2021年5月2日

使徒行伝　1章1〜5節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 十字架からペンテコステまで ＞


　ペンテコステは聖霊降臨日とも言います。聖霊がこの地に来られ、今も私たちを導いて下さいます。今年はペンテコステが何かを詳しく、長くメッセージさせて頂くため、一カ月間以上、使徒行伝を通して語らせて頂きたいです。ジムエドワードが書いた「物語、使徒行伝」を参考にしています。今日の箇所には3つの出来事が書いてあります。

　３節：「イエスは苦しみを受けた後」十字架のことですが、ユダヤ人にはこの日が過ぎ越しでした。
　３節： 数多くの確かな証拠をもって、ご自分が生きていることを使徒たちに示された。これはイエス様の復活のことですが、ユダヤ人にはこの日が初穂をささげる大事な日でした。
　５節：「聖霊によるバプテスマを授けられるからです」。この日は聖霊降臨日ですが、ユダヤ人にはこの日がペンテコステでした。過ぎ越しからペンテコステまで50日間は一連の祝祭です。今日は私たちの救いにおいてペンテコステの歴史的な意味に関してみたいと思います。


１．過ぎ越し（イエス様の十字架）
　ペンテコステという言葉はギリシャ語です。日本語では五旬節です。50日のことです。イースターから50日をペンテコステと言います。過ぎ越し、初穂の祝祭、ペンテコステはユダヤ人の連続する行事です。三つの行事が2カ月間くらい続きます。
過ぎ越し　（３日後）　初穂の日　（7週後）　ペンテコステ

　過ぎ越しはイスラエルの民がエジプトから解放された日を記念する行事です。その３日後、初穂の祝祭です。麦の初穂を神様にささげる行事です。エジプトから解放され、カナン地を下さいました神様に感謝して、その年の初穂をささげます。畑から初穂が現れたことは、7週間後の収穫の前兆です。初穂を下さいました神様が、７週間後、多くの麦の穀物を与えて下さいます。これらの行事のために全世界に住んでいたユダヤ人がエルサレムに集まりました。毎年、来ることは出来ません。生涯一度、エルサレムで過ぎ越しからペンテコステまで過ごすのがユダヤ人の夢でした。世界各国から船に乗ってきて、ユダヤの港に着き、エルサレムに上る人たち、あるいは南のアフリカから歩いて来た人たち、あるいは東のアジアから、北のヨーロッパから歩いてきた人たちなど、当時の全世界からユダヤ人が集まりました。

　この時期になるとエルサレムはどこも旅行客でいっぱいでした。普段、エルサレム人口の4倍以上の人たちが溢れていました。エルサレムではどこの家も満室で、寝るところがないから、ホームレスみたいに、道端に座って寝ている人たちでいっぱいでした。

　基督教においてもこれらの一連の行事は一番大事です。面白いことは日にちがユダヤ教と同じであることです。神様がそうなさいました。神様がユダヤ人のタイムスケジュールに、イエス様による救いの出来事が起きました。

　今までの過ぎ越しはイエス様の十字架に取り換えられました。
「３日後」
初穂の祝祭はイースターに取り換えられました。
「7週後」
ペンテコステは聖霊降臨日に取り換えられました。

　毎年、過ぎ越しの日になると祭司たちは忙しいです。過ぎ越しの時、ささげものとなる傷のない小羊を選別して、屠って、ささげる準備で忙しいです。AD３０年の過ぎ越しはもう一つのことで大祭司は忙しかったです。ナザレイエスと言う預言者を安息日になる前処刑するため、裁判などで忙しかったです。大祭司はイエス様の処刑と小羊の屠りを同時にやっていたので、忙しい一日でした。

　ナザレのイエスを処刑するため、カルバリに連れて行く大祭司。また、過ぎ越しの小羊をエルサレム神殿に連れて行く祭司たち。ナザレのイエス様も、小羊も、民の救いのために代わりに死んだことは同じです。


２．初穂（イエス様の復活）の祝祭
　過ぎ越しの金曜日が終わると３日後の日曜日の朝、初穂の祝祭が始まります。日曜日の朝、明るくなる前に、祭司の一人が神殿を出て、エルサレムの近くにある麦畑に行きます。麦畑の中から、咲いたばかりの初穂を探します。実はありませんが、穂の形になっているものです。初の穂を探すことなので、すぐは見つかりません。やっと一つ見つけた初穂を掘り出して、急いで神殿に戻ります。神殿の前で、この初穂を高く上げ、前後左右に揺すります。この儀式はその年、初めて大地から得たものを神様にささげるものです。神様がこれから本格的に多くの収穫を与えて下さる保証のしるしです。

　AD３０年、日曜日の朝、祭司が初穂を探しに畑に出かけていくとき、明るくなる前に女性の三人がイエス様のお墓に行きました。三人の女性の中に、マクダラのマリアがいました。彼女たちが復活の初穂だったイエス様に出会いました。11人の弟子たちはその夜、復活したイエス様に出会いました。その後、およそ500人の弟子たちが同時に復活したイエス様に出会いました。イエス様は死からよみがえられた初穂です。

　Iコリント１５：２０節
「しかし、今やキリストは、眠っている者の初穂として使者の中からよみがえられました。」
初穂が現れたことはしばらくすると畑全体が穀物になるしるしです。イエス様の復活は私たちの復活のしるしです。


３．ペンテコステ（聖霊降臨日）
　初穂の祝祭から7週後、50日がペンテコステです。ＡＤ30年5月２３日（2021年基準）、まだ暗いうち、一人の祭司が神殿を出てエルサレムの近くにある麦畑に行きます。7週前、初穂の祝祭の時、初の穂を取った場所です。７週前は初穂一つ探すにも時間がかかりましたが、今は畑全体が麦でいっぱいです。祭司は良さそうな麦一束を刈ります。そして、急いで神殿に戻ります。麦を脱穀して、臼で引きます。粉に水を入れ、練こねたものを焼いて、パンを作ります。それを神殿に持っていて神様にささげます。天の神様の祝福によって与えられた収穫の喜びと感謝を神様にささげる儀式です。

　同じ日、明るくならないうちに120人の人たちがあるところに集まりました。彼らはイエス様の復活の証人です。彼らは１０日前も集まって、イエス様が天にあげられることも目撃しました。天にあげられるとき、イエス様は彼らにエルサレムから離れないで父が約束された聖霊が来られるまでエルサレムにとどまりなさいと言われたので残っていました。彼らは断食しながら、祈っていました。賛美もしました。

　その時、天から突然、激しい風が吹いてきたような響きがありました。彼らが座っていた家全体に響き渡りました。大きな声で神を賛美しました。踊りました。喜びに満ち溢れました。異言もありまして、今まで一度も話したことのない外国語を話しました。イエス様が約束された聖霊様が来られたのです。

　復活の初穂だったイエス様が、聖霊様を送ってくださいまして、皆がイエス様の働きを続ける人になりました。イエス様は復活の初穂で、聖霊様が来られてから働き人がいきなり120人になり、次の日は3000人が加わり、その後は5000人が加わりました。そして、エルサレム、すべてのユダヤ、サマリヤ、地の果てまで広がりました。この福音が日本に住んでいる私たちのところまで来ました。

　 ペンテコステの収穫は私たちを通してこれからも続きます。私たちが聖霊に満たされ、聖霊に導かれ、聖霊に用いられます。私たちを通して家族が救われ、友達も救われ、地域の人たちも救われます。私たちの現在の姿では出来ませんが、聖霊を通して神様がなさいます。



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