礼拝メッセ−ジ
2020年12月13日

ルカによる福音書　1章26〜38節

　　　　　　　　　　　　　　＜ 神にとって不可能なことは何もありません ＞


　イエス様の母マリアには処女の時からプライドはあったのでしょうか？　彼女を取り巻く環境で考えるとマリアはプライドを持って生活できる状況ではありませんでした。神様の選ばれた民であるプライドはありましたが、それ以外には何もありません。

　マリアが彼女自身を見てもそうです。彼女は才能があるわけではありません。仕事があってお金を稼げる人でもありません。家事を手伝っているだけの存在です。プライド高いとか、誇りとなるものを持っていたわけではありません。マリアは彼女自身のことを「この卑しいはしため」と言っています。

　夢は一つありますが、婚約していることです。小さな幸せを求めています。婚約していることで、小さい幸せに満足しています。

　社会が彼女を見ている判断基準も低いです。彼女は当時の人たちから無視されるガリラヤ地域に住んでいました。ヨハネ１：４６にはこれから、イエス様の弟子となるナタナエルでさえ、ナザレを無視していたことが分かります。
「ナタナエルは彼に言った。「ナザレから何か良いものが出るだろうか。」
エルサレムの人たちがガリラヤ全体を無視していたのに、ガリラヤの人たちはガリラヤの中でも小さい田舎のナザレを無視していました。イエス様はいつも、ガリラヤの中でも田舎であるナザレ出身だと無視されました。マリアは社会で低い階級です。しかも、人数にはカウントされない女性です。

　マリアの自己評価が低いのは仕方ありません。これは否定できない現実だからです。また、否定してはいけません。なぜなら、神様が彼女にその環境を下さったからです。

　彼女は生まれてみたら、ローマに支配される民族の一人でした。成長してみると蔑ろにされるガリラヤ出身でした。彼女が選んだものではありません。彼女のせいではありません。田舎で育てられたことは神様によるものです。ですから、結果として、プライドを抱ける何も持っていません。しかし、この環境を克服するのが信仰者です。罪によるものではないから、神さまが下さった厳しい環境も良いのではありませんか？

　この厳しい現実も一部分に過ぎません。マリアが今まで一度も考えたこともないもう一つの現実、もう一つの身分があります。天使が教えてくれました。それを聞いてマリア自身も驚きました。彼女自身がそこまですごい人であることを知りませんでした。目に見えないもう一つの現実は神様が彼女をどう思っておられるかです。


１．神様に恵まれた人
２８節：「恵まれた方。主があなたとともにおられます。」
　恵まれたことが大事です。神の恵みというのは受けられる資格もないのに、優れているところも何もないのに、ただただ神の憐れみによって与えられるものです。ですから、状況としてはマリアが一番恵まれやすい条件を持っています。才能がなければないほど、人間的なバックグラウンドがなければないほど、自我が低くて、自分は何も出来ないと痛感している人であればあるほど、神様の恵みに与る可能性が高いです。私たちも神様の恵みを慕い求めましょう。

　神様に恵まれた人は意外と少ないです。神様に恵まれることは非常に難しいです。なぜなら、私たちの生き方と正反対だからです。人々はひたすら、自分で努力して、自分で不可能を乗り越え、自分で成功しようと頑張っています。人たちはその方法しか知りません。今日も頑張っています。

　自分の能力で乗り越えようとする人は神さまに祈りません。自分の才能で克服しようとする人は神さまに求めません。自分を信じる人は神さまに助けを求めません。自分を信じる人は助けを求めないで、自分で成功しようとするプライドがあります。

　そのプライドは神様から離れた罪から生まれたものです。罪から生まれたプライドは神様の恵みを求めません。ほとんどの人は罪からのプライドがあるので、神様の恵みに与ることができません。私たちは自分のプライドは捨てて、神様の恵みを求めましょう。そうすれば神様が素晴らしいものを下さいます。


２．聖霊に満たされた人
３５節：「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます」
　弱い人であればあれほど、聖霊の力が臨みます。自分の力で生きる生き方はとても疲れます。休むこともできません。少しでも休むと追い抜かれますので、休みたくても、休めません。しかし、聖霊に頼る生き方は安らぎがあります。


３．使命が与えられた人
３１節：「見なさい。あなたは身ごもって、男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。」
　神の働き人として神様に選ばれ、立てられたことです。私たちの価値は父なる神さまが高く上げて下さいます。

　神様に恵まれた人、聖霊に満たされた人、神様の使命が与えられたマリアは神様からのプライドが与えられました。それが彼女を尊いものにしました。私たちもマリアみたいに最初はプライドもなく、自我が弱い人でした。しかし、今は神様の愛と恵みを頂きました。ですから、今日のみことばを通して私たちは勇気を頂きましょう。父なる神様が私たちを強くしてくださいます。父なる神様が私たちに神の子どもとして祝福して下します。となりの人たちを助けられる人となるようにしてくださいます。神にとって不可能なことは何もありません。神にとって不可能なことは何もないことを皆様は信じますか？　マリアは信じました。そして、神様からの使命を受け入れました。

３８節：「私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおり、この身になりますように」
私の自我は弱くても、自分は出来なくても、しかし、神にとって不可能なことは何もないことを信じて、主に従う人を用いてくださいます。神にとって不可能なことは何もないことを、私たちを通して証明してくださいます。



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