2020年10月25日

申命記　34章1〜12節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ モーセの生涯から学ぶ＞


　申命記３４章はモーセの最後の働きであり、彼の生涯の最後です。モーセの最後の時間から私たちに色々の事を学びます。私たちにはまだ、長い時間が残っているので、最後を準備できる機会があります。これからどのように生きるかを考えながら、準備してみましょう。モーセの最後の時間に関しては何か月前ユダ書を通してメッセージさせて頂いたことがあります。今日はまた、別の角度で見てみたいと思います。私たちがモーセの気持ちになったつもりで考えてみましょう。三つの「なぜ」を申し上げますので、皆様もその答えを考えてみてください。


１．なぜ、お見せになりながら、渡ることは出来ないか。（１−４節）
　主は彼にカナン地の全地方をお見せになりました。モーセの目の前に神様が約束されたカナン地があります。しかし、ヨルダン川を渡って入ることは許されませんでした。カナン地に一本の足を踏み入れる事すら許されていません。「わたしはこれをあなたの目に見せたが、あなたがそこへ渡って行くことはできない」。

　モーセから見れば、カナン地を全部見渡すことと一本の足を踏み入れることとそんなに大きな違いはないように感じますが、神様はなぜ、こんなに厳しいでしょうか？　神様とモーセの関係は顔と顔を合わせるくらい親しい関係なのに、この小さい願いさえ聞いて下さらないのでしょうか？　モーセから見れば小さい願いに過ぎませんが、しかし、カナンに入ることは新しい時代に入ることです。単に足を一本踏み入れるだけでも、新しい時代に入ることです。今までの荒野の時代とカナンに定着する時代は全く違う時代であり、違う世代です。モーセの時代はもう終わりました。モーセと同じ世代の人たちは皆、荒野で死にました。次の時代は次の世代の人たちのものです。次世代が神様に従って幸せになろうと、神様に従わないで不幸になろうと、次の時代は次の世代の人たちのものです。

　これ以上、モーセがああだ、こうだ言えるものではありません。モーセは次世代の人たちに申命記を通して十分、注意を呼びかけました。申命記にはモーセが次世代に呼びかけるものが、たくさん書いてあります。次世代になっても、彼らの神様が彼らを導いて下さいます。ですから、今までモーセを導いて下さいました神様が次世代も導いて下さると信じて、神の御手に委ねれば良いです。


２．お墓はカナン地にあっても良いのに、なぜ、モアブの地に葬られたか。（5-6節）
　ヨセフは４００年前、エジプトで死にました。しかし、ヨセフは子孫に遺言を残しました。今はエジプトに葬られますが、この地から離れる時、遺骨を持っていて、カナン地に葬って下さいと遺言を残しました。ヨセフの遺言通り、イスラエル民はエジプトを出発する際、ヨセフの骨を携えて、エジプトを出発しました。その理由で、ヨセフの遺骨はカナン地に葬られました。

　４００年前のヨセフがカナン地に葬られたのだから、モーセもカナン地に葬られる資格があります。それなのに、モーセはカナン地に葬られることすら許されませんでした。イスラエル民はモーセがどこで死んだのかさえ、分からないので、遺骨を移転することすら出来ません。なぜ、慈しみ深い神なのに、モーセがカナン地に葬られることすら許されなかったのでしょうか？

　モーセから見ればカナン地に葬られることすら認められなかったのが悔しいかも知れませんが、カナン地に葬られなかったのは実は良いことでした。もしかして、モーセのお墓がカナン地にあるとしたら、そこはきっと偶像の地となり、人々がいつも拝む場所となったと思います。モーセはあまりにも偉大なる指導者でしたので、きっと偶像になったはずです。


３．まだ、死ぬ時ではないのに、なぜ、生涯が急に終わるのか。（７−８節）
　モーセが死んだときは百二十歳でした。しかし、彼の目はかすまず、気力も衰えていませんでした。彼は急に死んだわけです。神様から頂いた使命は終わりましたが、健康状態はまだ良いです。モーセはまだ、死ぬ時ではないのに、なぜ、ここで急に死ぬことになりますか？

　モーセから見れば悔しいかもしれませんが、モーセの命の終わりは神様の御手の中にあります。一人一人の終わりの時間が皆違います。ある方は気力が衰えたので、死にます。寿命を全うした人です。しかし、寿命全うする方もいれば、途中で終わる方もたくさんいます。事故や事件に巻き込まれて、生涯が終わる方もたくさんいます。

　モーセの気力が完全に衰えるまで、全イスラエルは荒野で待たなければなりませんが、モーセが死ぬ時まで、全イスラエルを荒野で待たせることもおかしいです。モーセ、個人の気力は衰える時ではありませんが、神の新しい時が来ましたので、彼はここで、働きと生涯が終わりました。


４．寿命は全うしなくても、使命は全うしたモーセ（９−１２節）
（１）後継者を立てておきました。
　モーセがヨシュアの上に手を置いて祝福したので、ヌンの子ヨシュアは知恵の霊に満たされていました。今までモーセを導いて下さいました神様が、これからヨシュアを導いて下さいます。モーセに変わってヨシュアが立てられましたので、モーセは何の心配も要りません。

（２）神の仕事を全うしました。
　彼はエジプトの地に遣わされて、ファラオとそのすべての家臣たち、およびその全土に対して、あらゆるしるしと不思議を行いました。そして、全イスラエルの目の前で、あらゆる力強い権威と、あらゆる恐るべき威力をふるいました。彼はこの地上でやることを全部やりました。やることを全部やったので、神の国に帰ることも良いことです。次世代のことは次世代に任せておいて、次世代の心配は神様に委ねて。モーセは神様から頂いた使命を十分全うしましたので、天国の栄光が待っています。私たちもモーセみたい与えられた使命を全う出来たら良いですね。

　 モーセほどではありませんが、私たちにも神様からの使命があることに感謝しましょう。私たちがまだ、生きていることは神様からの使命がまだ残っている事なので、使命があることに感謝しましょう。生涯が終わる時は主が私たちを天国に迎え入れて下さるので、予め感謝しましょう。



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