2020年7月19日
ルカによる福音書 1章5〜23節
＜ イエス様とバプテスマヨハネ1：有名人と無名人 ＞
ルカの福音書は１章から３章まで特徴があります。イエス様とバプテスマヨハネの物語が一回ずつかわりがわり書いてあることです。ルカは彼なりの大事な目的があったからでしょう。イエス様とバプテスマヨハネの物語が一つずつかわりがわり出てくるので、それを読んでいる私たちは自然にイエス様とバプテスマヨハネを比較することになります。今になって見れば二人を比較すること自体がおかしいですが、一応、ルカの意図に合わせて私たちもイエス様とバプテスマヨハネの事を比較してみたいと思います。ルカの順序に合わせて、バプテストヨハネの物語から見てみたいと思います。
バプテスマヨハネは言わば、預言者と言われる大体の条件をそろっていました。ですから、当時の人達は皆、バプテストヨハネが来るべきメシアだと期待していました。当時の人たちから見ればヨハネは有名人、イエス様は無名人です。当時の人たちはなぜ、ヨハネを来るべき預言者だと期待していたのでしょうか？
１．祭司家系で生まれる
バプテスマヨハネが生まれた家は祭司の家系です。お父さんは祭司ですが、お母さんも祭司家系の出身です。「アロン家の娘の一人」だと強調しています。バプテスマヨハネもこのまま成長すれば祭司になるはずの身分でした。彼は名門の家系で生まれた有名人です。人たちも皆、彼の生まれを楽しみにしていました。
６節を見るとお父さん、お母さんはとても素晴らしい信仰者でした。６節「ふたりとも神のみまえに正しい人であって、主の戒めと定めとを、みな落度なく行っていた」 彼が生まれ育ったところは南にあるユダヤです。祭司が仕事するのは南ユダヤにあるエルサレムです。彼の出身地、彼の生活するところは無視されることのない環境でした。
それに比べるとイエス様の家系は普通の一般人です。両親は誰も知らない無名の若い人たちです。お父さんヨセフの仕事は明確ではありません。非常に貧しい家でした。イエス様の家が貧しかったことを裏付けることがあります。イエス様はお生まれになってから８日目に割礼を受けましたが、その時、ささげものが鳩です。当時、一番貧しい人がささげるのが鳩でした。
信仰も普通です。神様の目にはヨセフもマリアも立派な信仰者でしたが、人々には普通の信仰者でした。お父さんはユダヤ部族なので、ダビデの子孫でしたが、しかし、北にあるガリラヤのナザレに住んでいましたので、当時の人たちはイエス様をナザレ人と無視していました。ガリラヤ出身、ナザレ人イエス、当時の人たちがイエス様を侮辱する時の言い方です。イエス様は誰も期待できない家系から生まれました。これは神様がなさる御業です。
ルカ１：５２「権力ある者を王座から引きおろし、卑しい者を引き上げ、」
私たち自身は生まれ育った家系、家柄などに縛られる必要はありません。確か、この世は気にしていますが、私たちには父なる神様がおられます。私の家系は神様がお父様だと強調したいです。私の家柄はイエス様の愛が溢れているのだと自慢したいです。
２．誕生に関する奇跡の物語がある
彼の誕生に関するいくつかの奇跡の物語があります。両親は社会に注目されている祭司の家だから、人達も一緒に奇跡を見ていました。ヨハネの生まれを巡って多くの奇跡があり、多くの証人がいました。
彼の両親は長年間、子どもを産めない不妊の老夫婦でした。相当歳をとってしまって、医学的にはもう、子どもを産めない歳となりました。母のエリサベツが妊娠できたことはまるで、アブラハムの妻サラが妊娠したことと同じくらいの奇跡です。不妊から生まれることまでの出来事を多くの証人が見ていました。
彼が生まれる時は天使の御告げもありました。天使の頭であるガブリエルが父のところに来て、色々の事を告げました。生まれる子どもの名前、最初から聖別して育てること、これから将来何をすることまで預言しました。
天使は生まれる子どもの名前を父ザカリヤに教えました。１３節「・・あなたの妻エリサベツは男の子を産むであろう。その子をヨハネと名づけなさい」
お父さんであるザカリヤは、最初から信じなかったので、すべてのことが成就するまで、言葉が口からでなくなりました。元々、皆に知られている家庭であり、妊娠から生まれることまで、不思議なことばかりありましたので、ヨハネのことは生まれる前から、多くの人が知っていました。そして、彼の生まれを楽しみにして待っていました。
それに比べるとイエス様の誕生はいかがでしょうか？ ヨハネと同じく、天使の御告げはあります。ヨハネと同じく、生まれる赤ちゃんの名前を天使から伝えられました。名前の意味も伝えられました。
しかし、ヨハネのケースと違いまして、周辺の人たちは誰も知りません。処女から生まれることはヨセフとマリアしか知りません。天使の御告げを聞いたのはヨセフとマリアだけです。名前とその意味を聞いたのは父ヨセフだけです。マリアの家族も、ヨセフの家族も、家族でさえ知らなかったと思います。誰も知らないので、誰も期待していません。何も期待していません。
３．生まれつきのナジル人（聖別された生活）
バプテスマヨハネは母のお腹から神様によって聖別されたものです。彼は生まれつきのナジル人です。ナジル人というのは母の胎内から聖別された人です。ですから、生涯、ぶどう酒を一切飲んではいけません。髪の毛も切ってはいけません。罪によって汚してはいけません。ちなみにサムソンがナジル人です。ヨハネは神によって特別に選ばれた人です。特別に選ばれた人は特別な使命があります。
主には１６-１７節までです。１６そして、イスラエルの多くの子らを、主なる彼らの神に立ち帰らせるであろう。１７彼はエリヤの霊と力とをもって、みまえに先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に義人の思いを持たせて、整えられた民を主に備えるであろう」。 彼の主な使命はイエス様をイスラエルに紹介することでした。イエス様のお働きを事前に備えることでした。
それに比べるとイエス様はヨハネ以上に聖霊に満たされ、聖別されました。イエス様の任務は民を罪から救い出す働きです。イエス様は本当に低いところに来られました。誰も知らないように生まれました。何の人気もなく、何の期待もないお方でしたが、この方こそ、私たちの救い主です。今の時代の人々もまだ、イエス様を受け入れませんが、この方こそ、唯一のメシアです。
それでは、私たちはいかがでしょうか？ 私たちも生まれる前から、神によって選ばれ、特別な任務がありまして、この地に生まれました。イエス様を信じて、聖霊によって聖別されました。私たちが気付いていないだけで、私たちにも小さい使命があるはずです。今は未だ、その使命が何か、分かっていません。分かっていないのに、まだ、祈ってもいません。私たちは神様からの使命よりは、小さな幸せが守られることだけ祈っています。まず、神の国と神の義を求めるよりは自分の生活に縛られているような気がします。
中高生の皆様はいかがでしょうか？ 現在、皆様は将来の色々の準備をしています。将来、神にどのように用いられるかを真剣に祈って頂きたいです。何とか、生活さえできればそれだけで満足だと願っていますか？ 若い時からすでに、明日どうやって生きていくかを考えるのはまだ、早いと思います。若い時は神の国と神の義のため、もっと大きなことを求める皆様になって頂きたいです。
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