2020年7月12日

ユダ書　1章9節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ モーセの最後を巡って ＞


　私たちは天国に行く時まで出来る限り、きよめを求めましょう。モーセの葬儀の話を聞いたら皆、きよく生きたいと願うようになると思います。モーセにとってこんなに恥ずかしいことはありません。最高の恥ずかしいことが、死んでから来るとしたら、想像だけで怖いです。今日はモーセの最後を通して、きよく生きたい願いが強くなるきっかけとなりますよう。そして、信仰がどれほど素晴らしい祝福なのか、信仰がどれほど安心出来るものなのかを見たいと思います。


１．モーセの最後
　モーセは40年間、イスラエルの民を荒野で導きました。80歳から120歳まで、４０年間、忍耐する良きリーダでした。本来であるならモーセがイスラエル民をカナン地に連れて行くはずでしたが、彼の役名は荒野で終わります。彼の最後の時間が近づきました。

　彼の最後が近づいた時、カナン地が見える山に一人だけ登って、カナン地を見渡してから、死にました。一人だけ山に登って、死にましたので、彼を葬る人は誰もいません。モーセのお墓がどこにあるのか誰も知らないと申命記は言っています。彼の葬儀は誰がしますか？　神様のために４０年間、昼も夜もなく働いた信仰者の最後はどうなるのでしょうか？

　神様はモーセを見捨てられません。彼の葬儀のために天使の頭、ミカエルを遣わされました。神様はモーセに栄光を下さいました。４０年間、忠実に神とイスラエルの民のために働きましたので、ご褒美を下さいました。モーセはカナン地に入ることは禁止されましたが、モーセのために最後、天使によって葬られる栄光を下さいました。

　ところが、この栄光の時間にサタンが来ました。モーセを告訴するためです。そして、すでに死んでいるモーセの罪を暴露しました。


２．モーセを告訴したサタン
　サタンが言っている告訴の主な内容は「殺人者モーセを栄光の中、葬ってはならない」ということでした。忘れていた80年前の記憶をサタンがよみがえらせました。モーセが若い時、エジプトの王子であった４０歳の時、殺人事件がありました。

出エジプト２：１１−１２
　「11モーセが成長して後、ある日のこと、同胞の所に出て行って、そのはげしい労役を見た。彼はひとりのエジプトびとが、同胞のひとりであるヘブルびとを打つのを見たので、12左右を見まわし、人のいないのを見て、そのエジプトびとを打ち殺し、これを砂の中に隠した。」

　モーセはこの事件でエジプトの王室から追い出されました。王子から羊飼いとなりました。モーセはこの事件で、４０年間、まるで囚人のように牢屋のような荒野で暗黒の時間を過ごしました。それが罰であるなら、モーセはすでに十分罰を受けました。神様もすでに赦して下さいました。それなのに、サタンがモーセを神様に告訴しました。


３．私たちもサタンに告訴されたら
私たちがモーセのように告訴されたらどうしましょうか？
（１）きよく生きる
　今までのことは仕方ないとしても、これからでも出来る限り、きよく生きたいです。私たちの生涯がきよめを求めなかったからと言って、救われないことはありません。しかし、この地上の生涯がすでに終わっているのに、サタンに告訴され、忘れていた罪まで一つ一つ告げられることは想像するだけでも恥ずかしいです。本当にこれからでも、きよく生きたいです。

（２）代わりに善行を行う
　いくらきよく生きていても、サタンに告訴されます。問題はサタンの告訴に正しい部分があることです。いくら神のために４０年間、働いたとしても８０年前の殺人罪が相殺されることはありません。人間は自分勝手に、過去の罪を相殺するつもりで、善を行います。犯した罪の代わりに何倍も善を行います。モーセも４０年間、闇の生活をして、その後また、４０年間神のために働きました。それでも殺人罪は消えません。人間がせいぜい出来ることは善を行うことで何とか、過去の罪を帳消しすることですが、どうしたら良いでしょうか？

（３）信仰の本当の力を知ることになる
　サタンに告訴されることで信仰の本当の力を知ることになります。サタンの告訴に正しいことは一つありますが、その外は全部間違っています。モーセの罪はすでに神によって赦されていることです。モーセには信仰があります。モーセはすでに死んでいて、残っているのは亡骸だけです。ここで、モーセが出来ることは何一つありません。殺人者なので、死体は悲惨な形で、捨てられるのか？　神の栄光のうちに葬られるのか、モーセ自身が決められることは何一つありません。神様に１００％委ねられています。神様に１００％委ねられていること、これが信仰です。

　信仰は自分が何かをすることではなくて、１００％委ねれば、父なる神が栄光の天国に導いて下さることです。信仰は私たちが死んだ後こそ、本当の力を発揮します。私たちが信仰の力を悟るのは復活の後です。

　モーセは死んだので、何一つ出来なくても、神様はすでに彼を赦しておられます。モーセを殺人者としてさばかれるのか、栄光の天国に入るのかを決めるのは神様です。サタンは決められる資格がありません。天使の頭ミカエルでさえ、サタンの間違いをさばく資格はありません。ですから、ミカエルはサタンをさばいていません。天使の頭でさえ、さばく資格がないからです。サタンにはさばける資格がないのに、モーセをさばきましたので、それがサタンの罪となり、サタンは神様にさばかれます。

　サタンは私たちも告訴するでしょう。残念ながら私たちにはサタンに告訴され、さばかれる罪があります。しかし、父なる神様がイエス様の血潮によって私たちを赦してくださいました。そして、罪なしと宣告して下さり、御国に迎え入れて下さいます。信仰は偉大なものです。


４．モーセのお墓を誰も知らない理由
　サタンはすでに死んでしまったモーセの亡骸を持って行こうとしました。何をするつもりだったでしょうか？　サタンは多分、モーセの亡骸をイスラエルの民のところに持って行って偶像にするつもりだったと思います。モーセはイスラエル民の英雄だったので、きっとイスラエル民はモーセの亡骸を神のように拝むはずです。モーセの亡骸が偶像になったらモーセにとってこれにまさる恥はありません。神様はそんなことがないようにモーセのお墓がどこにあるか誰も知らないように葬られました。栄光は神様だけのもの、私たちは神の栄光のためにきよく、用いられる器です。

　 信徒の皆様、主のために奉仕できる時間が私たちのどのくらい残っているのか分かりませんが、残りの時間、精一杯主の栄光のために励みましょう。最後は主が私たちを天国に迎え入れて下さることを信じて。



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