2020年8月2日

ルカによる福音書　7章11〜17節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ イエス様と同行することは ＞


　イエス様と同行すると私たちには何があるのでしょうか？　今日の聖書に出てくる人たちにとって、イエス様と同行することは何でしょうか？


１．喜んでいる群れと悲しんでいる群れ
　１１節：「それから間もなく、イエスはナインという町に行かれた。弟子たちと大勢の群衆も一緒に行った。」
　それから間もなく：百卒長のしもべを癒してくださった後の事です。一つの事が終わりましたので、イエス様は次のところに移動しました。次のところではどんなことが待っているのでしょうか？　イエス様は１２の弟子たちと多くの群れと一緒に同行しています。イエス様と一緒に同行していた群れは喜びに溢れていました。イエス様がなさる奇跡を見たので、神様を賛美する声が溢れています。イエス様と一緒に歩んでいるこの群れにとって今日の一日は楽しいです。イエス様と一緒に同行している彼らにとって生きることは喜びです。イエス様と一緒に同行している彼らにとって未来は希望に満ちています。彼らにとって、まだ終わっていない今日の残りの時間は楽しみです。イエス様がこれから見せて下さる神の国を目撃するのは楽しみです。

　１２節：「イエスが町の門に近づかれると、見よ、ある母親の一人息子が、死んで担ぎ出されるところであった。その母親はやもめで、その町の人々が大勢、彼女に付き添っていた。」
　１２節にはもう一つの群れがいます。彼らは葬儀に参列している群れです。イエス様と同行している群れと反対に１２節の群れには悲しみが漂っています。１２節の群れは一人の青年の葬儀のために集まっています。葬儀のために集まったこの群れにとって生きることは悲しいことです。彼らにとって生きることは悲しい運命を背負って、疲れ果てて歩く日々です。彼らにとって現実は涙の連続です。彼らには未来の希望がありません。

　葬儀の喪主である一人のやもめが特にそうです。彼女だけ生き残って、未来の希望であった子どもは死にました。彼女には何の希望も残っていません。このやもめにとって子どもは最後の希望でした。最後に残っていた唯一の希望が死にましたので、彼女には何も残っていません。一つの慰めはこの葬儀に町の大勢の人が参列してくれたことです。町の人たちもあまりにも可哀そうだったのか、青年の葬儀に参列してくれました。

　イエス様と同行する群れと葬儀に参列した群れが丁度同じ場所で遭遇しました。二つの群れの中で一つの群れは変わるでしょう。喜んでいた群れが悲しみに変わるのか、悲しんでいる群れが喜びに変わるのか。変わるのであるなら、誰が変えるのか、なぜ変わるのか等の話が続きます。


２．悲しみを喜びに変えられるイエス様
　１３節：　主はその母親を見て深くあわれみ、「泣かなくてもよい」と言われた。イエス様は彼女を見て、憐れんで、「泣かないで」と声をかけられました。イエス様は葬儀の喪主であるやもめをまず、ご覧になりました。彼女が流している涙をご覧になりました。彼女のため息を聞きました。そして、イエス様は心から憐れんで下さいました。彼女の悲しみにイエス様も同感しておられます。そして、声をかけて下さいました。イエス様は彼女に「やもめよ、泣かないで下さい」と言われました。悲しいのに、「泣かないで」と言われた理由は何でしょうか？　青年を再び生かしてくださるからです。イエス様だけが出来る御業です。被造物の私達人間は出来ない神の御業です。

　この奇跡によって、葬儀が一瞬にして、喜び踊る場と変わりました。死んでいた人に、もう一度命を下さいました。イエス様だけが出来る御業です。悲しんでいる群れを一瞬にして喜び溢れる群れに変えられました。この奇跡により、二つの群れは全員、喜び溢れる人たちとなりました。二つの群れの人たちは皆、神をほめたたえました 。


３．私たちの現状
　信徒の皆様、私たちの生活はいかがでしょうか？　皆様の現状は喜びでしょうか、悲しみでしょうか？　未来は希望に溢れていますか、何の希望もないでしょうか？　現在は笑いでしょうか、涙でしょうか？　将来の期待もあまりないから、現実も疲れています。私たちの現実は生きるだけでも厳しいです。未来は希望よりは絶望の方が多いです。私たちはどうすれば良いでしょうか？　私たちに、何か出来ることがありますか？

　主ご自身が私たちのところに来られること以外には方法はありません。主は私たちの現状を変えられる唯一のお方です。私の人生を変えられる唯一のお方です。悲しみを喜びに、絶望を希望に、明日の心配を楽しみに変えられるお方です。このイエス様はすでに私たちのところに来られています。


４．自分の十字架を背負ってイエス様と同行
　 イエス様と一緒に歩む群れには祝福と奇跡だけではありません。自分の十字架を背負って、イエス様と一緒に十字架の道を同行することもあります。葬儀のために集まった群衆は悲しみから喜びに変わりました。イエス様と一緒に歩んでいた弟子たちはまもなく、喜びが悲しみに変わります。イエス様が十字架を背負われるからです。イエス様の弟子たちには迫害もありました。私たちにもあるでしょう。けれども、イエス様と一緒に十字架の道を歩まれた人だけが復活の栄光の道も一緒に歩むことが出来ます。ですから、しばらく与えられている十字架の道を拒まないで、イエス様と共に歩みましょう。私たちが自分の十字架を背負っているとイエス様も一緒に背負って、同行してくださいます。喜びの時だけではなく、辛い時こそ、イエス様が一緒に歩んで下さいますので、とても慰めになります。私たちはこれからも引き続き、喜びの時も、悲しい時もイエス様と一緒に歩みましょう。



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