2020年11月29日
ルカによる福音書 16章1～8節
＜ この世の子と光の子の違う生き方 ＞
今年一年間、新型コロナで世界経済も、日本の経済も駄目になりました。経済が駄目になると仕事を失う方も多いです。しばらくは多くの方が仕事を失うかも知れません。多くの方が恐れています。心配です。 主の恵みを求めざるを得ません。
さて、今日の箇所に出てくる管理人はある日突然、主人から解雇と言われました。これからどうやって生活するか、彼は悩みました。今まで主人のものを勝手に横領してきたので、素直に悔い改めたら良いですが、彼は
悔い改める心の余裕もありません。 明日からどうやって生活するか、彼は必死に考えました。 彼は答えを見つけたのでしょうか？
１．イエスは弟子たちに対しても、次のように語られた。「ある金持ちに一人の管理人 がいた。この管理人が主人の財産を無駄遣いしている、という訴えが主人にあった。
管理人が管理しているお金は彼自身のものではなく、主人からしばらく預かったもの です。 この管理人は主人から莫大な権限をもらって、主人の代わりに契約を結んだり、契約
を変更したりしました。 管理人には主人のお金を代わりに管理できる権限はありますが、そのお金を勝手に使 える権限はありません。 それなのに、管理人は主人の財産を自分のお金であるかのように無駄遣い（横領）を
していました。 主人のお金を無駄遣いしていたのがばれたので、これ以上、管理人の仕事を続けられ なくなりました。 彼はこれから首になるので、今までの会計報告を主人に求められました。
２．主人は彼を呼んで言った。『おまえについて聞いたこの話は何なのか？ 会計の報告 を出しなさい。もうおまえに、管理を任せておくわけにはいかない。』 管理人の仕事はある日、突然、終わりました。彼は首になります。 この管理人の運命は私たちに似ています。私たちに与えられている仕事、時間、健康、お金、人生もある日突然、終わります。神様に最後の報告をしなくてはいけない時間が来ます。 私たちは神様の管理人であって、いつか報告する義務があります。
ところで、忠実ではなかったこのしもべは会計報告を準備しなければならないこの瞬 間でさえ、逃れる道を模索しました。 生き残れる将来を準備しています。
３．管理人は心の中で考えた。『どうしよう。主人は私から管理の仕事を取り上げよう としている。土を掘る力はないし、物乞いをするのは恥ずかしい。
他の家で管理人をやれば良いですが、彼は忠実ではない人だとうわさが広がっている ので、管理人の仕事も出来ません。 彼はすでに歳もとっているので、力仕事は出来ません。
しかし、このままでは終わりません。 この世の子らはこの世の知恵があるので、しばらく生き延びます。 生き延びるために素早く、ずる賢く動き回ります。
この人はイエス様を信じないで自分の力で生活する人たちの生き方を見せています。
４．分かった、こうしよう。管理の仕事をやめさせられても、人々が私を家に迎えてく れるようにすればよいのだ。』 どこからこんなアイデアが出てくるのでしょうか？ どこからこんなずる賢い、悪い知恵が次々と出てくるでしょうか？ 人間にとって生き残ることは小さい時からの本能です。生き延びることに関しては皆、賢くて、素早いです。今までも忠実ではなかった管理人はこれから企んでいる計画も忠実ではないことばか
りです。
彼の企みは一生の保障にはなりませんが、しばらく面倒見てもらえる方法です。 彼の企みはユダヤ人の古代の慣習によりますと成功する確率が高いです。
なぜなら、当時の文化で考えると相互性の倫理がありまして、誰かに助けてもらった ら、助けてもらった分、助けてあげるのが当たり前の社会倫理でした。
今まで管理人としてお世話してきた人たちに、これからお世話になる作戦です。
５．そこで彼は、主人の債務者たちを一人ひとり呼んで、最初の人に、『私の主人に、 いくら借りがありますか』と言った。 管理人には契約を結んだり、契約を新しく更新したりする権限がありました。
3 特に自然災害などがあると、春に結んだ契約では守られないので、途中で契約を変え ますが、その権限を管理人が持っていました。 管理人は今、その権限を使って、債務者たちを一人ひとり呼んで、契約を書き変えよ
うとしています。
６．その人は『油百バテ』と答えた。すると彼は、『あなたの証文を受け取り、座って すぐに五十と書きなさい』と言った。 バテは油などの液体をはかる単位です。
一バテは３３．７５L です。 １００バテは３、３７５L です。 油１００パテは大きなオリーブ畑から一年間収穫できる量です。 ですから、債務者は一般人ではなく、大規模の商売をする社長のような人です。
