2020年8月23日

出エジプト記　14章4節、ローマ人へ手紙　9章17節

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 頑なにされたか、頑なになったのか　＞


　出エジプト記４-14章の間に何回も繰り返す同じ言葉があります。「頑なに」という単語です。

4：21　「彼の心を頑なにする」
7：3　「ファラオの心を頑なにし」
７：１3　「ファラオの心は頑なになり」
9：7　「ファラオの心は硬く」
9：12　「主はファラオの心を頑なにされたので」
9：35 「ファラオは心を頑なにし」
10：1　「わたしは彼とその家臣たちの心を硬くした」
10：20、27　「主がファラオの心を頑なにされたので」
11：10　「主はファラオの心を頑なにされ」
14：4　「わたしはファラオの心を頑なにするので」
14：8　「主がエジプトの王ファラオの心を頑なにされたので」
14：17　「このわたしがエジプト人の心を頑なにする。」

　「心を頑なにする」、「心が頑なになる」という表現が繰り返します。神様がファラオの心を頑なにする。ファラオの心が頑なになる。神様がファラオの心を頑なにされたのであるなら、責任は神様にあります。ファラオ自身の心が頑なになったのであるなら、責任はファラオ自身にあります。

　エジプトからイスラエル民が解放される時、エジプトには大きな被害がありました。いくつもの自然災害がありました。農作物が全滅になり、家畜が死ぬ被害がありました。最後は各家庭の長男が全員死にました。被害がこんなに大きくなった理由はファラオの心が頑なになったからです。ここで、私たちが真剣に調べてみたいことはファラオの心を神様が頑なにされたのか、ファラオ自身が頑なになったのかです。

　私たちも生活の中、心が頑なになる時があります。心が頑なになると良いことは一つもありません。私たちにとって、心が頑なになるのは誰の責任でしょうか？　誰が私の心を頑なにしたのか？、自分自身の心が頑なになったのか？　神様が私の心を頑なにされたのであるなら、責任は神様にあります。自分自身の心が頑なになったのであるなら、責任は自分自身にあります。


１．神様がファラオの心を頑なにされたのか
4：21　「わたしが彼の心を頑なにするので、彼は民を去らせない」
7：3　「わたしはファラオの心を頑なにし、わたしのしるしと不思議をエジプトの地で数多く行う」
9：12　「主はファラオの心を頑なにされたので、ファラオは二人の言うことを聞き入れなかった。」
10：1　「わたしは彼とその家臣たちの心を硬くした。これらのしるしを彼らの中で行うためである。
10：20、27　「主がファラオの心を頑なにされたので」
11：10　「主はファラオの心を頑なにされ」

　これらの箇所には神様がファファラオの心を頑なにされたと書いてあります。出エジプト記にはファラオが頑なになったよりは神様がファラオの心を頑なにされたという表現が４倍くらい多いです。

　しかも、神様がファラオの心を頑なにされた理由をローマ９：１７はこう言っています。聖書はファラオにこう言っています。「このことのために、わたしはあなたを立てておいた。わたしの力をあなたに示すため、そうして、わたしの名を全地に知らしめるためである。」

　神様が心を頑なにされることで、ファラオが反抗する、反抗するとファラオを罰する、そして、ファラオを罰することで、神様の栄光を表すことです。しかし、これで神様の栄光になりますか？　神様がファラオを頑なにされたのであるなら、神様も酷いお方ではありませんか？　神は愛のお方なのに、人を罰せられるため、人の心を頑なになさることはありえないことです。聖書の表現は神様がファラオの心を頑なにされたと書いてあります。しかし、文字通りに受け止めると愛の神様と合わないので、私たちは他の答えを探したいと思います。


２．ファラオ自身の心が頑なになったのか
7：13 「ファラオの心は頑なになり、彼らの言うことを聞き入れなかった」
9：7　「ファラオの心は硬く、民を去らせなかった」
9：35　「ファラオは心を頑なにし、イスラエルの子らを去らせなかった」

