2021年2月21日礼拝

2021年2月21日

列王記第一　18章20～24節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜主は生きておられる（1）＞

　私は自分自身を通して神様が生きておられることが証明出来たら良いなと思います。説教だけでなく、目に見える証しとして、神様が生きておられることを見せたい気持ちが強くあります。メッセージだけでは物足りない気がします。自分自身を通して神様が本当に生きておられることを見せたら、皆様の信仰も大きく成長すると思います。神様が生きておられることを何とかして証明したいと思った人たちは自分だけではなく、今までたくさんいました。神様は存在なさることを証明しようと中世の哲学者が四つの方法で説明しました。
　存在論的な神存在証明
　宇宙論的な神存在証明
　目的論的な神存在証明
　認識論的な神存在証明
　何のこと言っているのかも理解できません。現代人がこれを聞いて、本当に聖書の神さまは生きておられると信じてくれますか？　天地万物を造られた神様の存在を証明したいですが、私たちはどうすれば良いか分かりません。

　それでは、もともと天地万物を造られた神様を信じていたイスラエルの民はどうやって、神様が生きておられることを証明したのでしょうか？今日の聖書の箇所を参考にするとこうです。

１．生活の言葉で表しました。
　「主は生きておられます」列王記上 1７章、１８章に二回ずつあります。
エリヤ：1７章１節「ギルアデの住民であるティシュベ人エリヤはアハブに言った。「私が仕えているイスラエルの神、主は生きておられる。私のことばによるのでなければ、ここ数年の間、露も降りず、雨も降らない。」彼の預言が真実であることを強調し、裏付けるためにこの表現を使いました。
女性：1７章1２節神様がエリヤをこの女性のところに遣わしました。

　エリヤには食べ物が無かったので、この女性からしばらく食べ物を提供してもらうためでした。しかし、この女性にも食べ物はありませんでした。雨が降らないので、穀物が育たなかったからです。その状況で彼女はこう言いました。彼女は答えた。「あなたの神、主は生きておられます。私には焼いたパンはありません。」

　彼女自身が言っていることが真実であることを強調するために使いました。本当に食べ物がないことを信じてもらうために使いました。

　現代の表現だと「神に誓います」とか、「天を指して誓います」などに似ています。これらのことばは神様の存在を証明するためよりは自分たちが言っていることが真実であることを強調するために神様の御名を使っています。「主は生きておられる」と言うことは最初、素晴らしい信仰告白でしたが、時間が経つと共に人たちの自己主張を強調するための手段になってしまいました。英語の中にも GOD という単語が入っているものが多くあります。Oh my God

　私たちは言葉で神様の存在を証明することは出来ません。私たちは被造物であって、天の神様は創造主です。被造物が創造主をただの言葉で証明できるはずがありません。最初から不可能なのに、中世の哲学者たちは説明できたと満足したのでしょうか？

　「主は生きておられる」と力強く言っていたエリヤも証明できませんでした。彼は何も出来ず、神の預言者は彼一人しかいないと寂しがっていました。ですから、彼は長年間、一人では何もできないと不平不満がありました。「主は生きておられる」と口癖のように言っていた女性も神様が本当に生きておられることを証明したのではありません。ただ、一食分しか残っていない小麦粉でパンを焼いて、食べて死ぬところであることを強調するために使った言葉です。

２．生活の行いで表しました。
　エリヤの祈りによって雨が３年間も降りませんでした。雨が降らなかったので、すべての生き物は苦労しました。人間を初め、家畜、植物まですべての生き物は想像絶する苦労をしました。その中で一番苦労した人はエリヤ自身です。彼の祈りによって雨は降りませんでしたが、その大変な実を預言者自身が一番味わいました。３年間も雨が降らない自然災害はエリヤの罪による結果でもないのに、それでも、神の預言者は民と一緒に苦労しました。神の預言者は民の罪の代わりに苦労しました。しかし、それでも、誰も分かってくれません。確かに３年間も雨が降らないことは普通のことではありません。神の御手による標であることを人々も知っています。神の御手による標だと分かっているから悔い改めるはずですが、逆に皆がエリヤを憎んでいました。これは全部エリヤのせいだ。アハブの王もエリヤが見つかる次第殺そうとしました。エリヤは民のために苦労しましたが、その行いは神様を証明することにはなりませんでした。祈りによって雨が降らないことも標と言えば標ですが、この標では神様が生きておられる証にはなりませんでした。エリヤから見れば逆効果となりました。

