2021年3月21日

創世記　1章26〜27節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 神のかたちである人格者（2） ＞


　私たちは神様の霊によって造られた人格者です。人格者は責任が重いです。人格がある者なので、間違ったことをすると聖書はそれを罪と言います。人格がない動物には罪と言う概念すらありません。

　今日は罪と人格の関係に関してみましょう。神様が人間に人の格を下さいました。土に過ぎない人間に神様は尊い人格を下さいました。これは驚くべき、破格的なことです。人間が持っている人格がどれほど、破格的なことなのか知るために、天使と比べてみると分かります。

　天使は人間と同じく、霊的な存在ですが、神のかたちではありません。天使は人間と同じく、永遠に生きる存在ですが、神の似姿ではありません。天使も霊的な存在なので、神から離れると罪となり、さばきがあります。天使も人間にまさる知恵と知識、能力がありますが、しかし、天使はあくまでも、神の僕であって、神様が造られた被造物を支配する権利はありません。

　神様は人間に、神様の代わりに、被造物を統べ治める特権を下さいました。海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地の上を這うすべてのものを支配するのは本来、神様がなさることを人間が代わりに出来るように特別な権利を下さいました。神様の代わりとして働ける特別な権利は人間だけが持っています。

　神様が人間だけに下さいました人の価値、人の身分、人の格です。勝手に使ってはいけない、とても限られた特権なので、制限があります。必ず、神の支配の下で使う特権です。人間が自分勝手な目的のために使ってはいけない特権です。

　神様から離れると特権は無くなります。人の人格は神のうちにとどまる時、尊いものです。神から離れたら、何の価値のない土に過ぎない罪人です。神様から離れること、それが罪です。神から離れるとその代わりに罪が人間の中に入り、尊い人格を堕落させます。神様から離れる前まで、人は神のみことばに従う聖なるものでした。しかし、神様から離れると人は罪に従うものとなりました。神様から離れた以上、私たちの人格は正義を行うものではありません。罪によって人格が堕落しました。

　堕落した人格は状況によって変わります。有利なのか、不利なのかによって人格が変わります。罪によって汚染された私たちの人格は信頼できるものではありません。私たちは皆、残念ながら、二重人格を持っています。不利なところでは黙ってしまう弱いものです。

　私たちは自分たちの人格を信じてはいけません。自分の人格に頼って判断してはいけません。私たちの人格は罪によって汚染されました。


１．罪の怖さ
　神様から離れる罪がなぜ、怖いことでしょうか？　神様から頂いた人の格を自ら壊して、自ら捨てることだからです。例えばこのような罪があります。

（１）偶像崇拝
　偶像崇拝には二つの意味があります。一つは神様の神格を石、木、金などに格下げしたのが偶像崇拝です。神様の神格を人間が勝手に格下げしたから罪です。

　二つは神様のかたちである自分たちの品格を鳥や動物よりも下に格下げしたことが偶像崇拝です。神様から頂いた貴い人格を自分勝手に格下げしたから罪です。神の聖なる神格を人間が勝手に格下げすることはとても大きな罪です。自分自身の尊い格を自ら、動物よりも下に格下げすることはとても愚かなことです。

（２）性的な罪
　夫婦が互いに愛する人格による、性的関係は神様からのプレゼントです。しかし、相手の人格は完全に無視して、土で造られた体だけの性的な関係は他人の人格を踏みにじることです。そして、自分の品格を自ら壊すことです。ですから、性的な罪は大きいです。その代価も大きいです。不倫は一人の人格者が今まで持っていたすべてを奪います。性的な罪はわずか一瞬の罪なのに、その破壊力は生涯続きます。「性」と言うのは一人の人格に大きなダメージを与えるものです。

（３）奴隷
　一人の大事な人格をまるで、牛や馬のように働かせることです。神様のかたちである尊い人格者を牛のように格を下げることだから、大きな罪です。現代、奴隷制度はありません。もちろん、日本にも奴隷制度はありません。しかし、従業員をパワーハラスメントで奴隷のように働かせることはあります。「私は会社で大事な一人の人格者として認められています」と誇らしげに言える方は少ないと思います。激しい競争社会なので、会社が従業員を大事な一人の人格者として扱うこと自体が難しい環境です。

（４）お金
　経済活動のために便利な手段になればとても良いものです。特に一人を助け、皆が生きる手段になればこんなに素晴らしいものはありません。お金は一人の人格者をもっと輝かせることが出来ます。しかし、お金に神のような格を吹き入れるとお金は神となりまして、私と他人の魂を支配する怪物に変わります。世界はお金を神格化しています。お金を神格化した代価を私たちは毎日払っています。


２．罪は神様から離れることです。
　人の価値は神様のうちにとどまっているとき、品格ある尊い人格者です。神様の品格が私のものとなります。しかし、神様から離れると神様から頂いた人の価値も自動的に消滅します。神様から頂いた人格者の価値を失ったら、人間は何の価値のない単なる土に過ぎません。人の格を失った人間はそのままでは惨めなので、格上げできるところを求めます。

　他の人から求めます。自分自身から求めます。お金から求めます。権力から求めます。これらのものは一時的な満足しかありません。これらのものは、しばらくすると私から離れます。私から離れるとその後の虚しさは怖いです。


３．十字架の救いは破格的な神の恵みです。
　罪人は神様から頂いた格を自ら壊した者なので、何の尊いものがない存在です。何の値打ちもない人のためにイエス様が人間となりまして、この地に来られました。イエス様が人間になられたことは神格の神が、人格の人間となったことです。神格の方が人格の人間になられたことは格を破ったことであって、破格的なことです。神格の方が人格の人間になられた破格的なことによって、罪人である人間が神の子どもとなれる破格的なことが出来ました。

　 イエス様は神格と人格を同時にもっておられる唯一のお方です。イエス様だけが神格と人格を同時に持っておられるので、イエス様だけが神格の神様と人格の人間をつなげることが出来ます。



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