシップの問題です。

　１２使徒たちの半数はガリラヤの漁師出身で、税金取りもいます。社会の常識ではリーダーになれない人ばかりです。彼らが導く3000人の弟子たちの中には使徒たちよりも、社会では優れている人がたくさんいました。エルサレムは国際都市でした。世界の各国から、あらゆる文化、文明に住んでいた人たちがエルサレムに来ていました。しかし、イエス様の１２使徒たちは田舎者です。エルサレムの都市に合わない人たちです。使徒たちはエルサレムで伝道するとき、無視されました。

　使徒たちもエルサレムは好きではありません。イエス様が殺されたところです。都市生活も慣れていません。イエス様がエルサレムに留まりなさいと言われたので、従っているだけです。エルサレムで長く生活するつもりはなかったので、何の準備も出来ていません。イエス様の十字架、復活、昇天、聖霊降臨まで、彼らには変化にとんだ日々でした。彼らは何の心の準備が出来ていなまま、教会のリーダーになりました。

　この課題を彼らはどのように解決したのでしょうか？　聖霊なる神様が彼らにリーダーシップを下さいました。使徒たちに神様の権威を下さいましたので、信徒たちは従いました。12使徒たちは何の準備が出来ていなくても、その場で語れるメッセージを神様が下さいました。ペテロがすでに2章の前半で証明しました。何を言うか、言うべきことを事前に心配したくても聖霊なる神が下さいました。聖霊なる神は使徒たちを通して教会を細かく導いて下さいました。今までイエス様に従ったように、聖霊様に従いました。日々聖霊に従うことで、使徒たちのリーダーシップの課題は解決できました。


２．実生活の問題
　ペンテコステの日、聖霊に満たされた人たちは120人です。彼らが聖霊満たされた理由は、彼らも１２使徒たちと同じく、イエス様の命令に従って自分の家に帰らないで、エルサレムに留まっていたからです。エルサレムに留まりましたので、聖霊に満たされる素晴らしい体験をしました。

　ところが、聖霊降臨日まで、二か月間は何とか、エルサレムに滞在しましたが、これからはどこに泊まりますか？　いつまで、エルサレムに留まるのか未来が不透明になりました。何を食べるか。どこで寝るか。仕事はどうするか？　マルコの家に迷惑かけることもこれ以上は無理です。120人の弟子たちはエルサレムに長く滞在する準備が出来ていません。

　120人の弟子は何とかなりますが、悔い改めた3000人はどうしますか？　3000人の人たちの中には外国から来ている人たちもたくさんいました。彼らはペンテコステが終わったら、家族がいる国々、家々に帰る予定でした。しかし、3000人の人たちも聖霊に満たされ、新しい世界を体験したので、帰るにも帰れなくなりました。3000人の人たちにはまず、決心が必要です。家族に帰るか、このままエルサレムに残るか。仕事に復帰するか、今までの仕事を辞めるか。どちらを選んでも、相当の悩み、相当の決心が必要です。このまま家に帰るとしても、昨日の聖霊の体験があまりにも感動で、彼らの足をとめていました。しかし、このまま、残るとしても、家族のところに帰れなくなるかも知れません。このまま、福音と共に生涯が終わる可能性もあります。2000年前の人たちは深刻に悩みました。3000人はもうちょっとエルサレムに留まることにしました。

　これから、3000人が一緒に寝食を共にするとしたらどうすれば良いでしょうか？　最初から何の準備も出来ていないまま、エルサレム教会が始まりました。毎食、どうするかの問題をまず解決しなければなりません。そのためにはまず、お金が必要です。費用はどうしたら良いでしょうか？　それぞれ、持っていた財産を売りました。手持ちのお金をささげました。元々、エルサレムに住んでいた少数の人たちは彼らの家を提供しました。エルサレムに住んでいた弟子たちは彼らの土地を売り、家を売りました。４４節　信者となった人々はみな一つになって、一切の物を共有し、４５節　財産や所有物を売っては、それぞれの必要に応じて、皆に分配していた。

　彼らの心に神の国が入ったので、彼らはこれ以上、地上の財産に関心が無くなりました。彼らはイエス様の教えに従って、所有するのを諦めて神の国を受け入れました。これからは神の国と福音のために生きることにしました。神の国のために生活するとき、聖霊様が必要なものを、必要な時、満たしてくださる奇跡を毎日、経験しました。


３．集まる場所の問題
　3000人の人たちは聖霊に満たされ、喜びに満ちて、しばらくエルサレムに残ることにしました。彼らはイエス様に関してもっと多くのことを12使徒から聞きたくなりました。問題はどこに集まるかです。エルサレムには3000人が一緒に集まれる場所がありません。そして、どこで寝食をするのかです。昼間、3000人が集まれる場所、夜は50人くらいずつ分かれて寝る場所が必要です。彼らはまず、3000人が集まる場所として、神の宮にある広場に集まりました。４６節「そして、毎日心を一つにして宮に集まり」　毎日集まって、12使徒からイエス・キリストに関する話を聞きました。イエス様が教えと奇跡の物語を聞きました。同じことを何回も、何回も聞きました。12使徒から、かわりがわり聞きました。同じ出来事なので、大体同じ内容ですが、同じ出来事でも、見方が違うので、少し異なることもありました。使徒たちから聞いたイエス様に関する物語が長年間語られ、それを30年後、まとめたのが４つの福音書です。

　3000人の人たちは昼間、神殿の広間で集まり、夜から朝まではそれぞれの信徒の家に帰ってから、一緒寝食を共にし、喜びの交わりを続けました。何年間もこの集まりが続きました。彼らはこれらの共同体生活を通して自然に訓練され、全世界に福音を宣べ伝えられる働き人となりました。


４．結論
　最初の教会も私たちと同じ人間の集まりであり、私たちが持っている問題を同じく抱いていました。しかし、彼らは聖霊に満たされていました。そして、これからは聖霊の導きに従って生活することにしました。彼らは生き方を変えました。彼らは生きる理由を新しく定めました。今までの生き方は財産を蓄えるため、お金を握りしめる生活でした。私のために、私の家族のための生き方でした。しかし、聖霊に満たされてからは神の国のために、隣の人のために、分け与える生き方に変えました。

４５：財産や所有物を売っては、それぞれの必要に応じて、皆に分配していた。
４６：そして、毎日心を一つにして宮に集まり、家々でパンを裂き、喜びと真心をもって食事をともにし、
４７：神を賛美し、民全体から好意を持たれていた。主は毎日、救われる人々を加えて一つにしてくださった。

　 現代の教会がエルサレム教会のように同じく出来ない部分は確かに多いです。しかし、本当の信仰を求める方はエルサレム教会への憧れがあります。



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