2020年11月1日

ヨシュア記　1章1〜11節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 新しい主のしもべ、ヨシュア＞


　ヨシュア記は「主のしもべモーセの死後」から始まります。「主のしもべモーセの死後」、この一言がヨシュアのすべてを変えました。モーセの死後、ヨシュアには何が変わったのでしょうか？


１．民の最高責任者となる（神以外に頼れるところがない）
　主のしもべモーセが死にましたので、荒野の時代は幕を閉じました。これから、ヨシュアの時代になります。これから歴史はモーセ以前の時代とモーセ以後の時代に分かれます。モーセは偉大なる指導者でしたので、一つの時代を区切る人となりました。時代の区切りは一人の死から始まります。

　モーセみたいに大いに用いられる人が死なない限り、新しい時代は始まりません。モーセが死なない限り、人たちはいつまで時間が経ってもモーセが良い、モーセが良いと言っているからです。神様はモーセの死から新しい時代を宣言されました。主のしもべモーセが死んだことは新時代への宣言です。

　ヨシュアはこれ以上、モーセを頼ることはできません。モーセが生きている限り、ヨシュアはいつまでもモーセを頼ることになります。しかし、モーセの死後、これ以上、誰も頼りにできません。

　ヨシュアから見ればモーセにもう少し、頑張ってもらいたかったのです。カナン地に入って、完全に定着するまで指揮を執ってくれたら、助かります。ヨシュアにはモーセほどのリーダーシップはありません。あの偉大なモーセでさえ不信仰の民のために相当苦労したのに、彼にはそこまでのリーダーシップはありません。イスラエル民がヨシュアの言うことを聞いてくれるかどうか不安です。一人で大勢の神の民を背負うことはしんどいことです。

　ヨシュアは誰かを頼りにしたいのに、逆にこれからは皆がヨシュアを頼りにしています。皆から、頼りにされると怖いです。しかし、ヨシュアは怖がっている暇もありません。イスラエル民を奮い立たせ、先頭に立ってカナに行かなければなりません。神様を信じて、ヨシュア自身がモーセの代わりの役割をしなければならない時間となりました。

　モーセの死後、恐れているヨシュアを神様は約束のみことばを通して励ましてくださいました。５節「あなたの一生の間、だれ一人としてあなたの前に立ちはだかる者はいない。わたしはモーセとともにいたように、あなたとともにいる。わたしはあなたを見放さず、あなたを見捨てない」　神の約束があれば、大丈夫です。勇気をもってやれば良いです。

　ヨシュアに比べると確かにモーセは偉大な指導者です。しかし、モーセがいくら偉大な指導者でも彼はあくまでも主のしもべに過ぎません。主のしもべは主のために、民のために用いられますが、時間が経ちますと働きが終わります。働きが終わりますと新しい主のしもべが立てられます。主のしもべモーセの死後、主はモーセの従者、ヌンの子ヨシュアが働きを続けます。主のしもべヌンの子ヨシュアが死にますと、他の人が主のための働きを続けます。主のしもべは時代ごとに変わります。

　しかし、主はいつまでも変わりません。世代は変わりますが、主は変わりませんので、主だけを信じて与えられている使命を全うすれば良いです。私たちの世代は私たちに与えられている使命を全うすれば良いです。次の世代は神様が備えられます。


２．神様から直接指示される（神の指示を民に伝える人となる）
　ヨシュアは今までいつもモーセを通して神様のみことばを聞きました。モーセが神のみことばを聞いて、それをヨシュアに伝えました。しかし、今はモーセがいないので、これから、神様はヨシュアに直接語りかけてくださいます。ヨシュアはこれから神様から直接、みことばを聞いて、それを民に伝える伝達者になります。前進するかどうか、とどまるかどうか、まず、神様に伺いまして、それをイスラエル民に素早く伝える人となりました。彼が勝手に判断して、勝手に決めるとイスラエル民全体が被害を受けることになります。彼は神様のご計画を聞かないで勝手に決めたことで失敗したこともありました。ヨシュアの判断ミスは直接、全イスラエルの被害を意味します。


３．モーセのような信仰者、指導者になる
　ヨシュアは今までモーセの陰に隠れていました。しかし、これからはヨシュアがモーセのような存在になっていきます。神様がモーセのような信仰者、モーセのような指導者となるように導いてくださいます。5節「わたしはモーセとともにいたように、あなたとともにいる」　彼はこれからモーセのようになっていきます。

（１）モーセのように神の約束を信じる人になります（５節）
　あなたとともにいる。わたしはあなたを見放さない。あなたを見捨てない。

（２）モーセのように強く、雄々しくなります（６、７、９節）
　現在、ヨシュアに一番必要なことは心理的な支えです。今までの支えだったモーセから神様に切り替えることが何よりも大事です。ヨシュアに少しでも恐れる心があるとイスラエル民はカナンに入れません。彼はこれから、モーセのように強く、雄々しくなります 。

（３）命じた律法のすべてを守り行う人になります。
　みおしえの書を口から離さず、昼も夜もそれを口ずさむ人に変わります。


　モーセが生きているとき、ヨシュアを見ると頼もしくないこともあったと思います。不安に思ったこともあったと思います。イスラエル民を任せられるかなと思ったこともあるかもしれません。しかし、モーセが死にますと頼もしい人に変わりました。神様が変えてくださいました。モーセが生きている間、頼もしい人にならない理由はモーセがまだ生きているからです。モーセがいなくなればやります。

　 私たちの子どもたちも今は頼もしくないように見えますが、私たちがいなくなると私たち以上にしっかりした人となります。神様がそのように導いてくださり、育ててくださいます。ですから、そんなに心配する必要はありません。



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