３．神様、自ら生きておられることを証明なさる
　結局、神様が生きておられることを証明できるのは神様ご自身です。神様自ら証明しないと人間がどうやって証明しますか？　「神さま、自ら証明してください。神様自ら証明なさらないことをどうやって私たちが出来ましょうか」私たちが信じている神様は生きておられます。ですから、神様自ら私たちに証明なさるでしょう。私たちが信じている神様が本当に生きておられるお方であるなら、神様自ら証明してくださるでしょう。今日の聖書個所は神様が生きておられることをイスラエル民の前で自ら証明なさった物語です。

　１７章から１８章までの荒筋はこうです。罪に満ち溢れていたイスラエル民に神様のさばきがくだりました。それは長年間、雨が降らないことでした。エリヤが神様の代わりに雨が降らないように祈りました。雨が降らないので、農作物も駄目になります。川は乾いて飲む水もありません。食べ物がなくなって、エリヤも深刻になりました。

　神様はエリヤにカラスを通して食べ物を与えられました。奇跡１です。しかし、この奇跡はエリヤしか知りませんので、神様が生きておられることが多くの人に知らされたわけではありません。

　その後は貧しいやもめのところに送りまして、そこでお世話になりました。再び雨が降るまで貧しいやもめの家には粉も、油も絶えることはありませんでした。奇跡２です。しかし、これもやもめの家族だけの奇跡です。

　３年の時間が過ぎて、いよいよ雨を降らしてくださるときとなった時、エリヤがアハブの前に現れて、一つの提案をしました。エリヤが信じている神様が本物なのか、アハブが信じているバアルが本当の神かイスラエル民の前で勝負しようと提案しました。

　天地万物を造られた神様を代表する預言者はエリヤ一人だけです。バアルの神に仕える預言者は４５０人です。４５０人対１人の真剣勝負です。負けた者は生きることのできない、命懸けの勝負です。生きている神はどちらなのかを決める大事な勝負だから命を懸けないといけません。

　勝負の内容は簡単です。子牛を屠って、祭壇の上にのせます。ささげ物の上に天から火を下してくださる神が本当に生きておられる神です。なぜ、エリヤは天から火を下す神さまが本当に生きておられる神さまだと提案したのでしょうか？　天から火を下すのはバアル神の専門分野だからです。バアルの神は雷の神と言われ、手に雷を握っています。雷と共に雨を降らす神、農業をする民には欠かせないことです。雷は天からの火を象徴します。今、全地は雨が降らなくて、３年が過ぎました。これ以上、雨が降らないと全地は渇きで滅びます。この時期、天から雷と共に雨を降らしてくださる神は本当に生きておられるお方です。どちらが本当に生きている神なのか、エリヤが信ずる神か、バアル預言者の神か、ここで証明しなければなりません。

　結論的にはバアルの預言者たちは証明できませんでした。バアルの預言者たちは踊って、体に傷をつけて血を流しても、一日中待っていても彼らのバアルからは返事がありません。

　しかし、エリヤの神様は天から火を下し、祭壇の上にあるささげもの、祭壇の周辺の水、石まで全部燃やしました。そして、最後に３年ぶりに大雨を降らしてくださいました。イスラエルの民は叫びました。主こそ、神だ、主こそ、神だ。「主は生きておられます」このことばをイスラエルの民は今まで人間たちに言っていました。彼らの言葉に信頼性を強調するために神の名を使いました。しかし、私たちはこれからこの言葉を神様に告白しましょう。

　「主は生きておられます」私が信じている神様は生きておられます。ですから、「神様！神様が生きておられることを自ら証明してください」神様が生きておられる証拠を見た人だけが、確信に満ちて、今度は人々にも言えます。「私が信じる主は生きておられます」

　私たちはこれから神様に祈りましょう。神様ご自身が生きておられることを証明してくださるように祈ってみましょう。私の父なる神が子どもたちである私たちに何か答えて下さるでしょう。その答えが私たちの確信となり、生涯を支えてくれます。

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