2021年5月9日礼拝

2021年5月9日

使徒行伝　2章1～15節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜聖霊降臨の当日＞

　私たちは聖霊降臨日を理解するために、当時のエルサレムの雰囲気を理解する必要があります。まずは、エルサレム市内は旅行客でいっぱいになっていることです。都市の機能が麻痺するくらい人々で溢れていました。出エジプトから続いた1500年以上の歴史ある祝祭に参加するために多くの人たちがエルサレムに集まっていました。イスラエル全国から集まった人たちがいます。彼らは毎年来られるので、大体の人達は過ぎ越しの祭りが終わると家に帰ります。一旦、帰った後、ペンテコステのとき、もう一度来る人達もいました。

　外国からもたくさんの人が集まっていました。外国から来た人たちは生涯一度だけの旅なので、彼らはペンテコステの祝祭が終わるまで約2か月間、エルサレムに留まりました。そして、ペンテコステが終わるといよいよ家に帰ります。使徒行伝2章はほぼ2カ月間の一連の祝祭がそろそろ終わろうとしていた時のことです。

　ペンテコステの主な内容は先週、申し上げたように一人の祭司が朝早く起きて、エルサレムの近くにある畑に行って、一束の麦を刈り取ります。その麦の束を携えて、神殿に戻って、それを脱穀します。綺麗に粉々にしたものを水で練ります。それを焼いて神様にささげます。神様が下さいましたカナン地で、神様の祝福によって収穫したものを感謝して、神にささげる儀式です。ペンテコステは2か月間の祝祭のフィナーレです。

　ところで、同じ日、同じ時間、イエス様を信じているキリスト者120人くらいがマルコの家に集まっていました。120人はイエス様の約束を信じて、聖霊が降臨するのを待って、断食しながら、祈っていました。

　彼らが祈っているとき、天から突然、激しい風が吹いて来たような響きが起こりました。120人が座っていた家全体に響き渡りました。聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、他国のいろいろなことばで話し始めました。道を通っていた大勢の群衆がその揺れを感じました。そして、響きと賛美、祈り、他国の言葉を聞きました。当時のエルサレムは人々で溢れていました。朝8時を過ぎましたので、大勢の群衆がエルサレム神殿に移動しているところです。色々の種類の外国語がいっぺんに混ざって語られると呆気にとられてしまいますね。

　約AD３０年の一連の祝祭は今までの雰囲気と全然違いました。その一番の理由がイエス様という預言者の故です。ユダヤ人の目線で今までの二か月間の出来事を見るとこうです。

　記念すべき過ぎ越しの日なのに、ナザレイエスが十字架で処刑されたり、喜びの初穂の祝祭にはそのイエスが復活したといううわさが人々に広がったりしました。その後の４０日間は復活したイエスが弟子たちのところに現れたとうわさがしたりして、色々のうわさで落ち着かない祝祭でした。やっとペンテコステの祝祭を最後にナザレ人イエスから始まった運動もそろそろ終わるのかなと思っていた矢先に、この騒ぎです。

　聖霊に満たされた120人の信者たちも少し落ち着いて、窓を開けてみると数えられないくらいの大勢の群衆が家の前に集まっていました。ペテロを先頭に120人が家から出てきて、今起きた出来事を説明しました。群衆は120人のキリスト者を見て感じるものがありました。120人は聖霊に満たされていたので、感じる何かがありました。

　まず、顔が輝いています。全身から溢れる聖霊の力を感じました。言っている言葉に確信があって力を感じました。

　しかし、あるユダヤ人はあえて、これらの霊的なことを否定する者たちもいました。そのユダヤ人はあざ笑って「新しいぶどう酒に酔っているのだ」と言いました。このままでは誤解するので、120人の代表となるペテロが説明する必要がありました。ただの説明だけではなく、これをチャンスに福音を宣べ伝えました。旧約からのペンテコステが聖霊降臨によって成就したことを伝えました。

　預言者ヨエルの預言を引用して説明しました。ダビデの詩篇を引用して説明しました。ペテロの話を聞いて群衆は驚きました。ペテロがどうしてこんなに雄弁に語るのかです。ペテロが大勢の群衆の前でこんなに上手に語れるのも聖霊による御業です。ペテロが、聖霊に満たされ、旧約聖書を引用して、新しく解釈する人となりました。ペテロは旧約聖書をそんなに知りません。ラビでもないし、学んだこともありません。安息日、会堂で聞いていただけです。それなのに、いきなり、旧約を引用したり、説教したりしました。聖霊様がその都度、ペテロを助け、何を語るべきか教えて下さいました。

　ペテロはいきなり上手な説教者になったことこそ、聖霊に満たされた証拠です。異言も奇跡ですが、ペテロが急に説教者になることも奇跡です。聖霊なる神にとって不可能なことはありません。

　聖霊による変化はいくつもあります。異言もその一つです。120人の人が今まで学んだことのない外国語で福音を伝えました。マルコの家の前に集まっていた人たちは全世界から来たユダヤ人です。彼らの生まれ育った地域の言葉を120人の弟子たちが話しています。学んだはずのない言葉を話しています。

　最後、もう一つ、聖霊が来られた証拠は群衆の悔い改めです。ペテロの説教を聞いた3000人の群衆が悔い改めたことです。３６神が今や主ともキリストともされたこのイエスを、あなたがたは十字架につけたのです。」

　３７：人々はこれを聞いて心を刺され、ペテロとほかの使徒たちに、「兄弟たち、私たちはどうしたらよいでしょうか」と言った。

　旧約からこの日まで、ペテロのように民の罪を指摘した預言者の多くは民によって殺されました。それなのに、今回は群衆が悔い改め、イエス様を信じ、洗礼を受けました。４１節　彼のことばを受け入れた人々はバプテスマを受けた。その日、三千人ほどが仲間に加えられた。奇跡的な悔い改めです。ペテロの一度の説教で、3000人が悔い改めたり、5000人が悔い改めたりしました。悔い改めは人間の能力で出来るものではありません。悪人は最後まで悔い改めません。悔い改めこそ、聖霊なる神の御わざです。

結論
　ペンテコステはユダヤ人が守っていた祝祭でした。神様が下さいましたカナン地の実りを収穫して感謝する日です。ペンテコステは聖霊降臨によって、聖霊降臨日と意味が変わりました。聖霊様は魂を収穫する働きをなさいます。多く魂が救われ、神の国に入れるようにするのが聖霊の働きです。

　ユダヤ人だけではなく、異邦人まで、誰でもイエス様を信じる者は罪が赦され、聖霊によってきよめられ、神の子どもとなり、天国に入ります。その始まりが聖霊降臨日です。教会は聖霊降臨日とも言いますし、昔のままの言い方でペンテコステとも言います。新約時代のペンテコステはこれから、穀物の収穫ではなく、魂の収穫が行われる喜びの日です。生きる目的を失っていた人が聖霊によって、生まれ変わり、もう一度生きる理由を見つけて、元気になります。霊的な収穫はイエス様が再び来られるまで、しばらく続きます。私たちは収穫する人として用いられています。私たちの近くにいる人たちから一人でも多くの方が救われるように用いられましょう。

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