2020年6月21日

ペテロの第一の手紙　5章6〜11節

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 神の時まで謙遜に ＞


　ペテロ第一の手紙5章は5節の後半から謙遜に関する教えが続きます。ですから、６−１１節を謙遜というカテゴリーの中で考えてみましょう。


６節
　アダムの罪の以来、人間の心の中には自分自身を高くしようする本能が生まれました。私たちの中にもその本能があります。私達が現在、頑張れる底力は現在より高くなろうとしているからです。自分の能力と努力によって高くなろうとしています。努力するのが、現在より高くなるのが悪いと言っているのではありません。問題は努力している動機にあります。私達を高くしてくださるのは父なる神様の御業であり、神様が下さる祝福なのに、私たちは自分で勝ち取ろうとしています。

　神の力強い御手は私たちを神の子どもとして高くしてあげようとしているのに、私たちは自分で手に入れようとしています。神様が高くして下さるまで、待てないのが私たちの問題です。なぜなら、自分を低くして、神の時まで待っていて、もしかして、低いままで人生終わったらどうしようという焦りがあります。神の時を待つよりは自分で頑張った方が安心です。結局は神を信じるよりは自分を信じています。

　もしかして、仮に高くなることなく、低くいまま、人生終わるのが、私に与えられている使命であるなら、皆様は低いままで人生が終わっても良いですか？　私が神様に大いに用いられるか、小さく用いられるか、私が低くなるのか、高くなるのかを決められるのは神だけです。この事実を受け入れるのはとても難しいです。まさに信仰です。

　神の家には色々の種類の器があります。その器は神の栄光のために用いられます。
IIテモテ２：２０
　「大きな家には、金や銀の器ばかりではなく、木や土の器もあり、そして、あるものは尊いことに用いられ、あるものは卑しいことに用いられる。」

　皆様は金や銀の器として用いられたいですか、木や土の器として用いられたいですか？　皆の願いは金や銀の器になる事ですが、それを決めるのは自分ではなく、神様です。大事なのはどんな器になるのかではなくて、きよい器として用いられるかです。きよい器になろうと願うのは自分で決められます。しかし、金や銀の器になるか、木や土の器になるかは自分では決められないし、自分で決めてはいけません。

　高くなる、低くなる、このイメージは私たちが自分勝手に作り上げたものです。皆様にとって何が高くなったイメージで、何が低くなったイメージですか？　何が高くなったことなのか、低くなったことなのかを決めたのは私たち自身です。高くなる、低くなる、そのイメージでさえ主に委ねましょう。どちらの器でも良いから、主にきよく用いられれば、それこそ高くなったことです。主に用いられたのではなく、自分でやり遂げたことは低くなったことです。


７節
　私達は謙遜にいられない理由があります。現状のまま、低いままの状態にいられない理由があります。その理由は明日のことを考えると不安で、不安でたまらないからです。今日のうちに明日の保証が欲しいです。明日の保証があれば安心、無ければ不安です。今年のうちに来年の見通しがあれば安心、無ければ不安です。若いうちに老後の保障があれば安心、無ければ不安です。キリスト者の安心、安全は私の中におられるイエス様です。しかし、私たちは目に見えないイエス様よりは目に見えるお金から安心、安全を求めています。ですから、若いうちに、健康のうちに、出来る限り早く、安定した生活を手に入れようとしているので、思いわずらいが多いです。

　神が私達をかえりみて下さることを信じるよりは目に見える保証が必要です。明日のことを今日のうちにやっておきたい焦りと思いわずらいに覆われています。信仰者にとって今日、しなければならないことは明日を心配して、準備することよりは今日の一日を謙遜に生きることです。


８節
　私達は身を慎み、目をさましていましょう。その理由は私たちの敵である悪魔が、ほえたけるししのように、食いつくすべきものを求めて歩き回っているからです。サタンと私たちは毎日戦っています。サタンはイエス様と私の関係を壊そうとしています。イエス様、聖霊様が共におられるので、おびえる必要はありませんが、注意しましょう。注意する方法は謙遜に生きることです。傲慢な人となるようにサタンが絶えず誘惑しています。

　サタンは人を利用して私たちを苦しめます。サタンに操られて、私たちを苦しめる人たちがいます。その人たちはサタンと同じく敵対すれば良いでしょうか？　サタンに利用され、私を苦しめる人に対しては「敵を赦しなさい、愛しなさい」です。しかし、サタンに対してはひたすら敵対しなさいです。


９−１０節
　試練が私達を謙遜にします。キリスト者の中で試練が無い人は一人もいません。「全世界にいる私たちの兄弟たちも、同じような苦しみの数々に会っている」　このみ言葉を聞いただけでも慰められます。全世界の兄弟姉妹たちが同じ苦しみを、しかも数々の苦しみを受けているそうです。試練の時間は大変ですが、いつまでも続くものではありません。しばらく続きますが、終わりがあります。そして、試練の後は私たちを「いやし、強め、力づけ、不動のものにしてくれます」

　 私達の願いは毎日、何も悪いことがなく、平和、平安、幸せになることですが、現実は色々の戦いがあります。その理由は私達にまだサタンとの霊的な戦いがしばらく残っているからです。サタンとの全面戦争はイエス様の十字架によってすでに勝ちましたが、極地的な戦いはしばらく続きます。それに加えて、私たちの中に誘惑がありますが、サタンがそれをうまく利用しています。私達はサタンに利用されてはいけません。方法は謙遜になることです。謙遜になる方法の一つは、私の人生目標に拘らないで、主に委ねることです。人生の目標があること自体は良いことです。しかし、人生目標に拘って、執着すると誘惑が増えて、サタンが悪利用しますので、それを注意しましょう。



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