2020年9月13日

ルカによる福音書　9章18〜26節

　　　　　　　　＜ イエス様はいったいだれだろう3：イエス様の質問と弟子たちの答え ＞


　「群衆はわたしのことをだれだと言っていますか」。イエス様が弟子たちにこの質問をされました。イエス様のこの質問は福音書においてとても重要です。なぜなら、福音書を前半と後半に分ける質問だからです。この質問を前後にして、イエス様の今までのお働きが完全に変わります。前半は神の御国に関する教え、奇跡、御業が多いです。しかし、後半になると指導者たちとの衝突と苦しみ、十字架の話になります。

　福音書を書いた弟子たちはイエス様のこの質問を通して、読者に質問しています。「あなたがたはイエス様をだれだと思いますか」　福音書を読んでいる私たちにも同じ質問です。「皆様はイエス様をだれだと思いますか」　この質問に正しく信仰告白が出来るかどうか、信仰告白通り、生きるか、どうかによって私たちの永遠の運命が決まります。


１．世間の評価（１８−１９節）
　イエス様の不思議な御業を見て、御教えを聞いた人たちは色々の反応をしました。バプテスマのヨハネが生き返ったお方だろう。エリヤが生き返ったお方だろう。メシアが来る前、エリヤが来ると旧約の最後の預言者マラキが預言したからです。
　マラキ４：５　「見よ。わたしは、主の大いなる恐るべき日が来る前に、預言者エリヤをあなたがたに遣わす。」
　私たちの社会において、イエス様は誰でしょうか？　私たちの社会において、キリスト教は何でしょうか？

　しかし、世間の評価は大事ではありません。イエス様が聞きたいのは弟子たちの答え、そして、私たちの答えです。１２弟子たちはイエス様をどのように認識しているのでしょうか？　私たちはイエス様をどのように認識しているのでしょうか？


２．イエス様の質問（２０節）
　イエス様に関する弟子たちの認識を尋ねられました。イエス様は弟子たちをお召しになる時、「人間をとる漁師にしてあげよう」と約束されました。その日から今まで弟子たちを教え、導かれました。今までの自分たちの先生をどのように認識したのでしょうか？　これから、引き続き先生について行けるかどうか、非常に重要な瞬間を迎えました。

　イエス様の質問は私たちにもとても大事な質問です。今までの信仰も大事ですが、これからも引き続き、イエス様について行けるかどうか決めるとても大事な質問です。私たちはイエス様を誰だと信じていますか。

　これからもイエス様について行きますか？　なぜ、ついて行きますか？　今まで助けられたから、祝福されたからついて行きますか？　十字架の試練もあるかも知れませんが、それでもついて行きますか？

　イエス様は私たちにとって誰でしょうか？　イエス様は私たちにとって唯一の救い主です。絶望であった私たちの運命から救い出してくださいました唯一の救い主です。私たちの唯一の導き主です。誰も教えてくれない私たちの道を教えて下さり、ここまで導いて下さいました。私たちの唯一の助け主です。誰も助けてくれない環境でしたが、私たちを助けてくださいました。イエス様は私たちの運命を変えて下さり、ここまで祝福して下さいましたので、最後までイエス様について行きます。


３．ペテロの答え（２０節）
　ペテロの答えは短いですが、一番正しい答えです。「神のキリストです」。ペテロの信仰告白です。彼が今までイエス様の教えを聞いて、御業を見て、イエス様の人格に触れた結果、心から出てきた素晴らしい信仰告白です。

　しかし、彼の信仰告白は半分正しくて、半分正しくありません。イエス様が神のキリストであることは正しいです。しかし、イエス様と一緒に栄光に与かることだけ、期待しているのが間違いです。他の弟子たちも皆、イエス様から与えられる栄光ばかり想像していました。けれども、イエス様が彼らにしばらく求められたのは、イエス様の十字架の御跡を歩むことでした。イエス様はこれから十字架の道を歩まれます。栄光の道ではなくても、弟子たちはついて行くのでしょうか？


４．十字架を背負われるメシア（２２−２３節）
　イエス様は誰だろうという質問にイエス様ご自身が答えて下さいました。神の子どもでありながら、十字架を背負われるお方です。「多くの苦しみを受け、長老たち、祭司長たち、律法学者たちに捨てられ、殺され、三日目によみがえる」。苦しみに会うメシアはイエス様が弟子たちに初めて伝えられた天国の秘密です。12人は最初、覚悟してイエス様の弟子となりました。しかし、ここで、もう一度覚悟しなければなりません。24節「イエス様のためにいのちを失っても」良い覚悟。26節「仲間外れになってもイエス様とイエス様のことばを恥ずかしく思わない」覚悟。この覚悟がなかったイスカリオテユダはイエス様を捨てました。

　私たちがイエス様を正しく認識しているなら、十字架の道でもイエス様について行くはずです。ルカ９：２３「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、日々自分の十字架を負って、わたしに従って来なさい」

　自分を捨て、日々自分の十字架を負っても良いくらいイエス様が好きな人はイエス様に従います。１１人の弟子たちはすべてを捨てても良いくらい、イエス様のことが好きでした。なぜなら、イエス様が彼らの運命を変えて下さったからです。イエス様が彼らに素晴らしい生きがいを下さったからです。魚をとる漁師、価値のない人を、人間を救いに導く伝道者に変えて下さったからです。人々がイエス様に出会うことで幸せになって行くのを見て、弟子たちも生きがいを感じました。誰かの運命に幸せに導くことはとても嬉しいことです。誰かが私たちを通してイエス様を知り、不幸が幸せに変わるのであるなら、それにまさる生きがいはありません。

　 私たちは11人の弟子たちみたいにイエス様のことが好きでしょうか？　イエス様のことで生きがいを感じ、私の運命が変わったことで、感謝していますか？　イエス様はいったいだれだろうという質問に、私たちは自分なりに応えられる人になりたいです。



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