債務者が直接債務の内容を書いて、契約書は債権者が持っています。 債務者が勝手に修正できなくするためです。 その契約書を管理人が管理していましたが、それを債務者と新しく書き変えました。
７．それから別の人に、『あなたは、いくら借りがありますか』と言うと、その人は 『小麦百コル』と答えた。彼は、『あなたの証文を受け取り、八十と書きなさい』と 言った。 コルは穀物などをはかる単位です。 通常一つの家族が耕す土地の２０倍にあたるものです。小麦百コルも一般人ではなく、大規模の商売をする商人です。
油１００パテを借りていた債務者は５０％カットしてもらいました。小麦百コルを借りていた債務者は２０％カットしてもらいました。何でも管理人が勝手に変えました。油や小麦を大量に貸しますとそこには利子が発生します。 古代の利子は非常に高かったと言われています。高い理由は、返してもらえない危険度が高いからです。 古代は利子が５０％になることもありました。一旦決まっている利子をちゃんともらえるようになると主人は大儲けです。 元々は大儲けになるはずでしたが、今回は管理人のいたずらで儲けられません。 しかし、損をすることはありません。 ５０％、２０％カットされたものは利子にあたる部分で、主人が貸してあげた元のも のが減ることはありません。 管理人の不正な取引で、主人は損することはありませんが、儲かるはずの分は管理人 のものとなりました。
管理人は今まで利子となるはずのものの一部を勝手に横領していたのではないかと思 います。 勝手にカットした油５０％や小麦２０％の部分は管理人が以前から横領していたもの
で、それを今度は債務者の利益となるようにまわしました。
８．主人は、不正な管理人が賢く行動したのをほめた。この世の子らは、自分と同じ時 代の人々の扱いについては、光の子らよりも賢いのである。 管理人の不正な取引により、主人に大きな損害をもたらしたのであるなら、褒めてあ げることはおかしいです。 主人には損害はなかったようです。
契約は毎年、違いがありました。なぜなら、豊作の時は契約通りの利子をもらえますが、病虫害や凶作の年はどうして も契約通りにはできません。ですから、途中で、利子の部分をある程度調整していました。利子の割合を調整するのが管理人の腕にかかっています。
今回は病虫害や凶作などが無いのにも関わらず、管理人の権限で利子を下げました。 主人は損したことはありません。 借りていた人たちは大きな利益を得ました。管理人も未来への保障を確保しました。三人ともウィンウィンしています。
不正な管理人はずる賢い知恵を使って、人を頼りにして、生きる道を見つけました。 生きるために素早く、賢く動きました。 管理人は神様を頼りにすることはなく、人間を頼りにして生きていました。
私たちキリスト者はこの管理人から学ぶことはありません。 彼はイエス様を信じない人たちを代表している生き方です。 彼はずる賢い知恵を使って、何か月、長くて何年間食べられる方法を見つけました。
その後はどうするつもりでしょうか。 この世の子らは光の子らよりも賢いです。 ですから、何年後はまた、生き延びる方法を見つけるでしょう。
決して生き延びることをあきらめません。 何をしてでも生き延びます。 危機が来たら、悪い知恵を使って乗り越え、また、乗り越え、繰り返します。
そのように最後まで追い込まれて、人生が終わります。 この世の生き方です。
この管理人が最初、どうやって生活できるかと真剣に悩んだとき、最初から、天の父 なる神様に助けを求める方法もあったのに、それをしませんでした。
最初から天の父なる神様に助けを求めたら、悔い改める心を下さったはずです。 悔い改めれば神様が生きる道を備えてくださいます。 悔い改めれば、関係が回復され、人々が助けてくれます。
今日の管理人は首になると言われた時、最初から主人に悔い改めたら、助けてくれた はずです。
イエス様のところに行かないで、自分で何とか解決しようとして、引き続き、イエス 様から離れていると、罪の中、偽りの中、うその中、やっと生きて、散々苦労して結
局終わります。
私たちは人生の問題にぶつかったら、最初から神様に助けを求めましょう。 お金を頼りにしないで、人々を頼りにしないで、自分の頭と判断を頼りにしないで、
神様を頼りにしましょう。 父なる神さまが子どもである私たちを助けて下さいます。
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