　エジプトに10回の災いが下るまでファラオの心は頑固でした。災いが１０回も続いて行く中、その被害はますます大きくなりました。ですから、出来る限り早く、イスラエルの民を解放すればよかったのですが、彼のプライドがそれを許せません。なぜなら、ファラオ自身がエジプトでは神のような存在だからです。

　最初から、最後までイスラエルの神に従いたくない気持ちがいっぱいでした。イスラエルを解放させようとすると悔しいです。イスラエルの神に従うことはプライドが傷つきます。イスラエルを解放させようとすると惜しいです。ただの労働力を解放したくありません。しかし、それは欲望です。ファラオの心にあるその悔しさ、その欲望が彼自身の心を頑なにしました。神様が人の心を頑なにするかのように見えますが、実は人間の心にある罪が自分自身の心を頑なにします。

　ファラオが今までイスラエルの民を苦しめた罪があります。もしかして、ファラオがここで、イスラエルを解放して下さるのであるなら、神様も今までの罪は見逃してくださるはずでした。しかし、ファラオ自身の罪は見えなくて、神のみことばに従いたくない気持ちだけが強くて、自分の心を頑なにしました。

　私たちの心が頑なになる瞬間も同じです。神のみことばに受け入れたくない気持ちになったら、心はますます頑なになります。例えば、私たちは赦したくない人がいます。しかし、神は愛のお方です。私だけではなく、私が一番憎んでいる人も愛しておられます。イエス様のようにあなたの敵を愛しなさいと言われたら、私たちの心にある罪が動き出して、私の心は頑なになります。愛しなさい、赦しなさい、和解しなさいというみ言葉が逆に赦したくない私の心を頑なにします。心が頑なになると良いことは一つもありません。心が頑なになったのは神様のせいでしょうか？、自分自身の責任でしょうか？

　ファラオが今まで心頑なになりましたが、今までは少々頑なになってもまだ大丈夫です。慈しみ深い神、愛の神、赦しの神の許容範囲です。今までは頑なになっても命に関わることはありませんでした。今までは頑なになっても、神の憐れみの故に命は助かりました。

　しかし、出エジプト記１４章からは頑なになったら、命がありません。ファラオとエジプト軍隊はイスラエルを追跡しました。エジプトの人たちはまるで、死んでも構わんと言わんばかりの怒りでイスラエルを追跡しました。そこまで行くと命はありません。最後の神のさばきに出会います。

14：4　わたしはファラオの心を頑なにするので、ファラオは彼らの後を追う。しかし、わたしはファラオとその全軍勢によって栄光を現す。こうしてエジプトは、わたしが主であることを知る。」
14：5　民が去ったことがエジプトの王に告げられると、ファラオとその家臣たちは民に対する考えを変えて言った。「われわれは、いったい何ということをしたのか。イスラエルをわれわれのための労役から解放してしまったとは。」
14：8　主がエジプトの王ファラオの心を頑なにされたので、ファラオはイスラエルの子らを追跡した。
14：17　見よ、このわたしがエジプト人の心を頑なにする。彼らは後から入って来る。わたしはファラオとその全軍勢、戦車と騎兵によって、わたしの栄光を現す。

　神様は実は今まで、１０回の災いの時も、エジプトが助かる道を備えて下さいました。しかし、ファラオは聞き入れませんでした。出エジプト４章から１４章に至るまであんなに助かる多くのチャンスがありましたので、一度だけでも聞き従ったら、ここまで追いつめられることは無かったはずです。結局、罪ある人は心が頑なになったら、滅びるまで悔い改めません。

　 私たちの中にもファラオ以上の頑固さがあります。信仰者の特徴は心が頑なになる事はあっても、一回、二回神様に叩かれたらすぐ、頑固な心を捨てます。今まで多くの痛い経験があったからです。私たちはファラオみたいに最後まで頑固になってはいけません。現在、私たちの中に心が頑なになっていることはございませんか？　もしかしてありましたら、主の御前に悔い改めましょう。



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