礼拝メッセ−ジ
2020年9月6日

ルカによる福音書　9章10〜17節

　　　　　　　　　　＜ イエス様はいったいだれだろう2：日々の糧を備えられるお方 ＞


　先週、役員の皆様と何人かの方が「礼拝学」というものを学びました。私たちが毎週、捧げている礼拝に関して学べる時間でした。礼拝というのは何か、自分なりに考えてみました。礼拝というのはイエス様と一緒に時間を過ごすことに似ていると思います。イエス様としばらく時間を過ごしていると現実の心配を忘れます。私たちの心はこの世のことを心配して、とても疲れています。礼拝の時間だけでも、生活の心配や悩みは全部主の御手に委ねましょう。そして、天からの安らぎを頂きましょう。礼拝は私たちの心と魂が休む時間です。この時間は天から新しい元気を頂く時間です。

　さて、イエス様のところに集まった群衆は病気が癒され、心配も無くなりました。イエス様と幸せな時間を過ごしました。彼らはイエス様と時間を過ごしていると現実の悩みからしばらく離れたかのような気分になりました。イエス様の天国のお話を聞いて、病人の癒しを見て、まるで別世界に来ているかのような気分になります。喜びと感謝が溢れて、現実の心配をしばらく忘れていました。

　しかし、お腹が空きますとすぐ、現実に戻ります。食べ物がないとこれ以上、イエス様と一緒にいられません。お腹が空いているとイエス様の恵みのお話も耳に入ってきません。お腹が空くことは一人二人の問題ではなく、集まっている人たち、全員の課題です。イエス様はこの問題をどうやって解決して下さるのでしょうか？


１．弟子たちの解決案（１２−１３節）
　１２節を見るといくつかの現実問題あります。まず、集まった群衆が多すぎます。成人男性だけで、五千人という限度をはるかに超えた人数です。すぐ、食べ物を手に入れられる店もありません。お金もありません。弟子たちが持っているのはわずかなもの、五つのパンと二匹の魚しかありません。一人分のものしか持っていません。こんなに難しい課題、厳しい現状なので、弟子たちの解決案は解散させることでした。弟子たちはまだ、神の国よりはこの世のやり方に慣れています。この世のやり方は解散して各自で問題を解決することです。自分の問題は自分で解決する。自分の家族は自分で養う。能力ある人は食べられ、能力ない人は食べられない。弟子たちが知っている解決方法は競争です。私たちが知っている方法も競争することしか知りません。生き残る者だけ生き続ける。罪の世界に生きている私たちに解決方法は競争以外にはありません。


２．イエス様の解決案（１４節）
　弟子たちには解決案がありませんでしたが、イエス様には解決案があるのでしょうか？　イエス様はここで明確に見せて下さいました。イエス様は誰だろうという質問にイエス様ご自身がここで応えて下さいました。イエス様がなさることはまず、人々を、五十人ぐらいずつ組にして座らせることです。五十人ずつ座りましたので、大人の男性けで5000人であることが分かりました。弟子たちはそのとおりにして、全員を座らせました。そこでイエス様は、五つのパンと二匹の魚を取りました。天を見上げ、それらのゆえに神をほめたたえてそれを裂き、群衆に配るように弟子たちにお与えになりました。最後の晩餐の時に似ている様子です。天の父なる神様がイエス様の祈りを通して数え切れないほどの人たちに食べ物を下さいました。

　荒野でイスラエルの民を４０年間食べさせたのは天の神様です。私たちに食べ物、飲み物を下さるのも父なる神様です。私たちの子ども達にも父なる神様が食べ物を下さるでしょう。私たちにこの信仰が必要です。


３．食べて満腹した人たちの答えは何か。
　イエス様は神様しか出来ない御業を見せて下さいました。五つのパンと二匹のさかなを用いて、大人の男性だけで五千人以上が食べても余ったパン切れが十二かごでした。群衆はこの奇跡を見た後、「イエス様はだれだろう」という質問に正しく答えたのでしょうか？　いいえ、残念ながら、この奇跡を見ても結果は変わりませんでした。彼らは次の日も集まりました。次の日の食べ物を求めたわけです。昨日の満腹は終わりました。今日の空腹が彼らを苦しめています。いくら毎日、パンを与えてもまた、お腹は空きます。お腹が空きますと厳しい現実に戻ります。これらの悪循環はすでにイスラエルの民が荒野で４０年間も経験しました。毎日新しい試練、毎日、不平不満、毎日、不信仰の連続です。

　マナがあっても水がないと不信仰になります。水があっても、今度は肉がないと不信仰になります。肉があっても今度はニンニクがないと不信仰になります。厳しい荒野の現実は切りがありません。神様は荒野で、彼らに必要な物を全部与えられましたが、彼らは満足しませんでした。彼らの子孫はカナン地に入りましたが、それでも満足はありませんでした。人の心に神を信じない罪がある限り、いくら与えられても満足はありません。しかし、反対に神を愛する人は何もなくても、感謝します。

　信徒の皆様にとって、父なる神とイエス・キリストはだれでしょうか？　単に食べ物をただでくださるお方でしょうか？　お金で祝福してくださればそれで満足でしょうか？　それ以外には何の意味もないお方でしょうか？　イエス様は私たちに命をくださり、永遠の愛をくださいました。食べ物をくださる単純な関係ではありません。私たちを神の子どもにしてくださいました。神が子どもに食べるものをくださることは当たり前です。

　私たちは罪の奴隷から神の養子に身分が変わりました。神の養子なのに、未だに一日三食食べられるかどうかばかり心配していると情けないことになります。一日三食、食べられるために神の子どもになったわけではありません。私たちは神の養子の身分に相応しく、どうすれば、神の国と神の義を求めるかを考えたいと思います。



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