2020年6月28日

ペテロの第一の手紙　13章8〜13節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 顔と顔を合わせて見る、その日 ＞


　コロナウイルスが私たちの信仰生活を相当変えました。私たちは再び集まって、顔と顔を合わせて、楽しく交わり、熱く祈れる日を期待しながら、この時期を過ごしましょう。さて、コロナのことで顔と顔を合わせてはいけない時代となりました。しかし、実は、人間は最初から、罪のゆえに、神に対しても、人に対しても顔と顔を合わせて話すことが出来なくなっていました。

　善悪の知識の木の実を食べた後、アダムとエバが木陰に隠れて、神に顔を合わせることが出来ませんでした。
創世記３：８
　「彼らは、日の涼しい風の吹くころ、園の中に主なる神の歩まれる音を聞いた。そこで、人とその妻とは主なる神の顔を避けて、園の木の間に身を隠した。」

　善悪の知識の木の実を食べた後、アダムとエバが互いに顔を合わせませんでした。
創世記３：１２
　「人は答えた、「わたしと一緒にしてくださったあの女が、木から取ってくれたので、わたしは食べたのです」

カインは神様に怒って顔を伏せました。
創世記４：５、６
　「５　しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。６そこで主はカインに言われた、「なぜあなたは憤るのですか、なぜ顔を伏せるのですか。」

　神様と顔を合わせられない苦しみは試練の時も同じです。ヨブが試練の中、最も苦しかったことは神に顔を合わせて直接言いたいのに、神様はどこにおられるのか分からないことでした。
ヨブ記１３：２４
　「なにゆえ、あなたはみ顔をかくし、わたしをあなたの敵とされるのか。」

　イエス様が十字架の上で一番苦しかったことは父なら神がそばにおられないことでした。今までは顔を合わせるくらい親しい関係でしたが、十字架の上で、父なる神はそばにおられません。
マタイ２７：４６
　「そして三時ごろに、イエスは大声で叫んで、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と言われた。それは「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。」

　私達はイエス様とヨブほどではありませんが、生涯において、霧の中をさまよっている気分になる時があります。
神がおられるのか、どうかはっきり見えない。
神の御心なのかどうか、はっきり分からない。
神の声なのかどうか、はっきり聞こえない。

　イエス様が私たちの目の前に現れて下されば今の試練も耐えられると思いますが、何も感じられないのが何よりもしんどいです。 まるで鏡を見ているように人生の道がぼやけて見えます。

　パウロの時代には今のような鏡はありませんでした。当時は鏡と言っても金属を丸く叩いて映しやすくしたものです。鮮明に見えないことは不安になることです。現在の私たちの心境ではないでしょうか？　自分の人生という鏡に映っている自分自身を見ようと苦労しています。人との関係はこれで良いのか、未来はこのままで良いのか、全部がぼやけて見えます。

　私たちは、人生大体のことは分かっていますので、何となく、普通に生きています。しかし、個人の細かい問題に入ると分からないことが多いです。「イエス様、このままの生き方で良いでしょうか」　自分なりには頑張りましたが、このくらいで良いでしょうか？

　私たちは何をすればはっきり分かるのでしょうか？　これは私たちが何かをすることではありません。この地上ではイエス様の大きな愛を一部分しか分かりません。一部分しか分からなくても大丈夫です。今は一部分だけ知ることで良いです。信仰を保ち続けて行けばイエス様と顔と顔を合わせる、その日が来ます。

　９節のように私たちが分かるのは一部分にすぎません。だから、生き苦しいです。人生の答えが分からなくて、とても辛いです。１１節のように今は知っていることに限界があります。しかし、12節があります。１２「今は、おぼろげにみています。しかし、その時には、顔と顔を合わせて見る」

　自分の人生に関して今は一部分しか知りません。しかし、その日になるとイエス様が私を完全に知っておられるように、私たちも全部知ることになります。その日までイエス様の変わらない愛が私たちを導きて下さいます。

　この世のすべてが変わっても、変わらないものが一つあります。イエス様の愛です。預言も、異言も知識もいつか終わります。今は部分的なことしか分かりません。今は子どものような小さい信仰です。心の中におられるイエス様もはっきり感じられません。

　 しかし、その日になるとイエス様と顔と顔を合わせて見る日、すべてが鮮明に見える日が来ます。その日までいつも変わらないイエス様の愛が私を導かれます。ですから、今日、私たちが出来ることはイエス様の愛をもう一度確信することです。イエス様の愛を確信したら、自然に感謝が溢れます。イエス様の愛を確信したら、自然にイエス様の愛を隣の人に分け合いたくなります。この一週間、イエス様の愛に十分満たされることを楽しみにしましょう。



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