2019年10月27日

ペテロの第一の手紙　2章1〜3節

　　　　　　　　　　　　　　　　＜ 信仰の秘訣：乳飲み子のようになる ＞


　聖書の中に二つの生き方があります。一つは神を頼りにしないで、自分の力で生きることです。もう一つは神を信じて、神が下さる力によって生きることです。人は本来、神を頼りにし、神が下さる恵みと祝福の中、神ににている、神のように生きることになっていましたが、アダムは神を離れ、自分の力で生きることにしました。自分自身を頼りにするか、神を頼りにするか決められる選択肢を神様が下さいました。神から離れた後、自分の力だけでは生きていけないことが分かって、今度は神以外の者に助けを求めました。

1節は聖書の神を信じないローマ世界に住んでいる人たちの生き方です。
聖書の神を信じないので、頼れるのは自分自身しかいません。成功のために何でもやります。良心の呵責も感じません。神を信じないので、自分にとって何が利益なのかを中心に考えます。しかし、経済も大事ですが、倫理も大事です。いくら利益があっても、卑怯だったと感じると心に幸せはありません。私たちはお金も欲しいですが、幸せも欲しいです。クリスチャンは今の行動が神の御前で正しいか、正しくないかを中心に考える人です。

1節の罪は人々の心にある具体的な罪です。
あらゆる悪意： 非行、自分の利益のために何でもやります。いざと言うときは非常に自己中心的になります。
あらゆる偽り： 誘い出す、騙されやすいようにするもの。自分の目的を達成するため、隣人を利用することです。
偽善： 英語そのままのhypocrisyです。ありのままの姿ではありません。無いのにあるかのように、あるのに無いかのように見せかけます。
そねみ： 妬み、負けた時の悔しさの形で現れます。
いっさいの悪口： 他人のことを客観的に評価したくないことです。


1．節の罪を捨てなさい。
　捨てなさいの中には二つの意味が含まれていると思います。一つは私自身が1節の生き方をやめることです。1節の罪の裏には競争、比較などがあります。神の子どもは競争に打ち勝て、一人だけ生き残る生き方ではなく、皆と一緒に生きる道を選びたいです。皆と一緒に生きる方法を探し求めると主が助けて下さいます。二つ目の意味は、私は昔の生き方を捨てたとしても、未だ昔の生き方の中に暮らしている家族や近所の人は捨てることが出来ないことです。私自身は昔からの間違った生き方を捨てても、信じていない家族は１節の生き方しか知りません。しかし、生き方が違うからと言って家族を切り捨てることは出来ません。罪は捨てても、人は捨てられません。神様の願いは1節の罪は捨てても、1節の生活をしている人は捨てないで、正しく導くことです。それが私たちの課題です。

　1節の罪は、努力よりは2節の神の御言葉の味を知る時、自然になくなります。1節の罪を断ち切ろうと努力する以前にまず、純粋な神の御言葉の味が分かると自然に無くなります。私達には神の御言葉を慕い求める本能があるので、その本能を積極に使いましょう。まるで、本能的にひたすら、母の乳を求める赤ちゃんのようです。

　ペテロは1，2節の単語で、言葉遊びをしています。１節はこの世の罪に染まっている大人のイメージです。2節は純粋な赤ちゃんのイメージです。大人と赤ちゃんを比較しています。

「混じりけのない霊の乳を慕い求めなさい」
2節の混じりけのないと１節の偽りは反対語です。ギリシャ語で見ると一文字だけ違います。混じりけのないは（アドルロン）です。人間の汚い手段は何一つないことです。偽りは（ドルロン）です。成功のために汚い手段でも、何でもやることです。

　霊の乳を求めなさい、主のことばを食べなさい、主ご自身を味わいなさい
主のみことばを頼りにして生きる時、私たちはこれ以上、1節の生き方をしなくても良いです。「霊の乳」はみことばだけでなく、神の憐れみ、神の恵みと入れ替えても良いです。３節を見るとそうです。

「あなたがたは、主が恵み深いかたであることを、すでに味わい知った」
　堕落している世界だからこそ、その中で一緒に住んでいる私たちは切実に神の恵みを慕い求めましょう。神の憐れみと神の恵みは素晴らしいものです。激しい競争の中でも、主が憐れみと恵みによって私たちに生きる道を与えて下さいます。堕落している世界の人と同じく、私たちも堕落して、汚い手を使うことは出来ません。だからと言っていつも悪人に悪利用され、悔しい思いばかりしてはいけません。ですから、私たちは切実に神の憐れみと恵みを慕い求めます。



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